概要
英語ではamyotrophic lateral sclerosisと称し、頭文字を取ってALSと略される。
運動ニューロン病の一つで、全身の筋肉の萎縮と筋力の低下をきたし、徐々に動くことや話すことができなくなっていく病気。運動をつかさどる神経(運動ニューロン)が何らかの障害を受け、「体を動かす」という脳からの命令を筋肉に伝えられなくなり発症する。
筋肉を動かすことに障害が起こる一方で、全身の五感や内臓の機能はそのままの状態を保っている。重度になると話すことはおろか、自発呼吸もままならなくなる。
症状の進行で自発呼吸ができなくなり、人工呼吸器を利用することになった患者は意思疎通が難しくなってしまう。そこで、眼球運動の読み取り、脳波によるコンピューターのコントロール(意思伝達装置の利用)がコミュニケーションの手法として研究されている。また、患者の中には声の出るうちに音声を録音し、これらと併用して会話を行う方法を取っている人もいる。
発病の詳しい原因は不明であるが、神経の老化と関連があるといわれている。
この病気に罹患する人は1年で人口10万人あたり1.1 - 2.5人とされ、女性よりも男性のほうが1.2-3倍多く発症するとされている。
10%の患者が発症から1年以内に亡くなるとされる一方で、5〜10%の患者が発症から10年後も生存しているという調査結果が存在し、発症の原因や経過には個人差も大きい。
筋ジストロフィーやパーキンソン病などは似た症状を呈するが、その性質や原因、病理は異なる。
ALSのyoutubeCM
アイス・バケツ・チャレンジ
2014年にアメリカで始まった、ALSの支援と啓蒙を目的とした社会運動のこと。
バケツに入った氷水を頭からかけている様子を撮影し、それをFacebookやTwitterといった交流サイトで公開する、あるいは100ドルをALS支援団体に寄付する、あるいはその両方を行うかを選択する。
さらに、次にやってもらいたい人物を3人指名し、指名された人物は24時間以内にいずれかの方法を選択するという活動である。
詳細は当該項目を参照のこと。
罹患した人物、キャラクターなど
50音順。百科事典内に記事のある人物、キャラクターに限定。
現実
- 瑳川哲朗:俳優
- 篠沢秀夫:フランス語学者
- スティーヴン・ホーキング:物理学者
- 津久井教生:声優
- 徳田虎雄:医師、政治家
- 毛沢東:中華人民共和国初代国家主席※ただし、実際にALSであったか、似た症状の別の病気であったかは現在でも議論がなされている
- ルー・ゲーリッグ:元メジャーリーガー※同病の別名「ルー・ゲーリッグ病」の由来
フィクション
そのほか
- スポンジ・ボブ:原作者のステファン・ヒーレンバーグが同病により亡くなっており、世界中のファンから哀悼のコメントが寄せられた。