もしかして
解説
弊衣破帽で荒々しい行動を尊ぶ男子学生のこと。ただの学ランや外套を付けただけの姿はバンカラには含まれない。また、バンカラは容姿だけでなく、正義感にあふれる人情に篤い硬派で、誰からも慕われる存在である(弱いものいじめなどもってのほかである)。
漢字で書くと蛮カラとなる。ハイカラのアンチテーゼとして明治時代の旧制高校で生み出されたもので、粗末な衣装によって「表面の姿形に惑わされず真理を追求する」ストイックな姿勢を表現したものである。本来のバンカラは昭和期に既に絶滅しているが、その名残は近年まで残っており、東北地方には学校の応援の一環として弊衣破帽を行っている高校がある。
不良のカテゴリーには入るものの、本来はエリート層の文化であり、知的教養に乏しいヤンキーとは似て非なるものである。
明治時代末期の段階で、中学校以上に進学する男子は約14%、昭和10年(1935年)の段階でも約20%に過ぎない。そもそも旧制中学生、旧制高校生自体が少数の高学歴層だった。バンカラはそのなかで、率直に偉ぶったエリートコースに進むことをためらい、あえて男らしさや力強さを追求する少年たちだった。それゆえ、明治期から戦前の学生街ではバンカラに好意的な大人も多かったといわれる(だが当然、嫌われる暴力学生もいた)。
戦後、バンカラのイメージが大衆化することで、少年漫画などでは喧嘩に明け暮れるあまり知的でないバンカラも多く描かれるようになった(この過程で弊衣破帽は喧嘩の結果であるという誤解が広がった)。