妖怪ヌリカベ
ようかいぬりかべ
「今まさにおいどん、カベドーンされてるでごわす~!」
忍びの22「超合体!覇王シュリケンジン」に登場する十六夜九衛門の手によって、どこかの踏切の遮断機に牙鬼幻月の邪気が宿る封印の手裏剣が刺さったことで変化した、古来の「塗壁」の伝承を受け継ぐ妖怪。
白い壁の様な胴体に手足の生えた姿に赤い3つの目を持ち、どこか犬っぽい顔立ちが特徴の姿を持つ。また、元になった器物である遮断器のバーが両肩から2本ずつ生えており、更に両手の指と両足にも同様の意匠が見られる。
尚、原典の塗壁は福岡県の妖怪だが、何故かこちらのヌリカベは鹿児島弁を話す(※ちなみに鹿児島を代表する妖怪は一反木綿)。
塗壁の名に恥じぬ非常に頑強な外皮を持ち、「ヌリカベシールド」なる鉄壁を発生させることであらゆる攻撃を弾き返せる「妖怪ディフェンダー」である。
両肩に2本ずつ付いている遮断機のバーは単なる飾りではなく「遮断機型キャノン砲」という砲撃武器となり、上記のヌリカベシールドで身を隠した上で砲撃する戦法を取る。
両肩の遮断機は砲撃以外にも、伸ばして相手の行く手を遮ることで巨大な壁をそびえ立たせ、囲い込んで分断する能力を有する。
そして壁で囲い込んだ相手の心の中に立ちはだかる障害が記された「人生の壁」を作り出し、それを乗り越えられない相手を絶望させることができる。
劇中では牙鬼の復活に必要な「恐れ」を集めんとする有明の方の命を受けた九衛門によって生み出され、人生の壁で人々を絶望させることで「恐れ」を集めて行く。
九衛門の手で生み出されると、自らの能力によって人々を絶望させる事で「恐れ」の収集に乗り出す。すると自身の出現に反応してニンニンジャーが駆けつけたため、ジュッカラゲと共に迎撃に入る。「覇王シュリケンジンの合体で不安要素」と言うレッテルを抱えるアオとスター両名を変身解除に追い込み、更に2人を「天晴」と記された人生の壁の中に閉じ込めてしまう。
しかし、壁の中で八雲とキンジの2人は超絶勝負チェンジャーから響く獅子王の一言により、壁を乗り越えるのではなく、突破する作戦を思いつく。そうして2人が同時に放った忍法によって軟らかくなった人生の壁を破壊された挙句、勝手に撤退した有明の方に後のことを丸投げにされてしまう。それでもアオとスター相手に何とか善戦するも、アカニンジャー超絶との合体必殺技「二刀手裏剣斬・超絶斬り」を受け、「おはんら、カッコイイでごわす~!」と叫んで敗北。
直後に九衛門の放った肥大蕃息の術によって再生巨大化すると、シュリケンジン、バイソンキング、ライオンハオー)の3体を迎え撃つ。ライオンハオーの大シュリケンクラッシュを上述のヌリカベシールドで弾き返し、超合体忍シュリケンによって覇王シュリケン合体した覇王シュリケンジンに対しても、ヌリカベシールドで防御しながら遮断機型キャノン砲で砲撃すると言う奮戦ぶりを見せ付ける。
だが、覇王シュリケンジンの凄まじいパワーによってシールドを破壊されると、更に分離したシノビマルに乗るアカニンジャー超絶に両肩の遮断機を破壊されたために無力化してしまい、最期は覇王アッパレバスターを喰らい冒頭の台詞と共に爆散した。
ヌリカベの敗北後、人生の壁に閉じ込められていた人々の多くが自身の抱える人生の壁について自ら考え決断し、解決に至っている。
原典のぬりかべは古来の浮世絵において目玉が3つある犬のような姿で描かれた物があり、今回はこれをモチーフにしている。
こちらのヌリカベは水木しげるの漫画及びそれを原作とした国民的アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』に有る手足の生えた壁と言う広く浸透したイメージを踏襲しつつ、そうした原典のイメージを見事に融和させたデザインと言える。
声を演じた川津氏は2004年に放送された『特捜戦隊デカレンジャー』のボッツ星人ゾータク以来、実に11年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。次の出演は6年後の『機界戦隊ゼンカイジャー』のカタツムリワルド/ダイカタツムリワルド役である。
手裏剣戦隊ニンニンジャー 牙鬼軍団 妖怪(ニンニンジャー) ぬりかべ 遮断機
ヌリカベ:『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した偉大な先輩。
フタガワラ:『侍戦隊シンケンジャー』に登場するぬりかべ繋がりの戦隊怪人。
センログルマー:『爆上戦隊ブンブンジャー』に登場した素体アイテムを使い人々の感情を集める鉄道要素(正確には踏切ではなく線路)モチーフの後輩怪人。