「お前等ぁッ、食事の邪魔をするな!」
データ
概要
第三十五幕「十一折神全合体」に登場。
鬼瓦のような、埴輪のような姿を持つアヤカシ。筋殻アクマロの5人目の部下で、『ぬりかべ』伝承のルーツとなっている。
まるでハンマーの様な頭部に巨大な腕、頭と腰の辺りからもコードの様な物が何本も生え、同時に縄文土器の様な複雑な文様が刻まれた外見を持つ。全体のカラーリングも、頭部を含む胴体は黒ずんだ灰色で所々青いが、四肢は赤錆色となっている。
両手が口になっており、文字通り"手当たり次第"に何でも食べるが、その真価は二の目になって巨大化した時に発揮される。
二の目になると同時に、それまでの食事によって体内に蓄積された栄養を一気に使い、両腕を身の丈を超えた頑強な鬼瓦へと変貌させるのである。
この鬼瓦は固く閉じる事であらゆる攻撃から身を守る鉄壁の盾となり、その両目から発射する不気味な光線で周囲を焦熱地獄にする。二の目で顕現するこの鬼瓦こそが、ぬりかべのルーツとなった。
劇中での活躍
現世に現れると二の目に備えて只管に周囲の物を食べ続け、腑破十臓と薄皮太夫のサポートもあり、満腹になるまで食事を続けて行く。
その過程で流ノ介のショドウフォンをも食べてしまうが、満腹になったところで十臓達の攻撃を受け倒される(※その直前、スーパーシンケンレッドが右腕を切り落とし、ショドウフォンは取り戻せた)。
その直後、二の目となって巨大化し、同時に両腕が巨大な鬼瓦となった真の姿へと変貌。
ダイカイシンケンオーの攻撃を完璧に防御し、鬼瓦の打撃と両腕のパンチで圧倒するが、全ての折神を全侍合体させたサムライハオーが誕生し、虎ドリルと海老バサミを耐え切るが、ダイシンケン覇王斬りには耐え切れずに怯み、最期はモヂカラ大弾円を受け爆散した。
この世を焦熱地獄に変えるべく出撃したフタガワラだが、実態はドクロボウ、クグツカイ、ハッポウズの3体同様、アクマロが真の狙いをドウコク達に悟られない為差し向けたオトリ役であり、体よく使い捨てられたようなものであった。
余談
現代の伝承において、『ぬりかべ』は正体の不明な人間を遮る壁のような化け物らしいが、「フタガワラが二の目となった際に不動の壁そのものとなった姿」がそのルーツになったと思われる。
つまりフタガワラは過去に一度倒されて二の目で巨大化した事になる訳だが、そこからどうやって等身大=一の目に戻ったかは不明。巨大化時に倒されなければ自然と一の目を再獲得するのか、劇中でシタリがオボロジメに自身の二の目を与えたように他のアヤカシから奪って戻るのかは定かではないが、何かしらの方法で予備の命を得ているのは間違いないだろう。
10年前の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』でも、ゴレムサイマ獣という巨大化後に姿が変わる怪人が登場しており、一度倒されてからの巨大化という点も共通しているが、あちらは巨大化後に自我を失うのに対し、フタガワラは自我を失っていない差異がある。
声を演じた小谷津氏は2004年の『特捜戦隊デカレンジャー』でティタン星人メテウスを演じて以来5年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。
関連項目
侍戦隊シンケンジャー 外道衆 アヤカシ(シンケンジャー) ぬりかべ
ヌリカベ(カクレンジャー):『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した大先輩。
妖怪ヌリカベ:『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場した後輩。
ヌリカベ(魔化魍):『仮面ライダー響鬼』に登場するぬりかべ繋がりのモンスター。
タグレドー:『星獣戦隊ギンガマン』に登場する怪人で、こちらも自身の能力の発動に食事が必要な点が共通している。
ザキュラ:2年後に登場する怪人で、こちらもヒーローの変身アイテムを飲み込んでしまう大食いの怪人。
龍戦士サイマ獣リザーデス:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場する巨大化のためわざと味方に倒された怪人。
ホロンデルタール:前作の同じ話数で全マシンが合体して誕生した巨大ロボの初陣の相手つながり。
シールドオーガ:盾を合わせると大きな顔になるという意味ではコイツに似ている。ただしコイツはオプションとして盾を持っているので、自身の体の一部であるフタガワラとは異なる。