「どんどん食って、どんどん殺す!最高だ~!」(第六章)
概要
宇宙海賊バルバンの4軍団のうち、サンバッシュ魔人団に属する魔人の一人。
赤いラインの入った筋骨隆々のボディに、クワガタムシの顎を彷彿とさせる二本角が特徴。同じくサンバッシュ魔人団の一員であるトルバドーは兄に当たる。
その見た目に違わぬ並外れた怪力の持ち主で、大ぶりのハンマーを振り回しての格闘戦も得意であるが、それ以上に脅威なのが食べた物を体内で毒に作り変え、角の噴射口からガスのように噴霧するという特性である。その気になれば、東京一帯を瞬く間に猛毒の環境へと変えることさえ可能な上、地球上にはこの毒の解毒剤が存在しないこともあり、この時点でのギンガマンにもほぼ対処不可能という極めて厄介な相手でもある。
難点としては魔人団のメンバーの例に漏れず知能が低いこと、そして任務中に隠れて瓦礫を貪る等怠惰な側面も持ち合わせていることで、そのためにサンバッシュからも度々叱責を喰らっている。とはいえ、曲がりなりにも星獣達を瀕死の状態にまで追いやったという実績は上げており、その点においては間違い無く魔人団の中でも屈指の強豪であると言えよう。実際に放送当時の『てれびくん』でも、『バルバン魔人強敵ランキング』にランクインするという名誉に輝いてもいる。
作中での動向
度重なる作戦失敗に加え、バクターが秘匿していた自在剣・機刃がギンガマンの手に渡ってしまったことにより、組織内での信用がガタ落ちのサンバッシュは、過去に負傷したダイタニクスが「毒だらけのデラ星に立ち寄った途端に快癒した」ことを思い出し、「地球をダイタニクスにとって快適な毒の惑星に作り変える」作戦を立案。
この作戦の実行を、サンバッシュは猛毒を生み出すタグレドーに任せ、趣味と実益を兼ねた任務であることからタグレドーもこれを快諾。街中であらゆる物を貪り食い、それが終わった頃にギンガマンが現れると直ちに応戦し、毒ガスを噴霧してその場に居合わせた勇太を毒に冒すも、肝心なところで不調となってしまい一時退却に及ぶ。不調の原因は、サンバッシュに呼び出された際にブクラテスが撒いた中和剤が栓となって角の噴射口に詰まっていたためであったが、ヤートットにその栓を取り除かせつつ瓦礫を貪っているところに、焦るサンバッシュからの叱責を喰らい、噴射口の掃除もそこそこに再出撃を余儀なくされてしまう。
それでも栓が取れて調子が戻ったのか、その後のギンガマンとの戦闘では彼らに毒ガスを浴びせ、転生を解除させるほどの大ダメージを負わせた上、東京全域を毒ガスで覆い尽くすことにも成功する。しかし、そこに駆けつけた星獣達が全ての力を解放したため、折角蔓延させた毒を打ち消されて計画は破綻。それでも瀕死の状態から回復し、怒りに燃えるギンガマンを相手に善戦するタグレドーであったが、炎のたてがみと機刃の激輪の連続攻撃の前に深手を負い、再度撤退に追い込まれる。
地球を毒の星に変えるという当初の作戦は失敗に終わるも、それと引き換えに星獣が毒の中和のために力を使い果たして石化したことを受け、サンバッシュは(ブクラテスの入れ知恵で)「石化した星獣を砕いてその破片からダイタニクス復活の秘薬を作る」べく方針を転換。タグレドーも兄のトルバドーと共に、「石化した星獣の破壊」に動き出す。
自慢の怪力を活かしてハンマーを振るい、星獣を破壊しようとしていたところに、それを阻止すべくギンガマンが現れ三度交戦状態に陥るが、その最中に偶然自在剣・機刃に反応して、宇宙より巨大な力が降り注ぐという事態が発生する。その巨大な力――即ち星獣の故郷からの力を用いて、ギンガマンが星獣を復活させようと奮闘する中、サンバッシュ達もさらに作戦を変更しその力を横取りしようと目論むが、勇太による邪魔が入り星獣は復活を遂げ、二転三転していた作戦はまたしても頓挫してしまった。
やむなく兄弟揃ってバルバエキスを飲んで巨大化し、復活した星獣と対峙するものの、銀星獣への大転生を経て合体を果たしたギンガイオーの敵ではなく、ハンマー片手に向かっていったタグレドーは必殺の「銀河獣王斬り」で文字通り瞬殺され、兄に先んじて引導を渡される格好となった。
なお、OV『星獣戦隊ギンガマンVSメガレンジャー』で兄が再生魔人の一体として復活するが、自身は復活する事はなかった。
備考
デザインは野崎明が担当。クワガタムシがモチーフという事もあり、その硬質感と筋骨隆々さを活かす形で、魔人団に共通するレザー要素は背中や、前腕と脛のバンド程度に留められている。また二の腕や踵の黄色い部分は、幼虫のブヨブヨした体表をイメージしており、硬いアーマーとの対比を意識したものとなっている。デザイン画稿で真上に突き出た角は、造形段階で前方に突き出すよう傾斜を付ける形でアレンジが加えられた。
名称はクワガタムシの英訳であるスタッグビートル(stag beatle)に、イメージカラーである赤の英訳であるレッド(red)をかけ合わせたものとなっている。
関連タグ
星獣戦隊ギンガマン 宇宙海賊バルバン 魔人(宇宙海賊バルバン)
グリンジー:同じサンバッシュ魔人団の一員で、スーツの改修先でもある
クワガライジャー:『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場するヒーローの一人。「クワガタをモチーフとした弟」で、「カブトムシモチーフの兄がいる」という共通項を有する一方、イメージカラーは青系という際も存在する。
オドード・マキシモフ:『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に登場する敵怪人の一体。兄弟怪人の弟で、断末魔の台詞も同じである
クワガタオージャー:『王様戦隊キングオージャー』に登場するヒーローの一人。やはり赤系のカラーリングと、クワガタモチーフという点で共通項が見られる
ブーメル・クワンガー:『ロックマンX』の登場キャラクターの一人。「クワガタをモチーフとした赤い戦士」で、「カブトムシモチーフの青い戦士を兄弟に持つ」という共通項を有するが、こちらは兄であるという差異も存在する
クワガッタン:『タイムボカン』に登場するマシンの一つ。クワガタをモチーフ、赤をイメージカラーとしている点、それに対をなす青いカブトムシモチーフの存在もいるという点でタグレドーと共通している
幽魔獣:ダグレドーは、宇宙海賊バルバンよりも幽魔獣の皆さまが欲しがりそうな能力を持つ。