「お前、突っついてこいって言われたから突っつく」(仮面ライダーディケイド第24話)
CV:大友龍三郎
データ
身長:198㎝
体重:95㎏
概要
『仮面ライダーディケイド』第24話「見参侍戦隊」に登場する無数の目玉が集まったような、蔦植物のような姿を持つアヤカシであり、妖怪『目目連』伝承のルーツとされている。
時系列的には、シンケンジャー第二十一幕「親子熊」の裏でも暗躍していた。
外道衆の幹部である骨のシタリも認める程の力自慢の実力者であり、全身の目を飛ばして爆弾として使う攻撃が得意。また、空中に身体から飛ばした目玉を自在に浮かす事で足場とする事も可能である。
知能はあまり高くないようで、常にのんびりした口調で話し、(シンケンジャーの世界にとって)異物である仮面ライダーディエンドを警戒したシタリに「偵察がてら、突っついておいで」という指示を受けて、それを鵜呑みにして物理的な意味でディエンドを突っつきに出掛けた(シタリも彼がそう行動する事を見越して、威力偵察の為にあえてこういった指示を出した)。
しかし、ディエンドを攻撃した最中に偶然海東大樹からディエンドライバーを奪い取る。当初はどのように使っていいのか分からず、ただ武器として撃って「凄い力だ」と喜び、そのままディエンドライバーを気に入って持ち去ったのだが次第に様子がおかしくなり始め、「シンケンジャー世界最初の仮面ライダー」としてチノマナコディエンド変身態へと変身してしまう。
アヤカシの気配が分かる志葉丈瑠から「あれはもうアヤカシではない」と評される通り、実際に肉体的にもアヤカシでは無くなってしまった彼は、「水切れ」も克服して現世で自由に活動できるようになる。さらにディエンドライバーを用いて仮面ライダーの怪人を召喚する事(カイジンライド)も可能となり、胸の部分のパーツの隙間からナナシ連中も召喚できるようになる。
ただし利点ばかりではなく、アヤカシではなくなった事で二の目を失い、それにより復活・巨大化ができなくなり一度倒されればそれで終わる身体になってしまった。同時に三途の川を出入りする能力も失われてしまったらしく、最早外道衆に戻るという道も絶たれてしまっている。
さらに異世界の“異物”を手にして変身した影響なのかディエンド変身態になって以降は自我や言語能力も失われ、ただ獣のような唸り声を上げながら目的もなく暴れるだけの暴走状態になっている。その為、ある意味彼はディケイド達の介入による最大の被害者であるとも言える。
最期は仮面ライダーディケイド達とシンケンジャーが共闘し、ブレイドブレードと烈火大斬刀を交換したディケイドとシンケンレッドの連携攻撃によって撃破され、ディエンドライバーは海東の手元へ戻された。そして同時にそれとの交換で烏賊折神も梅盛源太の元に戻った。
ちなみに上記の通り既に二の目を失っていたので、巨大戦は行われなかった。
チノマナコディエンド変身態
チノマナコ(イラスト左)、ディエンド変身態(イラスト右)
チノマナコが偶然拾ったディエンドライバーで変身した姿。
鳴滝曰く「シンケンジャーの世界で初めて誕生した仮面ライダー」との事であり、上記した通りチノマナコはこの姿に変身した時点で完全にアヤカシではなくなった。
詳細は該当項目を参照。
余談
モチーフは目と蔦植物。名前の由来は千の眼、あるいは血眼と思われる。
現代の伝承では『目目連』は家の障子に現れて大量の目を映して人を驚かせる化け物であるらしく、シンケンジャー世界ではチノマナコの姿と大量の目を飛ばす能力が、人伝いに伝聞されたのがそのルーツとされている。ちなみに目目連は人を驚かせるだけの妖怪とされているが、これはチノマナコ自身も命令が無ければ特に何もしない性格なのでその辺りの情報が伝わった結果かもしれない。
一部では「チノナマコ」との誤表記がやけに多く存在するのだが、『ディケイド』本編では大樹の初登場時の台詞などのせいで妙にナマコがネタにされていた節があった(後にナマコの怪人が登場した)為に、間違われやすいのかもしれない。
分類は外道衆だが、登場した作品の為に大ショッカーの怪人として公式では紹介されている。
『スーパーヒーロー大戦』では、キャプテン・マーベラス(ゴーカイレッド)がディエンドとの対戦時に、チノマナコを屠ったシンケンレッドにゴーカイチェンジしてディエンドを圧倒するという演出もあった。
『ディケイド』で声を演じた大友氏は、今作が平成ライダーシリーズ初出演となり、翌々年の劇場版『仮面ライダーOOO WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』では錬金術師ガラの声を担当し、更にその翌年の『仮面ライダーウィザード』ではウィザードラゴンの声を担当した。
平成ライダー第20号『仮面ライダージオウ』においては、アナザーライダーと呼ばれる怪人が登場しており、簡単に言えば普通の人にライダーの力を植え付けた人造ライダーであるが、その外見は本物のライダーをS.I.C.化させて更にグロテスクかつワイルドにしたような姿である。
つまりディエンド変身態は、もし悪の怪人がディエンドの力を手にしていたらというアナザーライダーの走りとも言える存在である。
そして、後に本当にディエンドのアナザーライダーであるアナザーディエンドが誕生した。勿論本作のディエンド変身態とは何も関係はないのだが、スーツはディエンド変身態のものを一部流用している。
演者の大友氏は本作が仮面ライダーシリーズ初出演作となるほか、本作への出演をもって三大特撮を制覇した声優の一人となった。
関連タグ
モクモクレン(カクレンジャー):『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した先輩。
カードサイマ獣ゴダイ:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場した先輩。
妖怪ブルブル:春休み合体スペシャルに登場した戦隊怪人で、こちらも仮面ライダーの世界由来の道具から誕生している。自身は巨大化せず倒されたが、ライダー怪人の巨大化により巨大戦は行われた。
オリヒメワルド:12年後に登場した、同じく『仮面ライダーの世界』に登場した戦隊怪人。こちらも巨大戦無しで倒されている。