《萓肴姶髫》
「教エテクレ答エヲ……答エヲ!!」
データ
身長/190cm
体重/239kg
スキン/文字武者
むかしむかし/白井は「極ラーメン道 松井組」で真剣に働いていたそうな…。
概要
先代のサルブラザー・白井の「真一が戦う答を知りたい」という欲望を叶えるために誕生した、侍モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、不吉・否定的な意味合いの漢字が彫られた兜と胴鎧で構成される日本甲冑のスキン・“文字武者”を身に纏った姿。具体的な文字の配置は兜の額部分に『惡』が刻まれ、鍬形部と面頬の上半分に『死』が飾立風に配置される。また喉輪には『罪』、胴鎧の前中央には『邪』が刻印されている。
全体的に赤茶けた色合いは正に落ち武者やその亡霊といった風情で、吹返と肩鎧、背面全体には風に舞う落葉の意匠も施されており、遠目から見ると鎧武者の様にも朽ちた樹海のようにも見える。
描写はなかったが、変貌時には「萓肴姶髫」(侍戦隊)の文字化けと侍戦隊シンケンジャーのクレストが浮かび上がったと思われる。
刀身に鋸刃のような模様が刻まれ、鍔の部分が二頭の龍の頭になった大太刀を手に斬り掛かり、大太刀から燃え残る紫の烈火を放って相手を大斬する秘伝のチャンバラ技で勝負を仕掛けて来る。それ以外の攻撃手段こそないが宿主の関連上か地力は高く、力を惜し気もなくどんどん使ってサルブラザーロボタロウやドンオニタイジンに刀一本で立ち向かい、食い下がらぬ奮戦ぶりを見せた。
このヒトツ鬼を生んだ宿主の欲望の原点は、かつてサルブラザーであった時に重ねた私利私欲により腐った白井の性根であることが示唆されていて、ある意味彼が過去に積み上げた愚行の象徴にして今現在の白井を咎めているかのようでもある存在。身体中の悪い意味合いの漢字も、宿主の自罰感情を表している様に取れる。
活躍
当代のサルブラザーたる真一が、自分と間違えられて松井組に拉致されたのを白井が助けたのが縁となり、真一がラーメン屋で空想のラーメンを食べていたのを白井が気にしたことを始めとして、交流を重ねていく。
その後、白井は確執のある松井組店長の松井と取引に見せかけた騙し合いがバレて取っ組み合いの喧嘩になりかけるも、真一の空想によりその場を助けてもらう。
そしてそれが切っ掛けに、白井はかつてヒーローの力に溺れていたことを後悔しているのを吐露。その上で「なぜ彼がサルブラザーとして他人のために戦えるのかを知りたい」と真一に問い掛ける。
「俺はね…、実は後悔してんですよ。モンスターと戦ってれば、違う人生を送ってたんじゃないかってね……教えてくれ。なぜ戦えるんだ!? 怖くないのか?」
真一「“なぜ答えを求める?なぜ答えは必要なのか?その答えは何か?”」
「訳がわからねえ……そうか。答えは……俺ガ、兄サント戦エバ…、オノズト、分カルハズ…!」
真一「そう来たか……受けて立とう!」
そこで真一の短い返答を返されたことで、「答えは自分で悟る物」と直感した白井はそれを成す方法を強く願った結果、彼に取り憑いていた侍鬼が顕現の兆候を見せる。
これを見た真一もアバターチェンジ、直後に実体化した侍鬼との戦闘へ突入する。
サル「白井よ! その欲望、私に当ててみろ!」
寺の境内にて、人を超えた私利私欲の鬼となってサルに猛然と斬りかかり、程無く駆けつけた他のドンブラザーズも「オ前ラニ用ハナイ!」と一蹴し、大太刀からの烈火を浴びせて圧倒。だが負けじとサルもサルブラザーロボタロウにチェンジし、地面を叩いての衝撃波で怯ませた隙にドンオニタイジン(等身大サイズ)へ合体。
「答えを求めるために自らヒトツ鬼になる…、その根性やよし!」とサル/真一が称賛した直後、ドンばいを煽って発生させた旋風で空中に巻き上げられた所に天空サル連撃を浴びて受け身も取れずに落下。
そこからの追撃を間一髪でかわして刀の打ち合いになるも、膂力の差で有効打は与えられず、最後は迂闊に踏み込んだところへカウンターで放たれたロボタロ斬が直撃、敗北・爆散。ドンオニタイジンが巨大化せず、等身大のまま撃破した初のヒトツ鬼となった。
これにより、過去に積み上げた欲望を解消して性根を正し、自分なりの答えにたどり着いた白井は小さなラーメン屋台を経営して再出発する道を歩み出した。そしてその店のメニューには、“教授”である真一より教えてもらった『空想ラーメン』が並び、それを楽しむために真一も常連客として足を運ぶのであった。
また描写はなかったが、撃破の際にシンケンジャーギアがドロップされたと思われる。
余談
- モデルとして使われた戦隊は『侍戦隊シンケンジャー』。スキンの「文字武者」はシンケンジャーの力の源である『モヂカラ』と当作のロボであるシンケンオーが由来だと思われ、頭部の『死』はシンケンジャーの頭部を模している。また、武器の大太刀は血祭ドウコクと腑破十臓の愛刀をモデルにしたと思われる。
- 鎧武者と枯れ木を無理矢理掛け合わせたような姿は、アヤカシのデザインに通ずる物がある。
- 本物のヒーローの力を剥奪されてしまい、ヒトツ鬼というヒーローを歪めた存在になってしまった白井に対して、原典におけるシンケンレッドの主な変身者は当初は自分の立場を偽っていたものの、仲間たちとの絆によって本物にできたという対比表現がなされてある。
- また、その変身者は一歩間違えればヒーローの紛い物になっていた可能性がある。
さらに言えば、敵側の怪人にはこの伏線を明かす存在がおりある意味侍鬼は間違えればヒーローの紛い物になっていた可能性を実際に具現化させたという考え方もある。
- 白井はラーメン屋を営んでいるが原点にも飲食店を営んでいるヒーローがいる。さらに、同俳優が11年後に演じた別のキャラは白井と同じく、与えられた力を私利私欲に使っていた。
- ドン15話以降、ヒトツ鬼がヒトツ鬼ングとなり巨大戦にもつれ込む展開が多かったが、久々にヒトツ鬼ングにならずに撃破されたヒトツ鬼である。
- また、等身大サイズでロボ戦を行い、敵怪人の撃破に至ったのは今回が歴代で初となる(戦闘だけなら初合体回でアノーニを倒しているのでそちらが初)。
- 「完全読本」によると、シンケンジャー担当当時に考えていたもの実現できなかった「裏シンケンジャー」の構想が再利用されていると言う。
- pixivでは登場以前にオリジナル怪人として侍鬼が投稿されていた。
- また、侍鬼ングも投稿されている。
関連タグ
激走鬼、天装鬼、太陽鬼:現ドンブラザーズメンバーやひょんなことからイヌブラザーになった人が変貌してしまったヒトツ鬼である意味今回のケースの発端と思われる(特に激走鬼と太陽鬼はこれで2回目)。また、素体がベニツ鬼、オリジナルに似た技を使う、ヒトツ鬼ングにならず倒されたケースも同じ。
烈車鬼、特命鬼、星獣鬼、未来鬼:原典のメインライター繋がりのヒトツ鬼。
秘密鬼、恐竜鬼、百獣鬼、魔法鬼、轟轟鬼、機界鬼:こちらはゼンカイジャーメインメンバーモチーフの戦隊のヒトツ鬼繋がり。
忍者鬼、忍風鬼、手裏剣鬼:歴代忍者モチーフの和風戦隊モデルのヒトツ鬼。
武者仮面、怒涛武者、用心棒ハイドリッド、武者人形オルグ、ゾイナー星人ベートニン、冥獣人サムライのシチジューロー、将(エリート)、カゲカムロ、ウシロブシ、オボロジメ、ケンタテロイド、牙鬼幻月、ヤバソード、センゴクバスラ、ジシャクワルド、兜武神デーボス:歴代武者モチーフの戦隊怪人。この内カゲカムロ、ウシロブシ、オボロジメはシンケンジャーと戦った相手である。
デラツエイガー:11年前のシンケンジャーのレジェンド回で登場する剣の達人である青いカラーリングの戦隊怪人。
シンケンゴーカイオー、シンケンフォーム:歴代のシンケンジャーモチーフ。但し、いずれも味方サイド。
カッタナー・ゴールドツイカー:前作に登場したシンケンジャーモチーフのキャラ。
ヌードルジゲン、シェフードン、メンワルド:麺をモチーフにした戦隊怪人たち。ちなみにヌードルジゲンはラーメンモチーフである。
ヒドケイワルド、オリヒメワルド:前作における、巨大化せずに完全撃破された戦隊怪人。ただし、オリヒメワルドは仮面ライダーセイバーとのコラボ回での登場という特殊な事情がある。