《蠢崎??姶髫》
「生キ甲斐ヲ…!僕ニ生キ甲斐ヲクレェ!!」
データ
身長/187cm
体重/219kg
スキン/隠れる忍者
むかしむかし/耕一郎は続けていたピアノに挫折してしまったそうな…。
概要
東智子のひとり息子・東耕一郎の「生き甲斐が欲しい」という欲望を叶える為に誕生した、忍者モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、メカニカルな意匠を持ったアメコミヒーロー風の青い忍び装束を模したスキン・“隠れる忍者”を身に纏った姿で、同じ忍者モチーフの手裏剣鬼や忍風鬼に比べるとスマートな印象を受ける。両肩には短刀を挿していて、能力行使や戦闘の際はこれを振り抜いての二刀流スタイルを取る。
描写はなかったが、変貌時には「蠢崎??姶髫」(忍者戦隊)の文字化けと忍者戦隊カクレンジャーのクレストが浮かび上がったと思われる。
加えて既に実体化していたため、憑依の描写もなかったヒトツ鬼でもある。
モチーフ元と同様、常人の眼では追えない超高速移動で動き回り、狙った人々の死角に回って短刀で不意討ち、斬った相手を衣服を残してドロンと消してしまう特命鬼に近いシークレットな忍法を扱うことが可能。
ただしこの能力は脅威な反面、宿主の欲望とほぼ関連がない代物でもある。“生き甲斐が欲しい⇒生涯を掛けて打ち込めるものを見失っている⇒今手に入れているヒトツ鬼の力を使って何ができるか考える”との思考飛躍が働いたのだろうか。
一方、そうした思考をしている故か欲望の根幹だからなのか、思わぬ形で立ち向かって来た智子に反応して襲い掛かるのを止めたりと、冷静にも動揺へも見える仕草をすることがある。
活躍
既に耕一郎の欲望に導かれて憑依、人を超えた家出の鬼として実体化を遂げた状態であり、タロウを愛息子だと思い込んだ智子をどうにか素性がバレずに満足させようと真一らお供3人が奮闘していた裏側で、いきなり街中に現れては混乱する人々をどんどん闇討ちして消し回り、目に入った子供を消そうとした瞬間に翼に助け出されたので彼が子供の無事を確認している間に姿をくらました。
しばらく後、嘘の付けないタロウの吹き替えを担当していた真一が、智子に俳句を批判されたことで不機嫌になって吹き替えを放棄したのに始まり、後をなし崩しに変わったつよしがうっかり既婚者であると発言した上に智子との言い争いになりみほの事を貶したと勝手に怒ってボロを出し、脳人レイヤーの扉を使って妻役として現地に駆けつけたはるかがうっかりタロウに嘘をつかせて死なせると、グダグダを連発。
そんな状況は全く露知らず、引き続き暴れ回っていた忍者鬼だったがその際の破壊音と悲鳴がタロウとはるかの耳に届き、その場に二人が駆けつけた。
対峙したタロウとはるかがアバターチェンジしようとしたところ、なんと2人の後を追って来た智子が割って入り、「私の息子に何するのっ!?」と言いながら果敢にバッグを振り回して立ち向かってくる。
それが宿主の耕一郎への刺激になったのだろうか、攻撃を止めてその場で立ちくらむも、ここで「生キ甲斐ヲ…、僕ニ…!」と呟いたことで智子は目の前にいるのが怪物になった息子本人だと悟る。
その隙にタロウとはるかがアバターチェンジし智子から引き離されると、押し込まれたところでサルブラザー・キジブラザー・イヌブラザーが転送されて来て3人から集中攻撃を浴びる。更に闇ジロウ/ドントラボルトも乱入し、他のドンブラザーズを蹴散らしながらの猛攻を浴びて蹴り飛ばされる。
直後、ドントラボルトはドンドラゴクウにチェンジして大人しくなるも、先程自らのアイデンティティーである俳句を否定され気分の悪いサルブラザーがサルブラザーロボタロウにチェンジ。地面を叩いての衝撃波で転ばされた所に、ロボタロウとなったドンブラザーズ5人の繰り出す「前人未桃・打ち上げロボタロウ」が放たれて敗北・爆散した。
直後、欲望が暴走して忍者鬼ングに変化。それを見たドンドラゴクウは自分より分離したドントラボルトに「後れを取ってるのはお前だ!」と指摘されつつも、ドンブラザーズに遅れを取るまいと虎龍攻神を繰り出す。
東耕一郎
母・智子より押し付けられたピアニストの道に挫折、反発して家出をしていた青年。
しかしいざ家出をしても、これまで母に尽くして貰っていた身分で新たな生き甲斐を見付ける事も出来ず、かといって母の元へは戻れない意固地との板挟みに陥って忍者鬼を引き寄せてしまい、母に隠れて自らをスーパーに変化させる生き甲斐を求めて彷徨い歩いていた様子。
一方で母が自分を純粋に愛しているのは分かっていて、ヒトツ鬼と化しても智子に危害を加えるのを本能的に止めたりと、複雑な感情を持っているのが窺い知れる。
大好物は生姜焼きで苦手教科は数学。
ドンブラザーズに救われた以降、欲望と共に意固地も解消されたらしく、自分で思い直した末に母の待つ家へと帰宅。ピアニストの道を再度歩み出すのを決めた。
東智子
演:片岡京子
一人息子である耕一郎を深く愛する、元キャリアウーマンで現在はピアノ教室の講師を務める上品な女性。
息子が幼い頃から世話を焼いて来たらしく、それが行き過ぎて趣味や女性の好みにも首を突っ込んだ末、耕一郎がピアニストになる道も半ば強引に彼女が決めたのが示唆されている。
智子本人は自分のエゴ等は反映させず、ただ純粋に息子を幸せにしようとする愛情で上の行動を積み重ねて来た様だが、耕一郎からは次第に自分の価値観等を侵されていると解釈され徐々にすれ違いが生じていた様子。そしてすれ違いが拗れた結果発生したのが、耕一郎の挫折を契機とした家出騒動であったとも推測される。
しかし智子は、この騒動の原因を誰かに求めるのではなく、自分のやって来た行動にあると考えたのか、荷物の配達の縁で手助けするのを申し出て来たタロウを息子役にして自分がこれまでやって来た行動を振り返っていた節がある。そして嘘のつけないタロウをアシストしたお供達のアクシデントや、忍者鬼と化した息子と対峙する経験を経た末に自分の反省するべき所に気づいた様子。
その後、忍者鬼より解放されて正気を取り戻した耕一郎を目撃するも、そこで駆け寄ることはせずその場を立ち去った。程無く息子のフリをしていたタロウから謝罪を受けた上、彼より肩を揉ませて欲しいと言う願いを受け入れた。
……そしてしばらく後、自分の意思で家に帰って来た耕一郎をこれまで通り母として迎えるのだった。また同じ頃、タロウは母子が今度は良縁と幸せを紡いでくれるのを祈り、喫茶どんぶらのピアノでショパンの『ノクターン』を弾いたのであった。
余談
- モデルとして使われた戦隊は忍者戦隊カクレンジャー。ただ、真っ青なボディで変貌元の忍者鬼ングからモデルの中心はニンジャマンの模様。
- デザインはカクレンジャーの敵怪人である妖怪がアメコミ風にアレンジされたデザインだったのを意識した物と考えられ、二刀流はカクレンジャーの武器秘剣カクレマルと雷鳴剣ヒカリマルをイメージとしている。また、本家が「先祖からの宿命を背負った忍者の末裔」であるのに対してこちらは「親の敷いたレールから逃げた不良息子」といった感じである。
- スキン名「隠れる忍者」はカクレンジャーの口上「人に隠れて悪を斬る」を意識した物だと思われる。また、後続の忍者モチーフ戦隊に「忍ばない忍者」(及びそれをモチーフにしたヒトツ鬼)がいるため、そちらとの対比もあるのだろう。
- 予告の時点では、次回予告の文面から魔法鬼だと思っていた視聴者もいた。
関連タグ
獣電鬼:こちらは息子に家出されたヒトツ鬼。
ニンポーラー、タヌキモズー、シノビドグラー、バツラギン、ドーラニンジャ、ヌラリヒョン、闇丸/鬼丸、ドロドロ、宇宙忍群ジャカンジャ、邪忍イーガ、シノビシャドー、冥獣人ニンジャのキリカゲ、ジシャクロイド、デーボ・シノビンバ、十六夜流忍者軍団、ナイーヨ・カパジャー、ゴーマ・ローザリア:歴代忍者モチーフの戦隊怪人。
ダラダラ:デザイナーも一致する、カクレンジャーモチーフの戦隊怪人の先輩。アナザーヒーローの概念も確立されていない28年前に生み出されたので、先見性を含んだ存在でもある。
ダークシャドウ:戦隊ロボをモチーフとした悪の忍者組織。首領と幹部をデザイン元は原典の三神将で、その内の一人が抜け忍になる始末。
ジュジュ:11年前のカクレンジャーのレジェンド回でニンジャマンと對峙した戦隊怪人。
ステイシー:前作の毒親の被害者。
アナザーシノビ:忍者モチーフのヒーローを歪めた存在。
仮面ライダーデストリーム:色とシルエットが似ている。
シグ:カクレンジャーと同期のヒーローの一人。忍者鬼とは対照的に怪人(エイリアン)が人間の姿を借りて活動している。息子がいることは智子と共通しており、それに絡む出来事が起きると彼女と同じく冷静さを失ってしまったことがある。
アブソリュートディアボロ:原典のニンジャレッドの中の人が演じる悪役
スペースゴジラ:カクレンジャーと同時期に公開された作品に登場するヒーローを歪めた存在