概要
ジーコサッカーとは、エレクトロニック・アーツが1994年にリリースしたスーパーファミコン専用スポーツゲームである。名前のとおり、ジーコ監督の監修を受けている(という体で発売された)。当時はテレビCMまで放映されていた。
EAが開発に関わっているが、日本のみの発売であった。
ゲームの解説
一般的なスポーツゲームとは異なり対戦モードが存在せず、一人プレイ専用である。
システムは独特で、選手の移動はマウス(スーパーファミコンの周辺機器)によるカーソル移動で行う。一応、コントローラーの十字キーでも操作できなくはないが操作性は劣悪の一言に尽きる。
ゲーム内容もオフサイド違反がない、選手がチーム1つにつき11人しかおらず交代は不可能など現実のサッカーとかけ離れている。登場するチームで実名が利用されているのは25チームのうちわずかひとつだけ(鹿島アントラーズ)である。
発売後
サッカーブームに乗って相当のカセットが生産されたらしいが、あまり普及していなかったマウスを要求する上、サッカーファンを落胆させる要素満載のクソゲーが売れるわけがなく、発売後即ワゴンに山積みされ投げ売りされた。
これに目をつけたのが海賊版ソフトメーカーであった。同作のソフトを大量に買い込み、内部ROMのデータを書き換えて、任天堂のライセンスを得られないアダルトゲームに転用したのである。
ちなみに、後年に「ゲームラボ2020春夏号」のインタビュー記事にて、書き換えに使用したソフトは発売日前の段階で問屋が抱えていた大量の新品在庫を安価で仕入れた事が明かされている。
かくして、「おすすめのスーファミ用エロゲー教えて→ジーコサッカー」というテンプレが確立するに至った。
なお、書き換えされたカセットが中古ゲーム屋などで売られている場合には「通常のゲームソフトとは異なります」といった注意書きが書かれたメモが貼られている上にCERO-Zのシールも貼られている等といった配慮がなされている。それどころか値段も非常に高い。
(ただし、これは正式にチェックされたわけでなく、店側が勝手に使っているだけである点に注意されたし)
一方で、ジーコサッカーで「瞳ガチャ」に挑戦しようという強者からは『動作確認済み』だけならばまだしも『中身はジーコサッカーです』という注意書きでさえも「楽しみが減る」と言う声も散見されている。仮にも内容が内容だけに「下手に不良品をつかまされた」という客からの返品を防ぐ狙いもあるのだろうが……。
近年、そうしたピックアップもされた結果、ニコニコ大百科で瞳と一緒にジーコサッカーもピックアップされることとなる。
(ピクシブ百科事典では、その元凶のソフトである瞳のみが注目記事の上位に入った。詳細は向こうの記事を参照の事)
遂にはネット流行語100にもノミネートし、100位という事で最初にジーコサッカーが出てくることとなったのだが……その理由はここまで読んでいる人であれば、分かっていただけるだろう。
更に…
スマートフォン向けゲームである『Zico:The Official Game』の配信開始とプロモーションを兼ねて来日した際のインタビューで、ジーコ氏は「本作(スマホゲーム)が初めて(の監修)であり、それ以外はプロモーション活動として協力しただけ」という旨の発言をしている。従って、もはや本作はジーコ氏の名を借りただけで監修すらしていない「看板に偽りあり」な作品ということである。