Reach for a new dimension.
Ready for a new excitement.
Road leads you to a new world.
Rivals are here.
Race it for the victory.
”R” is it.
(本作サントラのジャケットに記載の文章)
概要
1997年12月4日にセガサターンで発売されたソニックシリーズのレースゲーム。開発はソニックチームに加え、イギリスのTraveller's Talesが共同で担当している。
任天堂の『マリオカートシリーズ』とは違い、ソニック、テイルス、ナックルズは自分の足で走ってレースに挑んでいるのが特徴。一方、エミーやエッグマンのように乗り物に乗りながらレースに挑むキャラもいる。
旧デザインでのエミーは本作を最後に、2018年に公開されたWEBアニメ『ソニックマニア アドベンチャーズ』にて再登場するまでの約21年もの間、一旦出演作品が途絶えることとなる。
約1年後の1998年12月11日にはWindows向けにPC版が発売された。また、2005年8月11日にPS2/GCで発売された『ソニックジェムズコレクション』に本作が収録されている。
ストーリー
再三に渡るDr.エッグマンとの死闘を制したソニックとテイルスは冒険の旅に出ていた。その途中、2人はビルのスクリーンに映された「ワールドグランプリ 出場選手大募集!!」のコマーシャルを目にする。
「ソニック、出場してみようよ。僕も自分の力を試してみたいんだ。」とグランプリに興味を持ったテイルスはソニックを誘うが、どうもソニックは乗り気ではない様子。だが、出場予定選手リストにDr.エッグマンの名前を見つけ、急遽参加を決意するのだった。
グランプリ開催の知らせは、ソニックの良きライバルでもあるナックルズや、ソニックに恋する少女エミーのもとへも届いていた。
ナックルズはソニックとの真の決着を付けるために、エミーは大好きなソニックが必ず現れると信じてやまなく、ソニックに会うために、それぞれグランプリに出場することに。
その様子をスパイ衛星を使い、偵察していたDr.エッグマンは、数体の秘密兵器を密かに準備し、高笑いを浮かべていた。
彼が言うには、レース開催地のどこかに眠るカオスエメラルドについては既に調査済で、レース中にその秘密兵器も使い、隙をついてカオスエメラルドを奪い取ろうと企んでいるのだ。
果たしてソニックはDr.エッグマンの野望を阻止出来るのか?そして、ワールドグランプリの栄冠は誰の手に渡るのか?
ステージ(コース)
コースは全部で5つ。最初は4つのみだが、これらのコース全てで1位を取ると、5つ目のコース「ラディアントエメラルド」が解禁される。また、ラディアントエメラルド以外の各コースには、カオスエメラルド(リゾートアイランドのみ1個、それ以外は2個ずつ)とソニックの顔が描かれたトークン5枚が隠されている。前者は入手して1位でゴール(1位でゴールしないと没収されるので注意)、7個全て集めるとスーパーソニックが解禁。後者は5枚全て入手かつ4位以内ゴール後の、各ステージに準じた乱入キャラレースで勝利すると、そのキャラを使用可能になる。
- リゾートアイランド
グリーンヒルゾーンなどのように緑豊かな、自然を利用したコース。
乱入キャラはメタルソニック。
- ラジカルシティ
スプリングヤードゾーンやカジノ系ステージのような、夜の都会の街内に作られたコース。
乱入キャラはテイルスドール。
- リーガルルーイン
マーブルゾーンのような、南海に浮かぶ遺跡の中に作られたコース。コース内にはナックルズそっくりのスフィンクス像が建っている。
乱入キャラはエッグロボ。
- リアクティブファクトリー
スクランブルエッグゾーンのような、エッグマンが無人島を改造した秘密基地内に用意されたコース。
乱入キャラはメタルナックルズ。
- ラディアントエメラルド
上記4つのコースを1位でゴールすると解禁される最終コース。
シリーズのスペシャルステージを彷彿させる、宇宙空間(太陽系)に浮かぶ様々な色の宝石で作られたコース。
登場キャラクター
初期から使えるキャラ
お馴染み世界最速にして超音速のハリネズミ。当初レースそのものには興味はなかったが、エッグマンが出場していると知り、急遽レースに参加する。お馴染みのスピンダッシュとスピン移動は健在で、最高速度は群を抜いている反面、加速性能とグリップ性能が劣るので、固有能力の二段ジャンプや純粋な操作テクニックが必要。
ソニックに憧れており、いつも彼のそばについている。今回もソニックの後を追ってレースに参加。最高速度は劣るがその他の能力は比較的高く、ソニックと同じくスピンダッシュとスピン移動、固有能力としてヘリテイルによる一定距離の飛行も可能。
この頃まではソニックのライバル的存在だった。ソニックとの決着をつけるべくレースに参加。全ての能力においてバランスがとれており、彼もスピンダッシュとスピン移動、固有能力で滑空移動も可能。
唯一の女性キャラクターで、ソニックが大好きな女の子。愛しのソニックに会うため、レースに参加。テイルスに改造してもらった万能カーに乗ってレースに参加する。最高速は低いが加速が良く、水上走行も可能で停止しても沈まない。固有能力で一定距離を高速移動出来るターボダッシュも備えているので、総合的に初心者向け。
IQ300を誇る悪の天才科学者。お馴染みのエッグモービルに乗って参戦。最初は選択出来ないが、ラディアントエメラルドコースで1位でゴールすると使用可能になる。
エッグモービルは宙に浮くため旋回能力が非常に高く、エミーと同じく停止しても沈まない水上走行も可能である。一発につきリング10枚で、ある程度追尾する爆弾を発射することが出来るので、他のプレイヤーを攻撃することも可能。
隠しキャラ
下記の4キャラクターは、選択画面にて最初はシルエットで隠れておりカーソルを合わせる事も出来ないが、上記の条件を満たす事で使用可能。
『ソニックCD』や『カオティクス』等に登場したソニックを模したロボット。ソニックを倒すためにエッグマンが開発した秘密兵器。自らの意思を持ち、姿形の似ているソニックに対して激しい敵対心を燃やしている。
最高速こそソニックと同等だが、加速力ではソニックをも凌ぐ。ただし、圧倒的パワーにより旋回能力が劣るため、操るにはそれなりのテクニックが必要。水上でもジャンプや移動出来るがスピードが極端に落ち、ジャンプでスピードを維持しないと停止して水中に落ちる。
ナックルズを模したロボット。ナックルズを倒すためにエッグマンが開発した秘密兵器である。パワー・スピードともにナックルズを上回っている。
メタルソニックの動力装置を流用しているため、最高速と加速力は高い。ナックルズ同様、高い場所から滑空飛行する事も出来る。メタルソニック同様に水上でもジャンプや移動出来る反面、水上ではスピードが大幅に落ちるので、滑空移動とジャンプで乗り切る必要がある。
ソニックを油断させ、攻撃するために作られたエッグマン苦肉の策(一見すると手抜きな外見であり、時間や予算があまりなかったと思われる)。頭部に動力装置を埋め込み、それ以外は単なるぬいぐるみという貧弱な姿をしているが、軽量設計のためレースではかなりの実力を発揮する。
メタルソニック・メタルナックルズとは違って常に空中を浮遊しているため、エミーやエッグマンと同様に完全な水上移動能力を持つ。固有能力で一定距離を通常より高く浮遊出来る。
- エッグロボ(エッグマンロボ)
『ソニック&ナックルズ』に登場した、Dr.エッグマンが自身を模して造った代理ロボット。この作品では「エッグマンロボ」名義。
エッグマンと同様に爆弾を発射可能で、最高速は遅いが旋回能力などが高く抜群の安定性を誇る一方で、メタルソニック・メタルナックルズと同じく短い距離しか水上移動出来ない。また、彼らと違ってジャンプ出来ない(つまり水上でスピードを維持出来ない)ので、一部のコースでは水中に落ちた状態でのショートカットが要求される上級者向けのキャラ。
アイテムであるカオスエメラルドを全て手に入れると解放される。停止しない限り水上で長時間移動することが出来、圧倒的な加速力と最高速を誇る。
関連イラスト
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余談
- コレクション系・リメイクを除いてセガサターンで唯一発売されたソニックのゲームだが、操作性はいいとは言えず、隠し要素の解放も容易ではないため、人を選ぶ。
- クラシック時代のソニック達が復活した『ソニックジェネレーションズ』以前の作品で、旧デザインのエミーが操作出来るのは、本作と『ソニックドリフト』シリーズ2作品、『ソニック・ザ・ファイターズ』のみ。旧デザインでの彼女の再プレイアブル化は、約26年後の2023年に発売された『ソニックオリジンズプラス』『ソニックスーパースターズ』を待つことになる。
- 実はセガサターンのPRキャラクターである藤岡弘、演じるせがた三四郎が初登場したのは本作のCM。関連動画にあるCMを観れば分かる通り、内容は終盤の紹介以外、せがた三四郎が通り魔の如く野球少年たちを蹂躙してセガサターンを置いていくという衝撃的なCMである。
- 後年、似たようなコンセプトで『ソニックライダーズ』『チームソニックレーシング』が発売されたがこちらのソニックたちはちゃんと乗り物に乗っている。
- 本作のコースの一つである遺跡ステージ「リーガルルーイン」には、ナックルズを模したスフィンクス像が建っている。一部のファンからは、「後継機ドリームキャストで発売された『ソニックアドベンチャー』に登場する古代ナックルズ族の伏線では?」と推察されていたりする。
- 1998年1月に本作のサントラがマーベラスエンターテイメントから発売された。そのジャケットにて、キャラクターデザインがリファインされた通称「モダンソニック」が『ソニックアドベンチャー』に先駆け、初めてお披露目されている。
関連動画
当時のテレビCM
プレイ動画
関連タグ
マリオカート:同じレースゲームだがこちらとはだいぶ違う。
ソニックドリフトシリーズ:本作より前にゲームギア用にリリースされたソニックシリーズのレースゲーム作品群。
チームソニックレーシング:同様のコンセプトで製作されたレースゲームだがこちらとは違い、システムはだいぶ『マリオカートシリーズ』に近い。また、ロゴの”R”の字は本作のものが用いられている。