ゲーム性
一見、自動スクロールのオーソドックスな縦スクロール方式のシューティングゲーム。
しかし、本作は他の作品にはない特徴的な点がいくつもある。それらを挙げると・・・
- あることを行うと急激に難易度が上がるランクシステム
- 当時では珍しい、わずか数ドットの当たり判定
- 非弾幕STGにもかかわらず、あまりにも多い敵弾
- スペシャルウェポン(ボム)を使った稼ぎシステム
- 取り続けて成長すると、最大一万点になる勲章(得点アイテム)
- カリスマボス、ブラックハートの存在
- 練りに練られた演出
- タイトーの『ガンフロンティア』をリスペクトした硬派な世界観
・・・などがある。
それらの中の、ランクシステム、ブラックハートについては本記事にて後述する。
ランクについて
本作に限らないが大半のSTGでは基板で設定した難易度が固定されるわけではなく、プレイ中の内容/条件によって上下変動する仕組みが取られており、本来の難易度設定とは別の「內部ランク」という要素が組み込まれている。
スコアや残機のように目に見える要素ではないが、敵の耐久力、敵弾の量などでなんとなく認識できる。後述のPS4版ではガジェット搭載のため完璧に見えるようになった。
そして、『バトルガレッガ』はこのランクによる難易度の上下が特に極端なゲームとして知られている。以下のランク上昇の条件を見てもその極端さが窺える。
- ショットを撃つ(外付けの連射ボタンを使うとさらにランク増)
- 意図的に連射速度を上げる
- 勲章(得点アイテム)やパワーアップアイテムを取る(パワーアップ段階が上がるほどランクも上がる)
- 残機を一機も潰さずに貯めこむ(=自機の生存時間が長い)
- 一定の条件で使用可能になるオプションの特殊フォーメーションを使用
- 弾封じをする(地上にいる敵の真上に乗ると敵弾が出なくなる現象)
これらの行為により、ゲーム内のランクが劇的に上がる。
そうすると、敵がみるみるうちに堅くなり、吐き出される敵弾の量も目に見えて多くなる。
一方でランクを下げる手段は「自機が死ぬ」ぐらいしかないので、プレイスタイルとしては
- ランクを上げないようにパワーアップを必要最小限にする。連射も必要あるまで使わない
- 点数を稼ぎまくって残機を増やし、増えた残機を自殺で消費してランクを下げる
といった事になる。
このゲームの知識、特にランクの知識がないプレイヤーは、6面以降に進めないと言われるほど、このゲームの難易度はランクで決まるのだ。
ランクを意識すると爽快感の真逆を行くようなプレイを求められるが、一方でランクを押さえ込むための緻密な稼ぎプレイはこのゲーム以外ではなかなか味わえない感覚でもあり、ゆえにゲームの評価も賛否両論が激しい。
楽曲について
このゲームのBGMの作曲は、さんたるること並木学氏が担当している。
また、作中で使われるテクノ系の楽曲は、矢川氏の趣味らしい。
一応記すが、音楽ジャンルの分類上ではデトロイトテクノに該当する。
一部、アンダーグラウンドレジスタンスなどテクノ系ミュージシャンのオマージュ
(例を挙げれば Underwater Rampart,Subversive Awareness,Tunnel Vision等)
が散見される。
当時の並木氏が手掛けたゲームのBGMはなかなかサントラ化されない傾向にあり、それに業を煮やした本人がネット上でX68000用の形式でデータを配信した事がある。
当然その直後は上層部にばれ、こっぴどく怒られたそうだ。
しかし、こうした並木氏の訴え(?)が効いたのか、後に二度(ゲーメストの攻略ビデオ・DVDのおまけとして)サントラ化された。
ストーリー
以下、ニコニコ大百科から転載
男が男らしく、女が女らしく生きる、それが当たり前で何の抵抗もない時代。
もう少し焦点を絞れば、産業革命から数十年が経過した時代。
そんな時代に生まれたウェイン兄弟は、連邦国家という大陸の大国に
「兵器開発主任」としてスカウトされた。
その時は、なにも知らず無邪気に速度や馬力など兵器の性能を競い合い、
連邦国家の提供した豊富な資金を基に、高性能かつ高機能の兵器を開発に打ち込んだ。
だがしかし、兄弟の己に対する考え方は変わった。
そのきっかけは、悲しいことに――戦火から逃れた地で、
連邦国家が自分たちの開発した兵器を使い、実際に人の住む街を焼き払った痕――
なにもない焼け野原を見てからだった。
そこには、無数のうめき声、赤子の力のない泣き声とただの瓦礫の山しかなかった。
その時、兄弟は…あまりにも恐ろしい、人々を殺戮する化け物兵器を創り出したこと、
何も考えず戦闘兵器を製作したこと、それらの自らが行った業を悔やみ、
開発した機械達が戦争で兵器として使われたという重い罪をあがなうため、
兄弟二人だけで連邦国家に反逆する。
最後にして史上最高傑作である、「シルバーソード」、「グラスホッパー」、
「フライングバロン」、「ワイルドスネイル」…。
四機の高性能爆撃戦闘機に乗り込んで――――。
キャラクター
ウェイン兄弟
本作の主人公、ウェイン兄弟のキャラクターとヴィジュアルは、1998年に発売された『アームドポリスバトライダー』(実質的に本作の続編的位置づけの作品)にて明かされた。
- 両者共通
一人称は「僕」。職業は機械技師兼パイロット。
ちなみに本作作中では、ウェインという名字であること、男兄弟二人だという事しか判明していない。
- B・ウェイン
兄弟の兄。海外版Wikipedia(英語)ではブライアンという名前。
「少々内省的だが責任感は強く、ねばり強い性格を持つ。」という設定のようだ。
- J・ウェイン
兄弟の弟。海外版wikipedia(英語)ではジェイソンという名前。
「兄と同じく天才的な設計技術者であると同時に、優れた操縦技術を持つ。
その発想には目を見張る物があり、「Gシリーズ」のオプションシステムは彼無くしては実現しなかった。
ただ、行き詰まる時にはとことんまで行き詰まる性格なので、堅実な兄の存在を頼もしく感じている。」
という設定のようだ。
海外版wikipediaでは、上記に記した兄弟と彼らの父親マシューの名前が記されているが、いずれも公式設定かどうかは定かではない。(ファンが考案した非公式設定の可能性がある)
同社作、『魔法大作戦』のゲストキャラクター(四勇士)
タイトル画面で上上下下左右左右ABCと入力してからスタートボタンを押すと使用可能となる。
ただし、上記の四人の参戦理由、ストーリーなどの説明は一切ない。
- ガイン
強機体。作中の自機で一番稼げる機体。
- チッタ
弱機体。性能は下から数えたほうが早い。特徴は、スペシャルオプションの
サーチをいれなくても、サーチしてくれるオプション。
- ミヤモト
強機体その二。オプションが強い。しかし、自機スピードが早すぎるため、
ブラハ様のワインダーを避けきれない。
- ボーンナム
強機体その三。ボムもショットも強い。だが、スコアの伸び白はあまり良くない。
ウェイン兄弟の搭乗機体
- G-1010 戦闘攻撃機 シルバーソード
本作品を知らない人、攻略情報を知らない人はまずこの機体を選ぶことが多かろう。だが、いわゆる罠機体であり、性能の高さは下から数えた方が早い。
(フォローするならば、ライジング制作のSTGは何故か看板機体が弱い場合が多い。例外は『蒼穹紅蓮隊』の屠竜くらいである)
スペシャルウェポン(ボム)は広範囲にナパームを発射するスーパーナパーム。
本作のオマージュの元となった『ガンフロンティア』と同様に発射時にレバーを入れることで、爆撃の軌跡を変える事ができる。
- G-130 陸上戦闘迎撃機 グラスホッパー
パワーアップの三段階目で貫通弾が装備される為、デフォルトの機体ではそこそこ強いが、いかんせんショット・スペシャルウェポン共に攻撃範囲が狭い為にスコアを稼ぎにくく、貫通弾によるランクの上昇も激しい為に「ランクが上がりやすく下げにくい」機体となってしまっている。
スペシャルウェポン(ボム)は前方に多量の弾丸を乱射するストロングバルカンで、後ろに排出される薬莢にも攻撃判定がある。・・・むしろ、そっちの方が強いのだが。
- G-1026 軽艦上戦闘機 フライングバロン
デフォルトの4機の中では移動スピードが最も速いが、貫通弾がない上に攻撃(通常ショット)自体も貧弱な為、ぶっちゃけ作中最弱の機体である。
スペシャルウェポン(ボム)は敵を追尾するホーミングミサイルだが、威力は弱く、ウェポンアイテムのストックが少量の場合はたったの2発しか発射されない。
- G-913 重艦上雷撃機 ワイルドスネイル
標準で貫通弾を装備し、中でもABC同時押しで出現する機体のゴールデンバットは作中最強の機体として名高い。
スペシャルウェポン(ボム)は敵を自動的に捕捉して火炎放射を行うサーチファイアー。
二面のとある場所で使うと、俗に言う焼き鳥そのものとなる。
銀河一後方に強い戦闘機
ブラハ様及び黒心様こと、G-616 ブラックハート(N-617ブラックハート Mk-Ⅱ)の事である。
2面の冒頭で水面に映る影、5面で本格的にボスとして、そして最後に7面のセミラスボス(Mk-Ⅱ)として登場する。
無印、Mk-2共にその攻撃はすさまじく、ブラックハートがボスを務める5面終盤は中級者の壁とされている。
なお、ランクが上がりすぎるとMk-Ⅱの機雷は破壊不能となることが確認されている。
初心者には絶対避けられないワインダー攻撃は後の他社作品にまでオマージュされ、発売から20年余りが経過した今もなお、ブラハ様のカリスマは未だに衰えていない。
一部のシューター達の間では、『怒首領蜂』シリーズに登場する蜂シリーズや、『ダライアス』のグレートシングに並ぶカリスマボスとして扱われている。
アームドポリスバトライダーにも登場。
移植
1998年2月26日にエレクトロニック・アーツ・スクウェアより発売。
ウェポンアイテム取得時の効果音等の違いやCD媒体特有のステージ間のデータ読み込み等はあるものの移植度は良好で、SS版で学習した内容がAC版にそのまま通用するレベルである為、ファンからも評価は高い。
家庭用ならではの様々なおまけ要素が追加されており、豊富な画面設定や小谷野謙一、崎元仁らによるアレンジBGM、更に攻略の参考になるALLプレイムービーの視聴が可能となっている。
- PS4版
時を大きく跨いだ2016年には、ゲームの移植に定評のあるM2がPS4版への移植を発表。
M2ショットトリガーズの第1弾として同年の12月15日にPlayStation Storeでのダウンロード販売用ソフトとして発売が決定した。
通常販売のほか、サントラCDやムック等の得点が付いた限定版も受注限定生産にて販売されている。
今まで全く目に見えなかったランクの状況や、オプションの仕込み状況をUI(通称『M2ガジェット』)で確認できるようになっている為、未経験者でも自爆のタイミングやギミックの処理を学習しやすくなった。
また、並木氏によりアレンジされた新しいBGMも収録されており、AC版、セガサターン版のBGMも選択可能となっている。
先行して有名プレイヤーが馬場ミカドの公式イベントで最後まで通しでプレイしたところ、AC版と何ら遜色のないレベルの完成度である事が証明され、ファンでも誤差を発見するのが困難なレベルだった。
上記動画にはプレイ以外にPS4版にて追加された左右に表示されているガジェットの説明などもしている。
2017年9月にはPS4版をベースにPS4版で発生していた致命的なバグや永久パターンを修正した。基本的な仕様はPS4版と同様でダウンロード販売のみ。
他社作品への登場
東京ゲームショウ2016にて、タイトーの『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』のコラボレーション企画第2弾(第1弾はセガの『ギャラクシーフォースⅡ』、『スペースハリアー』、『ファンタジーゾーン』の3作)として『バトルガレッガ』、『蒼穹紅蓮隊』、『魔法大作戦』の歴代のライジングSTGの機体の参戦が発表された。
このDLCの担当はタイトーからスピンアウトしたグレフが担当する事となり、CAVE作品の参入まで告知されている。
関連動画
電人☆ゲッチャ(2016年12月8日放送分)
pixivでは…
兄弟の搭乗機体(ガレッガシリーズ)とブラハ様こと、ブラックハート(Mk-Ⅱ)のイラストが多い。時折『魔法大作戦』チッタのイラストも見受けられるが、ウェイン兄弟のイラストは全くない。
『ケツイ~絆地獄たち~』のように、STGにしては例外的に女性ファンが多いのだが、何故か彼らに萌える人はいないようだ。
関連タグ
ノーマルタグ
エイティング シューティングゲーム 魔法大作戦 アームドポリスバトライダー
関連作・関連会社
- ガンフロンティア:ゲームシステムの元となった作品。
- 鋳薔薇:本作のゲームシステムに類似した作品で、メインプログラマが同じ人物。
- 百合星人ナオコサン:作中第一話から頻繁にブラックハートが描かれる
- アークシステムワークス:韓国でのPS4版販売元。⇒参照ツイート