概要
1997年にセガサターン用ソフトとして発売されたハドソンのRPG。
これまでの天外魔境の舞台:ジパングが「外国人から見た間違った日本」であるのに対し、本作は「日本人から見た間違ったアメリカ」を舞台としている。この為、天外シリーズの本流に当たる作品でシンボルアイテムとなる「三種の神器」が、本作品では記紀のそれでは無く旧約聖書「出エジプト記」の三神器をモチーフにした物(マナの壺・炎の石板・アーロンの剣)となっている。
2006年にPSP用ソフトとしてリメイクされた。
本作の主な特徴として、以下のような点が上げられる。
- イベントや会話、戦闘などでアニメーションがふんだんに用いられている。
- 戦闘ではボスだけでなく通常モンスターにもアニメーションが加えられ、攻撃の際に動くようになった(一部の敵はコマンド選択画面でも動いている)
- 不気味なイベントや敵が多く、ホラー映画のような雰囲気が感じられる。
何故第四の黙示録なのか
これは本来PC-FXで発売されるハズだった『天外魔境Ⅲ』に続く4作目とした構想があったとされる事からである。しかし、Ⅲは諸事情で開発中止になってしまい4作目である『第四の黙示録』が先に出てしまったという事情があったりする。また、第五・第六の構想もあったそうだ。
主な登場人物
主要キャラクター
※括弧内は担当声優
今作の主人公。幼い頃にレッドベアに拾われ、魔物ハンターとして育てられた。剣による攻撃の他、冒険の途中で手に入れた魔法銃も使いこなす。左肩に火の紋章を持つ。16歳。
雷神の幼なじみで、金髪とそばかすが特徴の少女。ニューオリンズの「わんぱくハウス」で孤児達と一緒に暮らしていた。サムという双子の兄がいる。未来を予知する不思議な力を持つ。12歳。
男勝りな性格のインディアンの女戦士。右胸に火の紋章を持つが、暗黒教団にそれを悪魔の紋章と信じ込まされており、苦悩している。17歳。
赤い仮面と紅白のカウボーイ衣装が特徴の正義のアメリカンヒーロー。普段は気弱な保安官チェリーとして生活しているが、エースの姿になると性格が一変する。18歳。実はある人物の子孫(広井王子曰く「その人物がアメリカに渡った際、多くの女性と関係を持った結果の子孫の一人」とのこと)で、バカ笑いした顔はそっくりである。
暗黒教団
本作の大ボスポジション。過去作の大門教や根の一族にあたる敵組織。プロローグの幽霊屋敷騒動の結果、復活したサネトモが率いる、アメリカ中で惨劇を引き起こす悪逆非道の集団で審判の十二使徒と呼ばれる。強さがかなりまちまちで、プレイヤーから畏怖されるのもいれば(笑)がつくほど弱い奴もいる。
アラスカを支配する暗黒教団十二使徒の1人。住民から子供達を生け贄に捧げさせている。戦闘では雷神との1対1でありかなり熱い展開であるが、回復に気をつけて戦う必要がある。
モンタナを支配する暗黒教団十二使徒の1人。抜群のプロポーションと美貌をもつ美少女。表向きは15歳のアイドル歌手として活動し、その歌と美貌で子供達の心を釘付けにしている。
カリフォルニアを支配する暗黒教団十二使徒の1人。表向きは凄腕の映画監督「ハリウッドタイクーン」として活動しつつ、「神の子」という特別な子供を捜している。本作の中で最悪と言っていいほどプレイヤーにとって不利な状況で戦う羽目になる為、最強のボスと言われることも多い。十分にレベルを上げればそれでも一応大したことはないのだが。
- マダム・アペティ(曽我町子) アリゾナを支配する暗黒教団十二使徒の1人。毎晩自分の館で晩餐会を開き、人々を招いては豪華な食事を振る舞っている。ごちそうになった人々は徐々に太っていき……。賢い事を「スマート」という事に苦言を呈する程に頭も切れており、自身にバフをかけて致命傷を与えてくる強いボスの一角。
- 鮮血のベラドンナ(松井菜桜子) メキシコを支配する暗黒教団十二使徒の1人。人間をゾンビにして従える力を持つ。その儀式の様子は相当恐ろしい。攻撃力が高くこちら側のHPをゴリゴリ削っていく。控えめに言って強い。
- 狂楽のスカルビート(山寺宏一) テキサスを支配する暗黒教団十二使徒の1人。見た目を簡単に言えば「世紀末モヒカン頭の骸骨男」。死神として毎晩1人ずつ住民達の命を奪っていき、死の恐怖で人々の心を縛り付けている。本来彼らにとって抑止力となるはずだったアメリカ大統領もおそらく彼とDr.Mの手によって始末されている。デバフを全体に向けて放ってくるため長期戦になりやすいが、ちゃんと状態異常に気をつけていればそこまで苦労しない。
- Dr.M(広川太一郎) ミネソタを支配する暗黒教団十二使徒の1人。自分の作り出した機械に人間達を支配させ、機械と人間の立場を逆転させようとしている。ちなみに広川氏の演技(アドリブと思われる)によって台詞の文章とボイスとがあっておらず、ハチャメチャなことになっている。危険な状態異常「混乱」を与えてくるためにいつでも瓦解の危険性があるうえ、(ゲーム機の時刻における)曜日によって必殺技の効果が変わるという変わり種で、対策が必須という強敵の1人。青ペンダントは必ず手に入れておこう。
フロリダを支配する暗黒教団十二使徒の1人。テレビとマスメディアの力によって人々の心を支配し、「暗黒教団が正義、雷神達は悪」と信じ込ませている。手の原返しして雷神たちを糾弾する人々は本作屈指のトラウマポイント。そして雷神の幼馴染の一人を作中で間接的に殺す因縁深い相手でもある。…が、実際に戦ってみると無茶苦茶弱い。最低戦闘回数縛りでも必殺技を撃たせずに倒せるレベル。「TVはなんでも知っている」というキャラクターソングがある。あと演歌風の歌も。
ルイジアナを支配する暗黒教団十二使徒の1人。芸術家で男装の麗人。人々の精神世界に忍び込み、迷宮を創り出すことができる力を持つ。一応二回戦うのだが、この人も無茶苦茶弱い。状態異常を多用するがDr.Mほど苛烈ではない。何より本作一のチートキャラである星夜が参加している時点でお察しください。
ミシガンを支配する暗黒教団十二使徒の1人。かつてアメリカを恐怖に陥れた絶対神で、エデンの火の暴走により蘇った。2回戦うが1度目は負けイベント、2度目も超高火力で即死させてくるという名実共に掛け値なしの強キャラ。後者は星夜もいるが慎重さが求められる戦闘になっている。
暗黒教団十二使徒の1人で首領。敵味方問わず誰に対しても丁寧な口調で話す。黒幕にしてラスボス前座だけあって選択次第ではかなり苦戦する。
その他の人物
伝説の魔物ハンター。両親を亡くした雷神を引き取り、魔物ハンターとしての教育をしてきた。
- 都来(坂本千夏)
- ボブ(入道)
- 火門(山寺宏一)
雷神の幼なじみの1人。夢見の双子の兄。両親を魔物に殺され、ニューオリンズの「わんぱくハウス」で暮らしていたが、6年前の事件の際に行方不明になってしまった。12歳。
雷神の幼なじみの1人。度の強い眼鏡をかけている。雷神たちと一緒にニューオリンズで暮らしていたが、再会した時には太陽十字軍の一員として暗黒教団と戦っている。
彼の結末の誇り高さに涙したプレイヤーも多い。
- デイブ(佐々木望)
千の顔のロン・テリーの映画で有名になったハリウッドスターの大猿。レイク・タホに豪邸を建てて暮らしているが、鉄道を買収して封鎖するわ村長の娘をさらうわと、相変わらず周辺住民に迷惑をかけている。
- Mr.アシモト(矢尾一樹)
夕能の昔の仲間。現在は闇の恋人キャンディの手下となっている。
夕能の昔の仲間で恋人だった青年。
インディアンから神と崇められる人物。雷神の祖先にあたる火の一族の男性。
- チーフ・ブル(松尾銀三)
- カレン(江森浩子)
- リンダ(日高奈留美)
- ブッチ(石田弘志)
- アン・ソロジー
- ジェミー・ミード
- アリサ・スター
スタッフ
企画・監修:広井王子
原作:P.H.チャダ(あだちひろし)
絵師:辻野寅次郎
企画(演出):安部知也
企画(システム・バトル):及川英紀
美術監督:松田泰一
美術設定:久保久
音楽:笹川敏幸
管弦楽編曲:根岸貴幸
管弦楽演奏:ワルシャワ・フィルハーモニック・オーケストラ
脚本:長山豊
監督:竹部隆司
アシスタント・ディレクター:下田淳(RED)
制作・総指揮:工藤裕司
関連タグ
天外魔境 広井王子 辻野寅次郎
レトロゲーム セガサターン PSP プレイステーション・ポータブル
アメリカ ホラー
SBR:アメリカを横断しながら敵勢力と戦う別作品。ただしこちらの敵勢力は暗黒教団とは真逆の目的で動いている。