概要
1989年6月30日にハドソン(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売された、和風RPG「天外魔境シリーズ」の第一作目。媒体にCD-ROMを使用した初めてのコンピューターRPGでもある。
CD-ROMの大容量を生かして、アニメーションや声優によるキャラクターボイスの導入、更にミュージシャンの坂本龍一氏作曲による生楽曲を使用するなど、今までのRPGとは一線を画した壮大なボリュームを持ち、CD-ROM²のキラーソフトとなった。
1989年から角川文庫から小説版三部作が発売され、ゲーム本編で描き切れなかった設定を盛り込んだ、独自のストーリーを描いている。
『天外魔境 FAR EAST OF EDEN』(1989年11月1日発売)
『天外魔境(2) 大門招来編 上の巻』(1991年5月1日発売)
『天外魔境(3) 大門招来編 下の巻』(1991年11月1日発売)
1990年8月には、OVA版『天外魔境 自来也おぼろ変』が発売された。アニメの設定(綱手がオロチ丸にゾッコンという設定)は後にシリーズ作品に取り入れられた。また、アニメオリジナルキャラクターである雪姫は、小説版『天外魔境(3) 大門招来編 下の巻』にも登場している。
ちなみに『天外魔境 自来也おぼろ変』のDVDは一般販売されていないが、PS2用ソフト『天外魔境Ⅲ NAMIDA ~宝箱(デラックスパック)~』(特別限定版)の付属特典としてDVD化されている。
1992年にはPCエンジンDuo購入者へのプレゼント用として非売品のSuperCD-ROM²版が作成された。内容自体はCD-ROM²版と全く同じであることから「CD-ROM²版に旧システムで起動した際の警告表示を追加しただけ」という説もあったが、実際に比べるとCDを読みに行く頻度が減っているのがわかる(代わりに一回の読み込み時間が長くなっている)。
後に余剰分がショップで投げ売りされたことから非売品ソフトとしてはプレミア感がなく(というより通常版よりも数が多い。一体何本作ったんだよ)、中古市場では通常版とほぼ同じ価格で取引されている。
2004~2006年にかけて、オリジナル版を基にした携帯電話用アプリが配信された。
2021年2月には、小説版の続編ともいえる『天外魔境I・II架話 髑髏譚 -SKULL TALE-』が発売された。
世界設定
物語の舞台はジパングの「坂東(ばんどう)」と呼ばれる地方。火の一族の末裔自来也(ジライア)・綱手(ツナデ)・大蛇丸(オロチ丸)の3人と、マサカド復活を目論む組織「大門教」の戦いを描く。
なお、ZIRIA・Ⅱ・Ⅲの3作品には日本神話の三種の神器が重要なファクターとして登場しており、今作では「玉」が重要アイテムとなっている。
ストーリー
世界の東の果てにある国「ジパング」。四季折々の花が咲き乱れる美しく平和な国であったが、今から千年前、ある男によって滅亡の危機に晒されたことがあった。
その男の名は「マサカド」。マサカドはジパングを自らの理想郷とするべく破壊の限りを尽くし、生物は死に絶えようとしていた。だがその時、「火の一族」と名乗る者たちが現れ、マサカドへと戦いを挑んだのである。
戦いは百日に及び、火の一族の多くが死に絶えた。そして死闘果てに、火の一族は“3つの玉”の力でマサカドを地の底深く封印することに成功したのであった。こうして、ジパングには平和が訪れた。
しかし、その平和は長くは続かなかった。マサカドを甦らせんとする魔の手が、ジパングに忍び寄りつつあったのである。
物語は坂東地方にある筑波山から始まる。ここでは、マサカドとの戦いで生き残った火の一族の末裔の少年自来也が、師匠のガマ仙人の元で修行を積んでいたのだが・・・
天外魔境 ZIRIA~遥かなるジパング~
2006年3月23日に発売されたリメイク作品。対応ハードはXBOX360。
オリジナル版からの変更点
- 自来也たち3人のキャラクターデザイン変更
- グラフィックを完全3Dに変更
- オリジナル版では少なかった自来也の会話シーンの追加
- 新規イベントムービーの追加
- 一部キャラクターの声優変更
- 戦闘に新要素追加(召喚獣、連携攻撃、三すくみの属性)
- オリジナル版で没となったシナリオやキャラクターの追加
- オリジナル版シナリオの大幅変更
2010年6月16日より、これをベースとした携帯電話用アプリ「天外魔境 ZIRIA PremiumEdition」がiモードで全12章の分割配信された。
主要キャラクター
キャラクター名の()はXBOX360版での名称、太字はXBOX360版のみ登場のキャラクター
CVの中点後の声優名は、XBOX360版で変更された声優
火の勇者
大門教十三人衆
ニセ信玄 CV:銀河万丈
コウモリ夜太 CV:茶風林
バールダイモン CV:郷里大輔
マサカド CV:野田圭一
その他
雲切 CV:加藤精三
あくろう王 CV:屋良有作
スタッフ
原作:P.H.チャダ(あだちひろし)
脚本:あだちひろし(X360版:荒井弘二)
音楽プロデュース:坂本龍一
キャラクターデザイン・美術監督:辻野寅次郎
企画:工藤裕司
製作総指揮:工藤浩
プロデューサー:大里幸夫、清水始、今井丈雄
総監督:広井王子