注記
本来の表記は「レッドサン ブラッククロス」ですが、pixivではスペース入り記事はタグとして使用できない都合上、本記事はこの表記とします。
概要
佐藤大輔が開発に携わったボードゲームと、それを本人が小説に仕立て直した架空戦記である。日独による第三次世界大戦を主要なテーマとする。
作品解説
ボードゲーム版
日独がインド亜大陸で激突するというシミュレーションゲームである。
歴史は二・二六事件から改変がなされており、日独伊防協定が成立していない世界での第二次世界大戦、モンロー主義に縛られ、参戦できないアメリカと言った従来にはない斬新な設定と世界観で、多くのファンを獲得した。
…ただし目玉の補給ルールを始めとしてルールが膨大かつ非常に複雑で、さらに実際に運用するとなると明らかにバランスが悪い・誤植や不備が目立つ(ユニットの初期配置すら間違っている)など問題が多く、純粋なゲームとしての評価は残念ながらボードゲーマーの中では高くはない。
あくまで設定やデータなどが評価されたいわゆる「眺めゲー」であると割り切った方がいいだろう。
小説版
ボードゲーム版では二・二六事件からの改変に対し、小説版では日露戦争から改変がなされている。
モンロー主義に縛られたアメリカは第二次世界大戦に参戦できず、ナチス・ドイツが欧州での独り勝ちによって覇権を確立し、ドイツの合衆国侵攻によって、第三次世界大戦が勃発するという内容になっている。
シリーズはパナマ運河をめぐる日英米vs独の争奪戦が始まる直前で(事実上永久に)中断している。
登場国家
- 大日本帝国
日露戦争で日本海海戦に勝利したものの、その後発生したロシア陸軍の反攻に耐えられず結局大陸の利権を失うことになった。結果海軍主導のもと工業製品(主に兵器)を輸出すること、さらに二度の大戦と1944年に行われた東京オリンピックによって高度経済成長を達成することになった。
陸軍は日露戦争での敗北と1943年に発覚したクーデター未遂事件「トライアングル・アロウ」によって政治的・軍事的にも弱い立場に追い込まれているが、海軍は対独戦備十ヶ年計画「九九九艦隊計画」によって巨大戦艦・空母から護衛艦艇、さらに後方支援施設まで大々的に揃えようとしていた。また「トライアングル・アロウ」事件で憲法改正が行われ、統帥権は内閣と陸海軍と陸海軍の陸上航空隊を一括運用するために新設された「統合航空軍」を統率する新設組織「統合軍令本部」に一任されるものとした。
- 大ドイツ帝国
第二次世界大戦でイギリス・ソ連を屈服させてヨーロッパの過半を制し、さらにカナダ・ケベック州をヴィシー・フランス領とすることで北アメリカ大陸に橋頭堡を作り上げた。
軍事面では陸上戦力としてV号戦車パンターを改良した「V号戦車H型パンターⅡ」を主力とする装甲部隊を、海軍もZ艦隊計画による水上砲戦部隊と新型Uボートによる潜水艦隊が完成間近となり、空軍も信頼性が十分実用に耐えられるようになったMe262ジェット戦闘機やMe264戦略爆撃機を主力としたものになっているが、海軍では通商破壊作戦の偏重から空母戦力の配備が遅れており、空軍も戦術空軍思想から脱却できていない。
- イギリス連邦
日露戦争後日本に代わって大陸へ大きく介入することにあり、対日関係を強化することによって対処している。一方で第一次世界大戦後の債務問題から対米関係が悪化し、日英同盟の堅持によって対処したことから第二次世界大戦ではアメリカの支援は得られず、さらに日本の支援も遅れた結果英本土を失うことになってしまった。
- アメリカ合衆国
ニューディール政策の失敗により1940年の選挙でルーズベルトが敗北し、代わって大統領となったウェンデル・ウィルキーが米独不干渉協定を締結し戦争への不介入を決めた。また軍事予算も削減されたことで陸軍は装備刷新が進まず、海軍も軍艦を浮かばせておく「だけ」という程に弱体化している。
- ソ連
ドイツの対英戦後、次のターゲットを自分だと判断したスターリンによって対独先制攻撃が行われるが、すでに対ソ戦のために集結していたドイツ軍によって殲滅させられ、1943年のモスクワ陥落後に若手将校団のクーデターによってスターリンを始めとした共産党指導部が粛清され、再起を期してウラル山脈以東へ撤退するとともにロシアの復活を宣言した。
- イタリア、ヴィシー・フランス
史実通りドイツの同盟国として存在しているが、実質的にはドイツの傀儡としてしかみなされていない。イタリアは第三次世界大戦でインド洋に海軍の主力を送り込み、ヴィシー・フランスは北米に大規模な陸軍部隊を送り込んでいる。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
レッドサンブラッククロス レッドサン・ブラッククロス RSBC