概要
世界で最も有名な多重人格者。
自分自身の中に、自身も含めて合計24の人格を持つといわれており、幾多のメディアに取り上げられ、自身が出版した書籍はベストセラーとなった。
生い立ち
1955年、アメリカに誕生。
幼少期は義父から肉体的、性的な虐待を受けており、そんな辛い日々の中から、自分の中に他者を作るという遊びを思いついた。
養父に反論できるような知性を備えた人物、養父に喧嘩を売れるような強い人物、か弱く守ってあげなければすぐに死んでしまうような人物。
そういった遊びの中でビリーの中に生まれた人物たちは、やがてビリーの主人格よりも強くなり、表象するようになる。ビリーは時々目が覚めると移動した記憶のない場所にいたり、日数が経過したりしているように感じるが、それはビリーの中の人格に影響され、主人格である自分の中の記憶が飛んでしまっていた。
1977年、彼が22歳の時に強姦殺人事件を起こして逮捕される。だが弁護士との打ち合わせにおいて、自分はビリーではなく、ビリーは今眠っていると証言。その後の精神鑑定の結果、彼には24の人格を持つことが発覚したのであった。
ビリーの中の人格
- ビリー・ミリガン…主人格。多重人格を悲観し自殺を図る為、アーサーたちによって主導権を得ないように監視されている。
- アーサー…イギリスの上流貴族
- レイゲン・ヴァダスコヴィニチ…ユーゴスラヴィア人。憎悪の管理者
- アレン…タバコが好きで愛想がいい
- トミー…喧嘩っ早い。縄抜けが得意。
- ダニー…常におびえている小柄な少年
- デイヴィッド…苦痛の管理者。泣き虫
- クリスティーン…イギリス人少女。失語症
- クリストファー…コックニー訛りがある。クリスティーンの兄
- アダラナ…同性愛者の女性
- 教師…聡明で、感受性が強く、すばらしいユーモアがある人物。自称「一つに統合されたビリー」
「好ましくない人格」たち
- フィリップ…乱暴者。犯罪を犯している。
- ケヴィン…犯罪を好む男
- ウォルター…オーストラリア人。方向感覚に優れる。
- エイプリル…ビッチ。ボストン訛りがある。
- サミュエル…ユダヤ人。信心深い。
- マーク…働き者。ほかの人格に命令されなければ何もしない。
- スティーブ…自己中。常に他人を担ぐ
- リー…コメディアンで道化師
- ジェイソン…癇癪持ち
- ボビー/ロバート…夢想家
- ショーン…耳が不自由
- マーティン…見栄っ張り
- ティモシー…花屋の少年
彼ら彼女らは、心の中にある「スポット」と呼ばれる場所に入る事で肉体の主導権を得る。
スポットの周りは「死に行く場所」ともされる棺があり、「誰にも命令されず、全員が自分から棺に入った時」がビリー・ミリガンという存在の死ぬ時だと語られた。
その後
裁判の結果、精神病院に収容され1988年に出所。自身が所有する映画会社にてショートフィルムを製作する予定が、結局製作せず、彼の所在地は長い間不明であり、かつての知人たちは彼と連絡が取れなくなっていた。
2014年、癌により死去。享年59歳。