曖昧さ回避
- 仮面ライダーシリーズに登場するショッカーの大幹部。本稿で解説
- 秘密戦隊ゴレンジャーに登場する悪の博士→死神博士(ゴレンジャー)
- ドリームハンター麗夢に登場する悪の博士→死神博士(ドリームハンター麗夢)
死神博士とは
偉大なるショッカー首領と世界征服の為に、乾杯っ!(初登場の台詞)
「怪人製作の天才」と呼ばれる博士。本名はイワン・タワノビッチ。
三大幹部の中で唯一の日系人(父が日本人、母がロシア人)であり、国籍は日本。妹がおり、名はナターシャ。
戦前の少年時代は日本の東京で暮らしていたが、幼少の頃より何故か彼の意志に関係なく赴くところには必ずと言っていい程に死人が出たため、その不吉さから「死神」の渾名が付き、大学時代に「ギャラクシー(銀河系)における死に方と変身」という論文で博士号を取得し、「死神博士」と呼ばれるようになる。少年時代から数多くの心の葛藤と社会の矛盾に対するジレンマを強く感じていた。第二次世界大戦が勃発すると、日本の軍部の思惑からポーランドのシモン博士の下で臓器移植の研究をするよう召集令状にて派遣される。そこで体の弱かった妹・ナターシャのために研究に没頭。
寿命を延ばす研究の実験に協力したシモン博士を死なせてしまい、更に戦争の影響でナターシャまでも亡くなったことで、ずっと抱えてた心の葛藤とジレンマを切り捨ててマッドサイエンティストへ豹変する。
それでも妹ナターシャへの愛情は失われず、冷凍保存していたナターシャの遺体の再生研究を重ねていたが、太平洋戦争終結と同時に妹への愛情を利用しようとしたショッカー首領にゾル大佐と共に招かれることになった。
ちなみにシモン博士の下で研究中は、ドイツ軍預かりであり、ゾル大佐やのちのデストロン大幹部・ドクトルGや、のちのネオショッカー大幹部・ゼネラルモンスターなどとも当時から面識があった。
ショッカーではスイス支部長に任命され、ナチスドイツで研究されていた動植物の生体移植を研究し、改造人間製造の第一人者となる。それ以降携行するようになった指揮棒は、千ボルトの電流を放つムチとしても使え、改造人間を操ることが出来た。
科学者である一方、催眠術を用いたり、大鎌を振るったり、健脚を持ちつつ車椅子を使うこともあると、かなり複雑で屈折した精神の人物である(車椅子に関しては、足が不自由という初期設定の名残)。薬品を使った洗脳で要人を暗殺する作戦を立案することも多かった。
占星術にも秀でており、魔法陣を基地に描いて、とある計画に必要なメダルの位置を特定した事がある。
意外とタフであり、滝和也のパンチをくらっても動じずに睨みつけて、瞬時に催眠術を掛けるなど食えない性格をしている。
彼の配下だった怪人はカビビンガやナメクジラといった、人に嫌われる生物を選んでいる。またハエ男やユニコルノス等悪人を改造素体に選んで利用することを好んだ。
悲しい過去の体験によりマッドサイエンティストとして心の葛藤を切り捨ててからは、無関係な女子供を殺害することも厭わない極悪非道で神経質な性格にまで変貌していったが、部下の怪人に対してはゾル大佐より寛容な面を見せ、少々の失敗があっても作戦遂行のためには許して利用する柔軟さもあった。
それまでの命がけの人生体験から、仮面ライダー1号の事を「正義だの平和だの人類愛だのと、小賢しい事をほざきおって」と吐き捨てるように評価している。
ザンジオーと再生怪人軍団による地軸装置奪取に失敗し、南米支部に更迭されるが、そこでもナマズギラーやサイギャングと言った強力怪人を生み出している。
日本支部長の地獄大使に関わりなく作戦を展開させる機会もあった(なお、性格もあって2人の仲は悪い)。しかし、自身の任務が完了すれば地獄大使に干渉するような事はせず、その意味で公私混同をしない律義な側面も併せ持っている。
最後は自身に徹底した改造を施してイカデビルとして、日本支部での戦いの後南米まで死神博士を追ってきた仮面ライダー2号・一文字隼人よりも、スイス支部時代からの宿敵である仮面ライダー1号・本郷猛との決着に執着し、彼との戦いで生まれ故郷・日本にて命を落とすことも予感していた。
続編の仮面ライダーV3でも、ゾル大佐、地獄大使、ゲルショッカーのブラック将軍と共にデストロンの改造人間再生技術にて復活し、ドクトルGの日本皆殺し作戦の大阪方面を補佐を担当した。
一度はV3を窮地に追いやり、ゾル大佐と共に地獄大使の迂闊さに注意するようにドクトルGに提言したが聞き入れられず、結果風見志郎にしてやられる羽目となり、ワナゲクワガタが敗れたことによるアジトの自爆に巻き込まれて再び死亡した。
怪人態・イカデビルと共に、シリーズの悪役きっての人気と存在感を有する悪の科学者である。講談社が行った『仮面ライダー』から『仮面ライダーZX』までの悪役の人気調査では1位に輝いた。
天本英世氏が演じ、ショッカースイス支部からやってきた大幹部設定かつ、そのマッドサイエンティストなイメージぶりで人気と存在感を強調した。演じるにあたって、天本氏自身が主張するところも多かったという(ちなみに死神博士がよく用いるムチは、天本氏が以前エジプトで購入していた私物)。
他媒体での死神博士
映像作品
『仮面ライダーTheFirst』では『仮面ライダー』の映像をデジタル化して、死神博士のような幹部が登場している(声は丸山詠二氏による吹き替え)。
『仮面ライダーディケイド』の劇場版『オールライダー対大ショッカー』においても、大ショッカーの幹部として、リ・イマジネーション死神博士を石橋蓮司氏が演じている。同氏はディケイドの所謂おやっさん枠である光栄次郎も演じており、栄次郎と死神博士は同一人物のように見えるが、実際は洗脳されただけのようにも解釈できる。
続編『MOVIE大戦2010』では栄次郎が「死神博士メモリ」によって変身した「スーパー死神博士」が登場する。このガイアメモリの登場により、『オールライダー対大ショッカー』の「死神博士」も栄次郎がガイアメモリで変身していた別人格という説が濃厚になった。最後にはメモリブレイクされたことで栄次郎は元の日常を取り戻している。
ただし、漫画版では洗脳ではなく本当に大ショッカー幹部として士に膝をつかせ、最後は基地諸共ディケイドジャンボフォーメーションのキックで吹き飛んだ。
また、劇場版の宣伝のために地獄大使と一緒に行動したこともある(選挙にちなんで「大ショッカー党」で出馬するというジョーク)。
『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』では再生怪人軍団としてイカデビルが登場した。
『シン・仮面ライダー』においては、スピンオフ漫画『真の安らぎはこの世になく』にて原作での本名とされる「イワン」名義で登場する他、名称から彼が率いていると思われる「死神グループ」が合成怪人を生み出している。漫画版においては日本支部におけるSHOCKER幹部のリーダー的存在として描かれている。新参の緑川イチローに期待していたが後に決別する。
漫画
『仮面ライダーSPIRITS』において、本郷抹殺のための第二期改造人間計画の素体として一文字を素体に選んだのが死神博士と判った。しかし『仮面ライダー』本編でも明かされたように、一文字は脳改造される前に本郷の変身した仮面ライダー1号が基地に到達し、後の仮面ライダー2号となる。
また、ゾル大佐が日本進攻部隊指揮官に就任する以前の1号編までの怪人は皆、彼の配下であったことも判明する。
その後本郷猛やアンチショッカー同盟の襲撃に際し東京支部を捨て、ヨーロッパへ旅立っている(その後、1号もヨーロッパのショッカーを倒すために日本を去った…というのは有名な話。この辺の伏線回収はさすがである)。
仮面ライダー1号に倒され、さらに先述の通りデストロンの科学力で蘇生するも仮面ライダーV3の活躍で再び死亡したが、JUDOにより今度は別の素体から魂のない状態で復活し、ゾル大佐共々暗闇大使の操る自分の意志を持たない人形となる。
関東をショッカーの大軍団で攻撃し、デルザー軍団と協力して東京を壊滅させた。
『新仮面ライダーSPIRITS』では時空魔法陣により東京湾に眠るショッカー基地に飛ばされた仮面ライダー1号と仮面ライダーZXを怪人軍団を率いて襲撃。エレキボタルの死体から流れた電流を浴びてイカデビルに変身し、ZXを黄金狼男と共に苦しめる。
パチンコ
CR仮面ライダー ショッカー全滅大作戦では、
喫茶アミーゴモードのおやっさんにかかる電話に怪人のセリフがあり、その中で死神博士のプレミアのセリフが「あっ、死神です。その節はお世話になりました」と控えめな口調となっている。
その他
『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では『星雲仮面マシンマン』のプロフェッサーKと同一人物という中の人ネタが行われ、一時期ショッカーを完全に掌握した。
『ヒーロー戦記』においてはショッカー幹部として登場。地獄大使を仲間の仇として追っていたギリアム・イェーガーを監禁するなどの悪行を働いていたが、ゼウスメンバーと戦った際は既にショッカーはほぼ壊滅しており、その後長い間雌伏の時を余儀なくされる。
のちに、ネオ・アクシズの下部組織になっていたネオショッカーの幹部として再び姿を見せ、アポロガイストと手を組みライダー大陸で再び活動するも、計画を南光太郎に阻止されたことで、今度はネオショッカーの活動を世界規模にするべくウルトラ大陸へと渡るが、渡航先でメフィラス星人に協力を拒否され、焦りの色が見え始める。
なりふり構わず何らかの成果を上げるため、ガンダム大陸でジュドー・アーシタ相手に故障中のZZガンダムを引き渡すよう要求するものの、アムロ・レイおよびエルピー・プルのタッグに不意をつかれ、最後の力を振り絞って戦ったが、ついに力尽きた。
とある理由からネオ・アクシズで出世の道をほぼ絶たれており、これが原因で手柄を立てようと焦っていたようだ。最期はアポロン総統への忠誠の証を立てられなかったことを詫びながら散った。
『ガイアセイバー』でもショッカー幹部として登場。ヒマラヤ造山帯に地震発生装置「BABEL」を設置し、噴火を目論む。
『仮面ライダー正義の系譜』ではかつての世紀王の一人だった邪眼の手によって復活し1974年の世界でコバルト爆弾を爆発させることによる地震による地殻変動による気候変化、更に気候変化に対応するよう改造を施した怪人や戦闘員で世界征服をする計画を企てていたが、計画を阻止せんとする仮面ライダーV3と戦う。(生前の記憶があり、V3の事をライダーV3と呼んでいた、また演じていたのは池水通洋氏である)
漫画「究極超人あ〜る」の登場キャラクターである用務員の毒島は天本英世をモデルにしており、
初登場時に鳥坂先輩に「まさか死神博士とかいうんじゃないだろうな」と言われ、「プロフェッサーkでもないぞ」と返している。