「ヘドロだ、こいつらはヘドロを作らないのだ!」
「無理ですむのか!?ブラック将軍!!」
スーツアクター/石丸強志
概要
『仮面ライダー』第85話「ヘドロ怪人 恐怖の殺人スモッグ」に登場。
逃走中のギャングを素体に田子ノ浦の汚染濃度3000PPMのヘドロの中で生息していたウツボと
上司であるブラック将軍に対してタメ口で話しかけるなど凶暴かつ獰猛な性格で、体内に蓄積されたヘドロから生成される「殺人スモッグ」を使い、東京都民を皆殺しにする「東京全滅作戦」の実行を使命とする。鳴き声は「ファー、ウァー」。
能力
頭部を分離させて独自に敵を攻撃できるほか、手足を引っ込めて飛び回りながら体当たり攻撃を行うことができる。
また、飲んだヘドロを使って「殺人スモッグ」という毒ガスを作り出す能力を持っており、これを吸い込んだ者は一瞬のうちに白骨化してしまうという恐るべきものである。
ただし当初はゲルショッカーに公害のデータが蓄積されていなかった為、試しに造ったヘドロでは殺人スモッグの効果が現れず全くの無害であった為に、殺人スモッグを完成させる材料となる汚染濃度3000PPMのヘドロを作る為に本郷猛の親友にして公害研究所で働いている岡崎を攫いマインドコントロールし協力させた事でやっと完成にこぎつけた。
改造前の、人間だった時の姿を取ることも可能。
活動歴
殺人スモッグを完成させるために公害研究所に潜入し、本郷猛の友人・岡崎を拉致。
彼に汚染度3000ppmのヘドロをわざわざ制作させ殺人スモッグを完成。能力テストを白百合団地で行い住人たちを皆殺しにする。
その後、『東京全滅作戦』の障害となる本郷猛=仮面ライダー新1号の抹殺の為にマインドコントロールを施した岡崎を利用して罠に掛けるが最終的には失敗し、頭部を『ライダーパンチ』で破壊されたため最後の足掻きで体当たり攻撃を行うが、最後は『ライダーキック』を受け爆死した。
その後、最終回にてヒルカメレオンの手により蘇生されるが、最終決戦には姿を見せる事はなかった。
派生作品
仮面ライダー正義の系譜
本作の黒幕である邪眼の手により復活。
1988年の時代において『人間溶解ガス』散布による人類抹殺計画を推し進めるブラック将軍の元へと向かう南光太郎=仮面ライダーBLACKの前に立ち塞がり対決するが、倒された。
すがやみつるによる漫画版
2体が登場。どちらもほぼモブである。
まず「イソギンジャガーの巻」では手足がすべて首になっているという非常にグロテスクな姿で描かれている。サソリトカゲス、ワシカマギリらと共に基地におびき寄せられた1号ライダーを強力な溶解液と頑丈な甲羅で苦しめるも、誤射でワシカマギリを溶かしてしまった挙句、ライダーハンマー旋風で振り回されて他の怪人を巻き込む形で死亡。
続いて「怪奇ネコヤモリの巻」においてはTV版とほぼ同一のデザインで登場。日本生化学学会に集まった各国の科学者達を拉致するために会場を襲撃するが、駆け付けた1号のライダーパンチでバラバラに打ち砕かれてしまった。
仮面ライダーSPIRITS
バダンが復活させた再生ゲルショッカーの怪人として登場。
京都に侵攻してきたSPIRITS第十分隊を迎撃しようとするがウェイ・ペイに首を刎ね飛ばされる。それでも首だけでウェイ・ペイに襲い掛かり、上空からアルベールの狙撃を受けてなお殺人スモッグを吐くという執念深さを見せつけた。
余談
この回は公害について取り上げた回の一つでもあるが、脚本の段階ではウツボガメスを倒した後に本郷が公害について語るというシーンがあった。
原作者の石ノ森章太郎氏は「仮面ライダー」のテーマを「文明社会と自然の対立」としており、漫画版でも公害に関する言及が何度も行われている。
本郷猛「お前たち『ショッカー』の野望を打ち砕き 人類の平和を守るため 大自然が遣わした正義の使者 『仮面ライダー』」
(第1話『怪奇くも男』より)
素体となったギャング役の富士乃幸夫氏は後に『仮面ライダーv3』にてツバサ大僧正役で出演された他、本作ではキノコモルグやユニコルノスの素体となったギャング役でも出演 。キノコモルグとは上司にため口をきくという点では共通する。
ウツボは首だけになっても咬み付いてくるという。「首を飛ばして咬み付く」と言うのは、そのあたりが元ネタなのかも知れない。
またこの回では本郷が捕まって拘束され、彼に対してウツボガメスはスモッグを吹きかけるが次の瞬間には何故かライダーが崖上におり、どうやって本郷が拘束から逃れ、一瞬にして崖上に現れたかは謎で、劇中では何の説明もなくそのまま戦い始めるので不思議なポイントとなっている。