「いよう、元気にしてるか、兄弟!」
プロフィール
真名 | アレクサンドル・デュマ・ペール |
---|---|
クラス | キャスター |
性別 | 男性 |
身長 | 182cm |
体重 | 82kg |
出典 | 史実 |
地域 | フランス |
属性 | 中立・中庸 |
ILLUST | 森井しづき |
CV | 森久保祥太郎 |
※ プロフィールの出典地域は本百科の推測なので注意。
概要
『Fate/strange Fake』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。
「偽りの聖杯戦争」において、スノーフィールド市の警察署長オーランド・リーヴに召喚された。
マスターであるオーランドの要求に応え、彼の「警察官としての部下」にして「魔術師としての弟子」である『二十八人の怪物(クラン・カラティン)』の為に、英雄王にさえ対抗し得る「原典を超える宝具の贋作」を造り続けている。
警察署以外の場所で缶詰状態となって作業を進めているらしく、オーランドとの会話も専ら電話越し。作業の片手間にテレビやインターネットでどうでもいい現代知識を貪っている。
ちなみに、設定が世に出た最初の文豪系サーヴァント。
真名
19世紀フランスの劇作家にして小説家、『アレクサンドル・デュマ』。同名の息子と区別するため「大デュマ」「デュマ・ペール」(ペールは「父」の意)とも呼ばれている。
多数のベストセラーを世に送り出し、映像化作品も多い(『三銃士』や『巌窟王』はアニメ化もされている)。
真名が判明する前から「贋作騒ぎんときにジョークで『本物よりも俺のほうが面白ぇだろ?』なんて言わなきゃ良かったぜ」とボヤいた台詞などにより、その正体が推測されていた。
人物
両眉の端と一体化した丸刈り頭で、どこぞのキャス狐からは「お歯黒ドミノ」と言われたチェッカーフラッグのような色違いの歯を持つ(漫画版では普通の歯となっている)。
一人称は「俺」。
ざっくばらんな態度のお調子者で、命令にはそれなりに従うものの、サーヴァント的な忠義さは欠片すらも見当たらない。
マスターである警察署長に対しても「兄弟」と馴れ馴れしく呼びかけたり、「つまらん野郎」「死ね!」などと罵倒したり、息をするように即バレするレベルの駄法螺を吹いたり、しょうもない与太話を振ってはすげなくあしらわれ、不平たらたらに作業に戻ったり……という具合。
ただ、二十八人の怪物の面々と対面した時には、「兄弟……お前らのボスの熱意は本物だ。」等と口にするなど、何だかんだでマスターの事は高く評価している。
基本的にはとても偉人とは言い難い俗物で、聖杯にかける願いは強いて言えば「美味い飯といい女」くらいのもの。
むしろ「この聖杯戦争に関わる者たちがどんなドラマを生み出し、どんな結末を迎えるのか」を見届ける事こそが目的だと、同じ作家の英霊である赤のキャスターのような事を語っている。
ただ、料理研究家なだけあって、現代のジャンクフードに偏見を抱かず己の舌で確かめる・料理に唾が飛ばぬよう配慮しつつ話すなど、食に対する姿勢は真摯。
図太い上に肝も据わっており、その振る舞いから罵倒を返されても飄々とした態度を崩さない。ただし自分の著作の内容を読み上げられる事だけはどうにも苦手。理由はもう歴史に刻みこまれて手遅れなのに、改稿したくなってしまうから。
今の姿からは想像もつかないが、生前下記のシャルル師と出会った当時は、見た目も性格も大人しめな草食系男子であった。
能力
生前における上記の"本物超え"発言等を起源とする、「宝具の贋作を作り、それに原典を超える力を付与する」という"昇華"の使い手。
クラススキル「道具作成」を宝具で強化した「道具作成(改)」によって、擬似的な宝具を生み出す能力を持つ。
また、その応用で工房にいながらあらゆる秘匿情報を収集できる立場にあり、オーランドが秘匿している事や知らない情報までベラベラと読み上げた事で彼を大いに警戒させた。
純粋な戦闘力は他の作家サーヴァント同様最低クラスで、マスターと素手で戦った場合はマスターが勝つと言われるほど、とされていたのだが5巻で公開されたステータスによると筋力Cに耐久Dと作家鯖どころかキャスターとしてはなかなかの戦闘力の高さを持っている(具体的にはジェロニモと同じぐらい)。
軍人であった父親譲りの体格と威圧感を持ち、(本人の言を信じるなら)王様の狩猟に付き合った経験もあったゆえの肉体的ステータスの高さなのかもしれない。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーランド・リーヴ | C | D | E | EX | A | B |
保有スキル
陣地作成(E) | キャスターのクラススキル。魔術師として、自身に有利な陣地を作り上げる。Eランクと最低レベルで、既存の工房を自分風にアレンジするのがやっと。 |
---|---|
道具作成(改)(EX) | 『道具作成』の変種スキル。宝具『銃士達よ、風車に挑め』により獲得した物品改造能力であり、スキルランクは対象触媒によりE~A+と変動する。 |
時代観察(A) | 『人間観察』スキルとは異なり、時代の流れそのものを観察し、内容を自分が執筆する作品へと取り込むスキル。デュマは自分自身の身の置き方よりも、執筆する小説の内容にその力を注いでいる為、私生活にはあまり影響しない。 |
美食家(A) | ジャンクフードから宮廷料理に居たるまで、様々な知識とそれに見合う技術。味覚の鋭敏さを持ち合わせている事を示すスキルで、料理研究家でもあった事に由来している。また、料理の為の狩猟や漁猟のスキルも含まれている。 |
無辜の怪物(E) | 父親の勇猛さや著作権に関する裁判、死後の論争に至るまで、巷説や後年の作家が創作した伝記などによって有名になった各種逸話の影響。盗作騒動についての発言の有無など、真偽についての研究が進んでいる為にランクは低い。 |
宝具
銃士達よ、風車に挑め(マスケティアーズ・マスカレイド)
- ランク:E~A+(対象触媒により変動)
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~99
- 最大捕捉:1人
対象の人生に自らの体験や創作物を上書きして『執筆・改稿』する事により、対象の力を数倍から数十倍にも引き上げる他者支援系宝具。強大な力に立ち向かう者への強化なので、通常は人間にしか効果を発揮しない。
一度の召喚につき特定回数のみ使用可能。
『strange Fake』作中では協力者の能力をサーヴァントと近接戦闘可能なレベルにまで引き上げ、さらには偽バーサーカーのスキルを強化している。もっとも、魔術的な干渉に対する耐性まで向上するほど、都合良くはいかないらしく、中盤以降に身体能力が高まった状態のまま、とんでもない状況に陥る場面も……。
使用された相手は生前のデュマが経験した出来事や様々な英雄譚を、体感時間で10時間ほど見ることになるらしい。
遥か終わらじの食遊綺譚(グラン・ディクショネール・ド・キュイジーヌ)
- ランク:A
- 種別:対物宝具
- レンジ:−
- 最大捕捉:−
複数の共著や改稿を手がけた事、遺作である『料理大辞典』の執筆、古代遺跡などの発掘調査博物館の統括責任者を務めていた事に由来する宝具。
キャスターのクラススキル「道具作成」を「道具作成(改)」へと変化させ、既存の物品の逸話を創作して道具を擬似的な宝具と化す能力。
赤のキャスターの「エンチャント」をさらに発展させたような能力で、作成された宝具は使用者が使い込むほどに習熟度が上がって行き、最後には真名解放すら可能になる模様。
ただし最初からランクA以上の物は、その逸話は既に『完成している』と見なされるために手を加えられない。
作成可能な宝具は武器に限らず、マスターに黙ってパソコンなどの情報端末も宝具化したようで、偽りの聖杯戦争の裏事情から関係者のプロフィールといった、現代でもネットにはまず載らない極秘情報を易々と抽出するスーパーアーカイブと化していた。
応用的な使い方として、この宝具により彼は疑似的な投影魔術の使用が可能。
作中では作業台を豪奢なダイニングテーブルに変化させるという使い方を披露している。
他作品での活躍
Fate/Grand Order
『悪性隔絶魔境 新宿』では彼と関わりがある二人の英霊に、何者かが囚われたシェイクスピアの救出を依頼している。
それらのことから、本編の進行次第でこの作品へ登場する事が有力視されている。
関連人物
生前
生前互いに面識がある作家仲間で、2015年のエイプリルフール企画で共演。
出会った当時は40代だったアンデルセンが、少年の姿になっているのを見て大爆笑。同時に彼のマスターがナイスバディの美女なことを羨ましがった。
シャルル・ノディエ
文学界とのコネを作ってくれた先生。
若い頃にパリで芝居を見たとき同席し、死徒の話を中心に文学やパリについて意見を交わす。
ふてぶてしいキャスターが心からの敬意を持って回想する相手でもある。
生前に交流があり、彼を題材に著作「巌窟王」を執筆している。
その人生を作品にしたことに悪びれる様子はなく、むしろ会ったら煽ってやるつもりだとか。
向こうの方も、殺意はないが毒づいている。
少年時代に部下だった両親を冷遇された為、若い頃パレード中の彼を暗殺しようと画策した……が、気づけば周囲の様にナポレオン万歳となっていたらしい。
ナポレオン・ウジェーヌ・ルイ・ジャン・ジョゼフ・ボナパルト
上記ナポレオンの甥。ジョゼフと知り合ったのはベストセラー作家になった後で、「皇帝に決闘を挑もうとしたが断念して作家を目指した」ことを明かしている。
Fate/strange Fake
契約を交わしたマスター。気安い口調で話しかけてはいるが、性格面での不一致ゆえか、お互い言葉の端々に棘が混ざる。
とはいえ仮にも相棒であるため、彼の不利になる行為はせず、指示がなくとも彼なりの支援(贋作宝具や手料理の提供)を行っている。
聖杯戦争終盤では信頼関係を構築しており互いに軽口をたたき合っている。
二十八人の怪物(クラン・カラティン)
マスターの部下である警察官たち。彼らの為にほぼ缶詰め状態で贋作宝具を造り、その原典をも超える力を付与している。
名前の元ネタはケルト神話のとある女王が率いた対大英雄用特殊戦闘部隊。
その他
同じく、直接の戦闘能力を持たない作家系サーヴァント。『かの偉大な文豪』と呼び慕っている。
前線向けか後方支援特化かの違いはあれど、サーヴァントとしての性質が似ている。料理上手である点も共通している。
余談
彼の宝具の性質はたびたびネタにされることがある。
書籍版が出る直前まで当然どんなキャラであってもキャラクターデザインが試行錯誤されているが、彼のデザイン案の一つとしてスチームパンク風の青年というデザインがあった。
正式版では「お歯黒ドミノ」なデザインとなったが、前述のスチームパンク風の青年というデザインは別のキャラであるサンジェルマンへと流用されることとなった。
史上初の作家サーヴァントであるのみならず、実は現時点で唯一の「料理研究家」のサーヴァントだったりする。
演じる森久保氏はゴルゴン三姉妹役でお馴染みの浅川悠女史の元夫でもある。