この記事には奏章Ⅱ『不可逆廃棄孔 イド』に関する重大なネタバレを含みます。
ネタバレ注意
ノウム・カルデア…もとい主人公は、最後の最後でやっぱり裏切った異星の使徒最後の一騎である『伯爵』ことアレッサンドロ・ディ・カリオストロを倒し、「第七の試練 恩讐火焔 巌窟王モンテ・クリスト」に打ち勝ち、元の現実世界へと帰還。
事態はこれで終わり、人理定礎もRank DからRank Cへと上がった。
…だが、ナイチンゲールにより「復讐者達が全員カルデアから姿を消している」という事を聞かされる。
すぐに廃棄孔へと戻ると、そこでは当のアヴェンジャー達が、何故か廃棄孔に未だいる残滓の群れを燃やし続けていた。
そして奥にいたその原因は…。
────────巨いなる歪みの白亜、大巨柱。
際限なく広がる精神の果てへと届き、貫き、
破いてしまいそうな程に高く高く聳え立つもの。
数多の特異点の数々、
数多の異聞帯の数々、
これまでにマスターの乗り越えた
絶望、悪夢……
数多の的の未練、怨み、想い────
その残滓が積み重なり、
融け合い、喰い合い、歪みきって、
獲得せしめた新たなかたち。
巨大な異形の柱。
その姿は、まるで────
サリエリ「記録上の、空想樹のようにも感じられる。何だ、あれは……！」
「────混沌を導く者。 ────終焉を嗤う者。」
「己が身を悪性情報と化して、マスターの精神、そして魂に忍び寄り、庭の悪夢を契機として爆発的に拡大し、生命までも奪わんとして蠢動し続けるもの！」
「おぞましき嘲笑者。その、正体こそは────！」
カリオストロ・ヘッド「はい、私(わたくし)です」
ジャンヌ・オルタ「か、か、顔！顔ついてるわよ！？」
「私こそが霊基本体！私こそがマスター絶命作戦における主体 ────」
「悪性情報カリオストロであるのです！」
プロフィール
| 真名 | カリオストロ（＋キャスター・リンボ） |
|---|---|
| クラス | プリテンダー |
| 性別 | 男性 |
| 出典 | Fate/Grand Order |
| 地域 | ？ |
| 属性 | ？・？・天 |
| ILLUST | ？ |
概要
主人公の心象風景の一つであり、巌窟王が防衛しやすいよう加工した「不可逆廃棄孔イド」。
特異点や異聞帯の戦いで受けた敵意・呪い・トラウマ等のカケラである悪性情報の残滓はココに落ちた後、巌窟王の手で焼却されていた。
逃れた残滓もか弱きものに過ぎず成長性も無いため、炎ひとつで簡単に掻き消せる些事として、遠からず焼却され切るはずであった。
だが、ある時から最奥にて残滓が積み上がり、白く醜い柱のようなナニカと化して"育っていた"という誤算・異常事態に巌窟王は気づく。
本来ならばただの残滓が、このように独立した個として纏まるなど決してあり得ないこと。
その疑問も、柱から浮き出たカリオストロ伯爵の顔面により氷解する。
悪性情報としてのカリオストロは平安京でのリンボとの接触時、および『遺分體』との初遭遇時に、一部ずつが主人公の精神に潜り込んだものと予想され、そのまま精神の奥底に侵入、今までずっと寄生し続けていたのである。
"カルデアを内部から誘導する"という伯爵の役割もこういう事で､主人公と接触し戦闘したサーヴァント・カリオストロは小手調べ用の分体でしかなく、本体はこの悪性情報だったのだ。
しかも最悪な事に、仕込んでいた張本人がこの事実を今まですっかり忘れていた所為もあった事が後に判明する。
この関係上、姿は今までカルデアが戦ってきた脅威の面影がいろいろ混ざっている。
・見た目には、空想樹のような白い柱、下部には魔神柱、上部にはゼウスの顔面。
・通常攻撃には、デメテルの通常攻撃と、ゼウスのクリティカル攻撃の演出。
・クリティカル攻撃にはケルヌンノスの手。
・チャージ攻撃には魔神柱と空想樹の攻撃演出に加えてORTの攻撃。
などなど、見覚え・聞き覚えのあるものが散りばめられている。
宝具
『秩序に死を、遍く世に混沌を』(レベリオン・ウ・モンド)
- ランク：B~EX
- 種別：対都市/混沌宝具
- レンジ：1~50
- 最大捕捉：500人
カリオストロ本来の宝具をそのまま流用したもの。
故に内容は元記事を参照。
今回は"主人公の生命活動は全て本人のもの"という当然の法則を"歪ませ"、体内を駆け巡る魔術回路を支配下に置いて、魔力の流れをすべて自身に集約。
無限の再生力を得ただけでなく、魔力供給を途絶えさせてサーヴァント達の物理攻撃も魔術攻撃も弱体化させ、巌窟王とジャンヌ・オルタの宝具もまるで通じなくなっている。
小宇宙(ミクロコスモス)としての人体を天体に例えると、最早天体運行そのものを掌握していることと同義といえよう。
戦闘能力
さてイドにおけるラスボスであるこの悪性情報だが、その強さも語り草となっている。
初期HP約40万のブレイクゲージ3、天属性・魔性・超巨大特性持ち。
一戦目はNPCのみ三騎（ジャンヌオルタと巌窟王固定に一騎選択）だが3T耐える耐久戦。
二戦目はマスターも合流し一戦目にあった膨大なHP回復等のバフが無効化となり2ゲージブレイクで終了。
そして三戦目、これが最終戦となる。
ブレイクゲージは残り1だがHP63万、最終ゲージはHP78万で解除不可のガッツ付与、ガッツ発動で最大HP付与もありHP197万と、超高難易度でもなかなか見ないHPで一見度肝を抜かれる。
…だが、三戦目では巌窟王とモンテ・クリスト伯がNPC固定で配置されるが、この2人に異常なまでのバフと、さらに全サーヴァントに毎ターンNP20増加がかかっている。
さらに、最後のガッツ発動時には防御デバフと特殊耐性ダウンが入り非常に脆くなるため、数値は完全に見掛け倒し。
一応、ランダムスキルでNP減少やブレイクゲージで宝具を放ってくるなどの注意点はあるものの、ブレイク後強化解除といった厄介なことはしない。
ここまでのオルガマリークエストなどの高難易度、それどころかイドのボス戦の難易度の高さに比べるとはるかに対策は容易であり、さらに固定NPCがものすごく頼れるため、イドのクエストの中ではラスボスなのに特に簡単に攻略できてしまうという、あまりの弱さで語り草となった。
一応、これはストーリー上でも理由は触れられており、最後のガッツに関しても「悪あがきでしかない」という演出である。
実質のラスボスは主人公の前に「復讐者」の代理として立ちはだかる彼であり、「伯爵」はあくまで後始末でしかなかったということだろう。
余談
普通の魔神柱や空想樹の構成は1つの巨大なエネミーだと思われるが、残滓が積もりに積もったこれは、たくさんのエネミーが積もった結果、巨大なエネミーを形成していると考えられる。
またその証拠に平景清はこれを「我が目には群れとして映っている」と発言している。
道化師を演じた詐欺師の衝撃の事実
登場前から、やり口も言動も「リンボのパクリ、二番煎じ」と劇中内外から散々こき下ろされており、その印象を覆すことなくアッサリ退場してしまった彼だが、その理由については劇中で明かされることは無かった。
……だが、実装後のマテリアルにてとんでもない事実が判明する。
元々彼というサーヴァントは、第2部5.5章『地獄界曼荼羅平安京』の天覧聖杯戦争に当時のリンボによってキャスターと偽った状態で招かれていた。その際に、リンボの手で霊基と霊核を改竄され、死ににくく増えやすい悪性情報と化していた。
なお、この改竄は霊基の不可逆的な解体を意味する為、平安京聖杯はこれを『リンボによってサーヴァント・カリオストロは破壊された』と判定を下した模様。
そしてその改造の際にリンボの式神が核になったのが原因で、所々の口調や手法などが『キャスター・リンボ』と似通っていたそうだ。
むしろ"がらんどう"が本質のカリオストロに、リンボという"道満から濃縮還元された悪性"の欠片を入れた事でソレ一色に染まってしまい、より一層リンボをなぞった悪逆に突き動かされていた節がある。
なおリンボの式神をベースとした悪性情報であるためか、たまに霊基に混ざった式神リンボの性質が浮かび上がることがあったようで、劇中では稀に蘆屋道満の口癖である「ンンンンン！」が出てくる。
最終的には、宝具の真名を明かした時、額の上に五芒星（道満判）が浮かんでいた。
ちなみに平安京においては、宮中でリンボが正体を明かしていない状態で出会った際、一見親切そうな声掛けをしてくる場面があり、この時リンボが五芒星の印を結ぶ場面がある。
彼への警戒MAXな段蔵や金時の眼前ではあったが、恐らく悪性情報が仕込まれたのは、この場面ではないかと大方予想されている。
となるとアビーが蘆屋道満に向かって『カリオストロはリンボと同じ匂いがした』と発していた事や、今回の件でアビーが道満への助力を指示されていたのは上記の事が理由であった。
つまり、本章で突然の活躍＆味方ムーヴを噛まし、株をあげた蘆屋道満だったが、その実リンボ時に仕込んだままド忘れしていた爆弾を、慌てて事後処理・証拠隠滅しただけに過ぎず、まさかのマッチポンプに全ユーザーは顔を覆い、カリオストロに向いていたヘイトも同情へと雲散霧消するのであった。
とはいえ、自分の後始末ではあったもののそれが最大の助力になったこともまた事実である。
関連人物
余談欄の通り、大本の元凶。
カルデアの道満はリンボの記憶を引き継いだままの状態だったので早急な処理を施すことが出来たが、さすがの彼も悪性情報カリオストロがここまで悪化の一途をたどっていたのは予想外だったと考えられる。
第2部6章にて「失意の庭」を使用した事で、悪性情報カリオストロが増幅する原因となってしまった。
だがそれがなければ、巌窟王すら気付かずに物語が終わっていたかもしれない恐ろしい可能性を考えると、結果的ではあるが「リンボの置き土産の根絶」及び「異星の神側の戦力削減」に繋がった。
『盈月剣風帖』にて伯爵に利用された英霊。正雪を核に無数に増殖した彼女の残骸を積み上げて構成した「贋作空想樹 盈月」に仕立てたが、『奏章Ⅱ』の伯爵は皮肉にも正雪と同様、自身を核に主人公の悪性情報の残滓を積み上げて構成した存在と化していた。
上述の明らかになった事実から、正雪も間接的ではあるがリンボの被害者といえる。
『ぐだぐだ龍馬危機一髪！』に登場したifの歴史を辿ったもう一人の龍馬。初登場の時点でリンボの精神に染まっていた伯爵と同様、この龍馬も悪神に憑かれたことにより初登場の時点で既に精神が悪神そのものに染まっていた。
『空の境界』の第7章に登場した実質的なラスボス。彼も伯爵と同じく既に倒した黒幕が残した禍根の一つだった。
結末
魔力供給が途絶え、火力が弱体化してしまった復讐者達。そこで巌窟王は「然り。些かばかり。火が、足りぬか───」と口にした時。
「何が、足りないって？」
マスターが合流。
彼/彼女は蘆屋道満、アビゲイル、天草四郎、エデらを始めとする様々なサーヴァントの助力を得て廃棄孔に再侵入できたのだ。
最終使徒 顕現
カリオストロ「全秩序、全法則の書き換え完了。
────混沌よ、来たれ。
ここに無尽の魔力を以て、
カリオストロがお相手しよう！
フフフフフ…フハハハハハハ…ハハハハハハハハハ！」
そうしてマスターが合流して始まった戦闘では、道満の護符によるスキル封印がはいる。
そして最終戦直前…。
────徐に、彼が右手を地中へと突き入れる。
地中。違う。影。
手は、彼自身の足元の影へ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一度はひとつの霊基として合わさったものを。
擬似東京であなたがやったのと同じに……
引きずりだす。無理矢理に！
そうして巌窟王・エドモン・ダンテスは、もう1人の巌窟王・モンテ・クリスト伯を呼び出した。
そして始まった最終戦では巌窟王2人に攻撃バフやクラス有利効果、弱体無効などの効果を得て戦闘する。その時だった。
この世全ての悪「先輩アヴェンジャーからの餞別だ、とっときな」
意外にもここでアンリマユが支援をしてくれる。
そして倒した後
「……………………………………………！」
「成る程……これが……」
「魂までも灼き尽くす猛炎……恩讐の果て、その、昏き可能性……！」
「確かに……人の手、には……あまりましょう」
「我が連続体を崩壊させ得る、熱量……それでいて天体(人体)に傷一つ付けず……」
「フフ、まさに……怨敵のみを焼く浄化の炎か！」
「そして……カルデア、のマスター……」
「自らの精神の奥底と知りながら戦場とする、その覚悟、実に……」
「お見事、です……」
・・・・・・
「ならばその覚悟、フフ……かの巨大機構の御前にて示されるとよい！」
「まァ、もっとも────」
・・・・・・・・・・
「我が見出した後に起動せし『遺分體』、そのすべてを砕ければの話では………」と言い残してカリオストロは消滅。(話が長いとジャンヌ・オルタに焼き尽くされた)
その後主人公の旅路を復讐で終わらせない為に共に歩んできた復讐者達とお別れをすることになる。もっとも、廃棄孔でカリオストロはオーディール・コールのことを「濾過行為」と呼んでいた。
しかし巌窟王は「霊基の影を霊基グラフに残す。十全の性能とは行くまいが、幾ばくかの力にはなるだろう」と言い残した。
そしてマスターは廃棄孔を出て、ストーリー本編は終了する。
しかしカリオストロがオーディール・コールを濾過行為と言っていたように、イドをクリアしたマスターは再び衝撃の結末を見るようになる。
復讐者を主人公から「濾過」することは契約が「消滅」することを意味するため、
マテリアルから、奏章Ⅱで関わった復讐者達との契約が水着含めて全て消滅していたのである。
第2部5章で「DATA LOST」してしまったサーヴァントとは違い、フェイス画像は見えているもののその上にノイズと「LINK LOST」(ぐだぐだ組、サバユニ組、丑御前、マリーオルタ、水着霊基でアヴェンジャーになったサーヴァント除く)の文字が表示されていた。
ただし「召喚して手元にいる復讐者」が消滅する訳ではないので、強化や編成の画面で各復讐者のプロフィールは相変わらず閲覧できるし、クエストに編成して出撃させる事も問題なくできる。またピックアップ召喚開催時に召喚出来ない、といったことも一切ない。
そして、2024年3月27日18時。
イドPU2にて「巌窟王モンテ・クリスト」が伯爵と同時にPU。
当初はマテリアルにてモンテ・クリストのフェイス画像が意図しないものになっている不具合が発生していたが、4月2日の15時頃に不具合が修正された時に、イドクリア後にメンタルを破壊されたマスターは更なるものを見ることになる。
マテリアル上の巌窟王モンテ・クリストのフェイス画像、その上に「LINK BAD」の文字が表示されていた。
余談2
ファミ通での情報から、退場したアヴェンジャーはカルデアの旅で正式に登場したアヴェンジャーであり、メインストーリーはみんなやっているが、イベントは人によってまちまちなので、そこで登場したアヴェンジャーが残っているとのこと。
