──魔術師に、真の意味での友人などいませんよ
プロフィール
真名 | ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス |
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クラス | キャスター |
性別 | 男性 |
身長 | 183cm |
体重 | 65kg |
サーヴァント階位 | 第六位 |
出典 | 史実 |
地域 | 欧州 |
属性 | 混沌・善・人 |
好きなもの | 人間とその営み |
嫌いなもの | 裏切り |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | 中原 |
CV | 三木眞一郎 |
五元素を操る強力な魔術師(アベレージ・ワン)
概要
『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。
マスターは玲瓏館美沙夜の父・玲瓏館惟慧。サーヴァント階位は第六位。
白色のローブを纏った、女性と見紛いかねない長髪の美青年。
真名
通称「パラケルスス」の名を持つ、伝説的な医師にして錬金術師、『ヴァン・ホーエンハイム』。
十六世紀、ルネサンス期の人物として知られる。「四元素(五元素)の再発見」「三原質の再発見」を始めとして数多の功績と書物とを残した人類史と魔術史の双方に名を残す稀有な人物。
生前は「遍く人々を、愛し子を救うために成すべきことを成す」として、魔術師でありながらその研究成果を世間に広め、医療の発達に貢献した。そして、それを疎んだ他の魔術師の手によって最期を迎えたらしい。その聖人のような高潔さに美沙夜の父や美沙夜からは全幅の信頼を向けられる。
『Fate/stay night』でも活躍したアイテムであるアゾット剣の本質的な意味での製作者にして所有者。作中でも美沙夜にアゾット剣を渡すことで自身の真名を示唆している。
人物
一人称は「私(わたし)」。
性格は理知的で物静か。気性は温和で戦闘を好まない人の情愛は何より尊いものであると説く。
生粋の魔術師であるが、人を教え導くことに喜びを感じる人物で、美沙夜の父や幼い美沙夜にも真摯に接する人格者。また効果や効率を重んじすぎる魔術師の中で、魔術に風情や情感を覚える一風変わった人柄。
あまねく現代の魔術師たちは自らの教えを継ぐ弟子たちの裔とみなし、等しく慈しむ。
――世界が、それ(愛)を許す限りにおいては。
「根源への到達」と言う、「魔術師」として、恐ろしくまともな目的を持つサーヴァント。
一方、姿隠しを見破られているのに不気味な人影の姿で美沙夜の前に現れ、彼女に透明で冷ややかな氷のようだと思わせている。
また姿を現した後も、美沙夜は彼と話していると偶に「気圧されている」と感じる時があり、その思惑には不明な点があった。
実は美沙夜が出会った当初に覚えた不安は正しく、清廉ではあるが彼もまた「正しい魔術師」の一人であり、根源への到達には手段を選ばない。結果、玲瓏館を裏切って沙条愛歌の元に付き、美沙夜を彼女に売って遠距離から呪詛を掛けられるよう細工を行っていた。
聖杯にかけた願いは「根源への到達」だが、更に言えば、星の光(たとえば聖剣の)こそが根源から差し込む光に違いない、という自説が正しいか否かを確かめること――だった。
が、現在の彼は贖罪をこそ求めているのかも知れない。
何かと腹黒いイメージが付きまとうパラケルススだが、執筆者の桜井光氏いわく「人としての彼は善人」とのこと。魔術師として効率主義を重んじる一方、一人の人間として裏切りを犯したことについては終始罪悪感を抱いており、元凶に寄り添いながらもその所業を咎めずにいた彼女のサーヴァントを暗に糾弾する一場面もあった。
彼の『良かれと思って』とは、本来の人間性に依拠する紛れもない「善意」である。
ただ史実・型月時空ともに根っからの天邪鬼もあるため、人間性こそまともだがそれを率直に行動に反映するかといえば、そこは残念ながら伴っていない。
史実で弟子からは「学者としては天才、人間としては三流」と苦言されている。
『FGO』においても、彼の捻くれた善意は度々発揮されており、「悪巧み四天王」と呼ばれるトラブルメーカーの1人となっている。
他のメンバーと違って良心的ではあるのだが、大概「良かれと思って滅茶苦茶な真似をする」という別の意味で面倒な人物である。
イベントシナリオでもサーヴァントに頼まれて処方箋を出している様子が描かれているが、大体はロクな薬ではない。
ちなみに意外に思えるが、大の甘党。
生前に同業者のノストラダムスと「砂糖論争」を演じたが、その時は否定派に回っている。もしかしたら自身の実体験に伴って、健康被害を意識していたのかもしれない。
能力
伝説的な錬金術師にして、「土」「水」「火」「風」「空」の5つの属性を併せ持つアベレージ・ワンの魔術師。宝石魔術を操る。
玲瓏館邸を「神殿」に作り変え、数十の結界と呪詛の罠、各方角に独立した防御機構である「元素結晶(エレメンタル)」を一体ずつ配置し、気配遮断を持つアサシンや突破力に優れたバーサーカーの侵入すら阻む強固な陣を敷いている。
また魔力を込めた宝石やホムンクルス、エーテル塊の欠片など、短時間で高度な魔術品の生成を可能とする。
後世に名高いパラケルススが提唱した四大精霊の類は宝具にはないようだが、エレメンタルには四大精霊の名前が付けられている。
ステータス
保有スキル
陣地作成(A) | 魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。Aランクとなると「工房」を上回る「神殿」を構築する事ができる。 |
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道具作成(EX) | 魔力を帯びた器具を作成する。伝説の錬金術師として数多の逸話を有した彼は、このスキルをEXランクで習得している。賢者の石と呼ばれる特殊な結晶を初めにエレメンタルと呼ばれる五属性に対応した人工霊、高度な判断能力と複数体での同期思考能力を有する人造人間(ホムンクルス)といった多彩な道具を作成する。宝石魔術に用いられる宝石の大量生産も、陣地に接続した霊脈を利用することで可能となる。 |
高速詠唱(A) | 魔術の詠唱を高速化するスキル。大魔術の詠唱を一工程で成し遂げる。彼の場合、これに加えて宝石魔術(具体的には賢者の石)を組み合わせて効率化を図っている。 |
エレメンタル(A+) | 五属性に対応した人工霊を使役する能力。この人工霊をパラケルススはエレメンタル、または元素塊と呼称する。それぞれの属性元素を超高密度に凝縮させた結晶をベースにして作り上げられた魔術存在。火の元素塊は炎を凝縮させたモノであり、超高熱を操る。土の元素塊であれば超質量及び金剛(ダイアモンド)に等しい硬度を有する。なお、空=エーテルの元素塊は「エーテル塊」とは異なるもの。作成に掛ける手間次第ではあるが、サーヴァントの戦闘にもある程度まで対応可能な使い魔として操ることが出来る。 |
賢者の石(A→A+) | 自ら精製した強力な魔力集積結晶、フォトニック結晶を操る技術。ランクは精製の度合いで大きく変動する。ランク次第で様々な効果を発揮するが、Aランクともなれば擬似的な不死を任意の対象にもたらすことも可能。 |
宝具
元素使いの魔剣(ソード・オブ・パラケルスス)
- ランク:A+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~99
- 最大捕捉:300人
「お見せしましょう、我が光を。」
「真なるエーテルを導かん。我が妄念、我が想いのかたち――『元素使いの魔剣(ソード・オブ・パラケルスス)』」
刀身の全てを超々高密度の“賢者の石”で構成された魔術礼装。パラケルススの魔剣であり、アゾット剣の原典。
宝具本来の効果は魔術の増幅・補助・強化だが、この剣を用いて直接対象を攻撃するのではなく、刀身の魔力によって瞬時に儀式魔術を行使し、五つの元素を触媒に用いることで、一時的に神代の真エーテルを擬似構成し、放出する。
詳細は該当記事を参照。
バリエーション
黒化英霊
『Fate/Prototype』の時間軸にて沙条愛歌の配下となったキャスター。聖杯の泥によって変化してもなお、愛歌に自ら従う様子が示唆されており、旧ランサーと戦う事が示唆されている。
他作品での活躍
Fate/Grand Order
第1部4章『死界魔霧都市 ロンドン』と共に実装。レアリティは☆3。
同章シナリオでは、敵側のサーヴァント「P」として登場。
第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』でも、酒呑童子のサーヴァントとして登場する。
味方側としては、今回の現界において、以前の自分が犯した罪についての記憶があり、マスターのサーヴァントとなってからはその贖罪の意味もあって人理修復に手を貸してくれる。
絆Lvの上昇で聞けるマイルームでのボイスや幕間の物語では、かつて自分を慕ってくれた少女への懺悔が複数存在し、今なお自分の罪と向き合い続けている。
2016年バレンタインイベント『チョコレート・レディの空騒ぎ』では、黒幕に唆されてチョコレートをサーヴァント化する霊薬を製造し、チョコサーヴァントを生む原因となる。一方で料理下手(アイドル)のチョコレートが待っているであろうマスターへの非常策として、「胃を整える霊草」というどこぞで聞き覚えのある薬を提供してくる。
2017年クリスマスイベント『冥界のメリークリスマス』では、特攻サーヴァントが第1部7章メンバー勢揃いである中ひとりだけひょっこり参加。これにより『CCC』イベントのトリスタンよろしく「ウルクで八面六臂の大活躍をしたパラケルスス」という集団幻覚大喜利がユーザーの間で騒がれた。
ちなみに、肝心のイベントでは、謎の熱病に対抗するため自らを実験台にして製薬に勤しんでいたが、結局上手くいかずに吐血して倒れた。そして、その後アルテラによって冷蔵庫にしまわれてしまった。
結局この流れは、イベントが終了したことで沈静化したのだが、直後に第二部が始まった際には、イベントの扱いを受け「実は冷蔵庫に閉じ込められたままだったパラケルススが、孤立無援のカルデアで目覚め査問官達相手に立ち回るのではないか」という、とんでもない深読みがなされることになった。
2022年ホワイトデーイベント『15人の理知的なメガネたち』ではメガネ霊衣「マグニファイアーズ」を伴って登場。
シナリオでは現地に呼ばれたはぐれサーヴァントの1騎として登場。特に2回戦の鬼ごっこでは、「マーリンの幻術をコピーして鬼の偽装を行う」という策略を披露。後に脱落者の干渉を禁止するルールとの兼ね合いから、他と比べると身体能力に難がある彼が鬼役にならなければならないという策の弱点が露見したが、最後は気合で勝利をもぎ取る熱い一面を見せた。
ちなみに、一連の出来事を知ったカルデアのパラケルススは、少しは体を鍛えるべきかと思ったという。
ゲーム上での性能
最大HP | 9506(LV70) |
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最大ATK | 6711(LV70) |
コマンドカード | Arts:3/Quick:1/Buster:1 |
宝具カード | Arts |
スキル1 | 高速詠唱(A)/自身のNPを55~80%増やす |
スキル2 | エレメンタル(A+)/味方全体のArtsカード性能UP(3T) |
スキル3 | 賢者の石(A→A+)/味方単体にガッツ状態を付与(1回・3T)&NP獲得量UP(3T、強化後に追加) |
宝具 | 敵全体にやや強力な攻撃&敵全体の攻撃力をダウン(3T)<オーバーチャージで効果アップ> |
性能としては、Arts強化を軸とした攻撃型サポーター。
強化後の「賢者の石」で付与されるNP獲得量UPの倍率は最高値であり、サモさんやジークのようなArts属性宝具を高速回転させる事が出来る。
ただ、宝具は“やや”強力な攻撃という文言通り攻撃力が低く、バフの掛け方にもよるが聖杯転臨や☆4フォウくんによる強化無しだと有利クラス相手でも3万越えは厳しいと思っていい。デバフも低倍率で、気持ちダメージを軽減する程度でしかない。
そのため、宝具チェインで他のサーヴァントのオーバーチャージを上げるブースターと割り切って運用するのも手だろう。
最大の欠点はスキルのチャージタイムの長さ。どのスキルも一度使用すると最大レベルでも7ターン以上の間隔が空くため、長期戦ではバフの切れ目が目立ってしまう。この点は、周回での速攻・短期決戦でカバーしたい所。
なお、Artsサポーターには上位版とも言えるアルトリア・キャスターが登場しているが、あちらは入手困難な限定☆5であるため、自前で持っておらずW編成が行えない場合の代用として価値がある。
ただし、同レアリティにも徐福が登場しているので、併用するか使い分けるかはよく吟味しておきたい。
この他、スキル強化の終盤が難関で、スキル1つにつき虚影の塵×32と凶骨×48と高需要品を大量に要求する。アペンドスキルの方も、夢幻の鱗粉×16と中々に重い。
どちらもLV8までは必要な素材の数が少ないため、LV9以上にするかは在庫状況やパーティ構成と相談しながら進めると良いだろう。
関連人物
生前
砂糖の効能について論争となった医者。キャスターは錬金術師としての立場からこれに否定的であった。
実は生前からの知己。
彼の万能性を尊敬し、親交を結びたいと思いながら畏れ多く思っていた。
しかしパラケルススでも、「ダ・ヴィンチちゃん」としての姿が霊基をいじった末のものか、はたまた実は生前からあの姿なのかは判然としていない。
第四特異点での共犯者であり、実は生前からの知己。共に同じ志を持った同士。
その為もし変わり果てた彼を見たら、同一人物とは思わないし思えないらしい。
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
東京聖杯戦争におけるマスターの娘。
その類希なる才能と聡明さに好感を持ち師として友として導いていたが、とある全能との邂逅により関係は崩壊する。
セイバーのマスターであり、少女の形を持った全能。
根源に接続している彼女の全能性に敬服し軍門に下る。
剣士の英霊。
高潔な騎士道に敬意を表しながらも、願いのため愛歌の凶行を止めない彼に失望もしている。
同時に彼の持つ聖剣は、自身が至るべき高みへの指標としている。
暗殺者の少女。彼女の愛歌に対する崇拝の歪さに気付き、好まれぬお節介と荒治療であることを自覚しながらもひとつの可能性を秘めた「贈り物」をする。
Fate/Grand Order
この世界で契約したマスター。
前回の聖杯戦争での後悔を抱きながらも、彼/彼女と真の意味で友人となりたいと願っている。
第四特異点で即席のコンビを組んだ相手。
彼女の本質を理解して哀れみながら、カルデアのマスターが「おかあさんかもしれませんよ?」と最悪の唆し方をして嗾けている。
第四特異点で接点こそ薄いが同陣営として戦った。
バレンタインイベントでは彼女の願いをかなえるために、騒動の片棒を担いでしまう。
ガイウス・ユリウス・カエサル、ウィリアム・シェイクスピア、ジェームズ・モリアーティ(弓)
カルデアの胡散臭いサーヴァント仲間。
この3人と彼を合わせて「悪巧み四天王」と呼ばれており、どこぞの財団オブジェクトのような対策マニュアルが作られている。
バレンタインイベントで彼女に乞われて「愛の霊薬」を造って渡してしまう。しかし流石にマズいと思ったのか、マスターが霊薬入りのチョコを食べる前に解毒剤を渡しに登場している。
彼女に乞われてへべれけ女子会へのプレゼント用に「服用すると酒を飲むたびダメージが入る」という断酒薬を精製する。
結果、酔いがさめて最悪の気分となった三人に報復されることに……
彼女と割と踏み入った魔術論議ができるほど、意外に親交が深い相手。
彼女の言う「マハトマ」が何たるかについては、ある程度の察しを付けたうえで「彼女と同じ視点に立たなければならない」とマスターにアドバイスしている。
直接的な絡みはないが、同じく己の悲願の為に『マスターを殺す』という凶行に走ったキャスター。
その行為は座の本体に刻まれるレベルの後悔となり、揃って彼らは過去を悔い、かつてのマスターへの懺悔を述べる。
一方で、「今度こそマスターと本当の友になりたい」と述べるパラケルススに対して、アヴィケブロンは「自分にはマスターと仲良くなる資格は無い」と述べると、贖罪の為の行動は真逆。
マスター殺しのきっかけも己の魔術の完成への欲望だが、外部要員により歪んだパラケルススに対して、アヴィケブロンは元々からその思いを抱えている節があった。
キャスターの目的の一つが「遙か神代にカルデア人の賢者達が手にしていた星振の輝きを手に入れる事」であるが、その彼の目的に近付いたのが現代のカルデアの賢者たる彼である。
関連イラスト
関連タグ
Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツ Fate/GrandOrder
ロイ・マスタング(2009年版)&アダム・ヴァイスハウプト(シンフォギア):中の人が演じた錬金術師。