「あれ?願いを叶えるとか、そんなふわふわした話を本気で信じていたの?」
「早く会いたい、早く会いたい、早く会いたい!私のセイバー!私の、私だけの王子様!」
プロフィール
マスター階梯 | 第一位・熾天使 |
---|---|
魔術系統 | なし |
魔術回路・質 | EX |
魔術回路・量 | E |
魔術回路・編成 | 異常(過去に該当なし) |
CV | 豊崎愛生 |
概要
『Fate/Prototype』の黒幕にして、前日譚『蒼銀のフラグメンツ』の主人公。
労苦もなくその勝利者となったが、セイバーの造反によって胸を刺し貫かれて死亡。その亡骸はセイバーによって大聖杯にくべられていた。
しかし聖杯の力で復活し、サーヴァント・ビーストのマスターとして現界する。
人物
純粋無垢で無邪気な性格。しかしそれ故に残酷な所業を平然とやってのける魔術師然とした少女。
セイバーに対して臆面なく愛情を向けており、その願いも彼の願いを叶える事であると述べている。
妹である綾香に対しては凡人との評価を下しており、獣召喚の生贄に利用しようとしていた。
生まれながらに「あらゆる事が出来た」ため、人としての感情に乏しい少女だったという。
しかし、聖杯戦争にてセイバーを召喚した事で彼女は「恋」を知る。知ってしまう。
愛しい王子様のためその全能性を容赦なく振るい、愛する人のために愛する人の感情さえ無視する異常者。
身も蓋もない言い方をするなら、愛が天元突破したサイコパス。
能力
類稀なる才能を持った魔術師。あらゆる魔術を自在に行使してみせる。
聖杯の正体については8年前の時点で気づいており、その際に大量の少女たちを生贄として虐殺した。
令呪の位置は胸部中央。胸部には8年前にセイバーによって貫かれた傷が今でも残っている。
また、8年前に愛歌が美沙夜と夢の中で会ったときには、美沙夜から何年か前に会った頃と少しも変わらない姿をしていると言われており、夢だからなのかと思われていた。
産まれながらにして「根源」に接続している。
恋を知り、「少女」となってしまった全能。決して「全能の少女」ではない。
あらゆる全てが可能で、あらゆる全ての事象を知り、あらゆる全てを認識する機能を持つ、文字通りの『全知全能』。それこそ命を、と望めば命を発生させられる。死を、と囁けば死を蔓延させられる。彼女にとって世界はその気になれば隅々まで手が届く小さな箱庭とされる。
魔術結界などを無視した空間転移、他者の夢の中への侵入、単独でサーヴァントすら倒せる戦闘能力、並行世界への干渉どころか、世界の裏側や世界の表裏を繋ぎとめる楔が置かれた場所にも行くことが出来る。
疲労すら起こり得ない肉体であり、肉体疲労の回復としての睡眠も必要としない。猛毒の塊であるアサシンに触れても何ともなく、宝具の本領は発揮できていないとはいえランサーが振るう魔銀(ミスリル)の塊である槍を指一本で止めている。歩いているだけで父親の施した結界を解いて魔術の効力を失わせており、対象の内臓を裡から破裂させる呪殺も当然のように効果はなかった。
その気になれば事象を編纂し、未来を選択しながら、可能性の悉くを好き放題に決定しながら生きることさえ可能だが、自分がいずれ「恋に落ちる」未来を視てからは「自分に関わる未来を視る」ことは意図的に避けている。
また根源には接続してるものの、魔術回路の本数自体は少なく出力にはある程度の制限があり、彼女単独ではセイバーの願いであるブリテンの救済は人理定礎が関わるためできない。ブリテンが生き残る可能性を作ることはできるが、誰もが幸福になったという過程に変えることで幾人かの個人の運命は変わったとしても、人理定礎によりそれでもブリテン自体は滅びたという結果になってしまう。そのため彼女はビーストを自身の増幅器(ブースター)として利用することで、人理定礎を破壊しようとする。
『Fate/Labyrinth』では並行世界の他人の体に憑依している影響で全てを見通し、理解し可能とする全能の力は制限されている。本来より著しく弱体化してるが、それでも魔術師として時計塔の階位でいう「色位(ブランド)の下の方」ぐらいの能力は持っており、一工程(シングルアクション)や一小節の詠唱で多彩な魔術を見せている。本人曰く「真面目に詠唱をしたのなんていつ以来なのかしら」とのこと。
アトラムが錬成工房を使って精製していた魔力結晶を、大気中のマナを凝縮して1秒とかからず掌の上に作り出し、幻想種から剥ぎ取った素材などを空間を歪曲させてドレスの裾に収納したりしている。さらに投影魔術で調理器具を生み出し、元素変換魔術で火や水を起こして幻想種を材料に料理も行った。
戦闘では石畳を変化させ石の腕を出現させたり、火炎を付与した無数の飛礫を散弾銃以上の威力で放っており、さらに回転を加えることでケルピーの防壁であるダイラタンシー流体の水膜を貫通させている。
また元の自分の世界に戻った後に、憑依していたノーマを通して力を振るうことで、万色の光を放ち、ヴォルフガング・ファウストゥスの霊核三基と亜種聖杯を消し飛ばし、狂戦士をも霧散させた。この万色の光の詳細は不明だが、曰く「存在ごと。世界ごと。ぜんぶ抉ってしまう」と言われており、それでいて「星の輝きならず、太陽の灼熱ならず。破壊の力ならず、万死の呪詛ならず」とされている。
その他登場作品
Fate/Labyrinth
大聖杯で見た「夢」の中、少女ノーマの体を借りて迷宮の亜種聖杯戦争に挑む。
別人の身体に憑依しているため普段の様な全能性こそ発揮できないが、
それが幸いしてサーヴァント達との関係は良好な部類。高位の魔術師として十分な実力も維持している。
氷室の天地
運命を変えるようなIKEMENに出会わなかった事でラスボス化を回避。
「素敵な王子様なんてこの世に存在しないのね」と現実を悟り、全能性を持て余しながら天才ダメ人間として生活しているらしい。普段は父親に連れられ魔術旅行をしているため家には不在がち。
姉妹仲はそれなりに良好とかなんとか。
放浪中に偶然知り合ったルーマニアのSさんと意気投合し、無二の親友になった挙句に多少真人間化させている。
Fate/strange Fake
Fake世界にも存在する様で、彼女の妹の師であるエルメロイⅡ世曰く、なんらかの騒動を引き起こした模様。世界を壊す規模になってないという点では『Prototype』世界よりも大分大人しくなってる模様だったが……
超時空! トラぶる花札大作戦
プロトチームとEXTRAチームのラスボスとして登場。プレイアブルルートは無し。
プロトルートでは愛しのセイバーを手に入れるべく綾香たちに紹介状を送り付け、セイバーと若干ズレた漫才をくりひろげる。EXTRAルートではうっかり連鎖召喚してしまった赤セイバー一行に間桐桜とコンビを組んで立ち塞がるも、自分より高位の変態である赤セイバーに半泣きにさせられていた。
そもそも、自身の同族をマスター込みとはいえ単独で倒してしまったサーヴァントを3体も呼び出してしまったことが運のツキであったと言える。
使用技
- 聖都炎上(ゴモラズブレイズ):チーム「大聖杯の花嫁たち」で使用。消費MP12。相手の手札をランダムで1〜3枚除外する。
- 聖都陥落(ソドムズフォール):チーム「回るマナカグラス」で使用。消費MP0。全ての役の文数を半減する。
- 怪獣王女(ポトニアテローン):チーム「回るマナカグラス」で使用。消費MP0。自分が上がった時の文数が3倍になる。
Fate/Grand Order
2024年現在、概念礼装のみの登場ではあるものの、彼女の存在が明らかになるまではビーストⅢ/Rの対の候補としてよく挙げられていた。まあビーストに関係していてLの表記が三文字■■■とされていたので無理もない話である。
しかし、今度はアーサーの幕間で旧ビーストが、ビーストⅥと呼ばれるれっきとしたビーストであることが発覚したため、そちらとして呼ばれるのではないかと言われることになった。また、ブリテン異聞帯の重要人物と思われるサーヴァントも登場した2部後半OPに彼女と似たようなサーヴァントが存在したものの、こちらも別の存在だった為、肩透かしに終わった。
続く奏章『オーディール・コール』においても日本エリアが舞台のⅡ章「不可逆廃棄孔イド」には登場せず、残る「Ⅲ」、「Ⅳ」はビースト案件そのものが無関係である。
関連人物
Prototype
召喚したサーヴァント。彼に恋をし、彼の願いを叶えるべく、聖杯戦争にて暗躍するが…。
セイバーの願いを歪めて叶えるため、円卓が滅びたという事実、つまり人類史を食らいつくしてくれる存在として召喚されたサーヴァント。
平凡な妹。家族の情などは特に感じておらず、「価値の無い凡人」「妹とかよく分からない」と述べている。ひむてんではダメ人間になった自分を呆れられているものの関係は良好。
勝手に出て来て勝手に忠誠を誓っているサーヴァント。
ハイドからの信頼は尊敬するマスターへの感情なのだが空回りとしか言えない。
蒼銀のフラグメンツ
偶然拾ったはぐれサーヴァント。彼女の猛毒をものともせずに触れたことで心酔される。
接続者としての技量を見せつけ軍門に従えたサーヴァント。
Labyrinth
開幕時に体を乗っ取ることになった相手。彼女の体を借りたことで新鮮な感覚やサーヴァント達との交流を満喫する。
迷宮探索の途中で元世界でのサーヴァントに引き戻されてしまったものの、一行の窮地に微かに残る繋がりを通して再来。彼女を通して力を振るい、その危機を救った。
「王子様」ではない、もうひとりのアーサー王で準主人公。迷宮での亜種聖杯戦争にて契約を結ぶ。
同盟を持ちかけてきた緑衣の狩人。
同じく同盟を組んだ呪腕の暗殺者。
「神代の魔術を見るのは初めて」と興味を持ち、同盟を結んだコルキスの魔女。
ちなみにProto本編のキャスターもこのコルキスの魔女のようである。
世界の裏側で誰かをずっと待ち続けている竜。
愛歌はその姿を「綺麗」と評した。
彼女と同類の根源接続者。
世界の表裏の楔に手を出しかけた愛歌を迷宮の聖杯戦争が行われている場へ押し返す。
Grand Order
ある意味では後輩に該当するようになってしまった人類最後のマスター。共通点は「マスター一人に対し複数のサーヴァントと契約する境遇」と「自分のサーヴァントを “人” として見ている事」。
とは言っても相手そっちのけで自分の感情に酔いしれ突っ走っている状態の愛歌と、有事を除けば多少の疑問は残しつつも相手を優先する彼/彼女を比べれば天と地の差がある。
規模は違えど、愛に狂った末に世界を破滅させたという点が共通しているマスター。
愛歌が未遂で終わったのに対し、彼はかいつまんで言うなら成功者と云えないこともない。
その他
対とも言える同族。
「超時空!トラぶる花札大作戦」では彼女を倒したサーヴァントを呼んでしまった事が敗因となる。
ちなみにこちらはある程度はマトモな時空も存在するらしい。
“自身の目的の為ならば、他人の尊厳などお構いなしに平気な顔をして利用し尽くす”という意味では同類。
事実、8年後の本編では蒼銀時代の聖杯戦争に召喚されたセイバーを除いた6人のサーヴァント達を強制的に黒化英霊へと作り替えた挙句、自身に忠実な駒として再召喚した。
「超時空!トラぶる花札大作戦」で遭遇。両刀使いである彼女曰く、好みのタイプらしい。
なお、そんな赤セイバーを自分以上の変態と称し、ドン引きしていた。
と言っても彼女の所業を考えれば、赤セイバーの方が幾分かマシに見える。
余談
愛歌の服はかつて亡き母が、女の子なら一度は好き嫌い考えずに目を引く筈の可愛らしい服を着て、少しでも物事に興味を持てるようになればと思い買い与えたもの。同時にまだ幼かった綾香が「一番よく似合う」と言っていたものでもある。
運命の人に逢えるのだから、どうせならとびっきりのオシャレをして出迎えたい……根源接続者であれどそんな女心がはたらいたのかもしれない。
『Fate/stay night』の元になった作品の生まれなだけはあり、『stay night』に登場する数多くのキャラ達と共通点が見られる。ラスボスな為なのか、それもかなりの数の人物が該当する。
- 衛宮切嗣:本編以前に起こった聖杯戦争のセイバーのマスター。
- イリヤスフィール・フォン・アインツベルン:鬼畜ロリな姉。並行世界では割とまともになる。
- 黒桜:ヤンデレなラスボス。黒化英霊を従える点も同じ。
- アルトリア・ペンドラゴン:願いがブリテンの救い。(アルトリアの願いは厳密には選定のやり直しであるし、それを願うアルトリアはアーサー王本人という点で大きく違うのだが。)
- アンリマユ:大聖杯にくべられた邪悪の根源。
- 間桐臓硯:使役するサーヴァントがハサン・サッバーハ。迷宮での亜種聖杯戦争で愛歌が使役していたハサンも臓硯のハサンと同一人物である。