概要
英霊の持つ負の側面が召喚者の干渉や強力な呪いによって表在化した状態。ちなみに、オルタとは「alternative」の略であり、「もう1つの」という意。
初期ではサーヴァントのイメージカラーが黒に統一されることから「黒化」(「くろか」とも「こくか」とも)とも呼ばれていた。現在はオルタ化と呼ばれることが多い。一部を除いて瞳の色が黄色く変色し、肌の色も従来より白色または色黒に変化するのが特徴。
そもそもこの状態は正常なサーヴァントとは言えず、正常な召喚ではまず現れない状態である。
この状態に至るのは前述したように強力な呪いなどで霊格が汚染された場合、または聖杯の力でサーヴァント召喚時に強制的に霊格に手を加えられた場合など様々である。
人格も生前の人格に関わらず悪人・外道の類になってしまっていることが多く"悪堕ち"のイメージが強いが、実際は属性の反転・別側面の発露であり、本人の本質に変わりは無いとされる。
同じ霊格を使用しているため根っこの部分は正規の状態と同じであり、共通するアイデンティティを持つ場合が多い。セイバーなら、正道をもって統治するか、覇道をもって統治するか、という手段は違えど王であることの本質は変わらない。
ただし、個人としての二面性を持たない概念・事象を由来とする存在や、最初から負の側面を抱えて召喚される英霊はオルタ化できないという制約があり(英霊も元は人である以上、普通はありえないことだが)、基本的に悪行等の逸話がメインである反英霊がなることは無い。
…というのが当初の認識だったのだが、近年追加されている新顔のオルタ系サーヴァントにはこれに当てはまらないケースが増えてきている。
「そもそもの生まれからして大本の存在とは別人」な者たちや、「生前に発揮されなかった側面の発露」といった場合もあり、「オルタナティブ」というラベルと「黒化」というラベルを同一視するのは難しくなってきている。
単なる別側面を召喚するだけであれば、クラス等の違いにより一英霊の各要素が強調されたサーヴァントが召喚されるケースは多く、同一クラスですら別側面が召喚される可能性を持つ英霊や、アルターエゴという人工英霊が該当するエクストラクラスも存在する。
これについては、FGO2部7章にて「異霊」という表記と共に掘り下げが行われ、曰く正邪の反転というより、その英霊としての生涯・信念・悲願といった「霊基の核となる要素」を自ら否定し裏切った姿こそが「異霊(オルタ)」と呼ばれるのだという。
『黒化英霊』という単語自体はスピンオフ作品『プリズマ☆イリヤ』のみで使われている単語だが、この記事では他の作品で黒化されたサーヴァントについても解説する。
二次創作物における黒化はFate黒化を参照。
第三次聖杯戦争
参加者のエーデルフェルト姉妹が同一の英霊を異なる側面から呼び出して使役していたそうだが、仲間割れで自滅したとのこと。
召喚された英霊は不明だが、『Fate/hollowataraxia』で語られた際にはアルトリアとセイバーオルタが代役として扱われており、片方は黒化英霊であることが推測できる。
Fate/staynight
聖杯の力で受肉し、物理的な干渉力が増大するが霊体化は出来なくなる。魔力も聖杯から無尽蔵に供給されるため、戦闘力も強化される。ただ暴走状態になってしまうため細かい制御は不可能で、「暴走機関車」に例えられる。
作中ではセイバーやバーサーカーが黒化しているが、中にはギルガメッシュなど黒化しなかった者もいる。
ちなみに2019年現在、公式では黒化したバーサーカーの名前はバーサーカーオルタとかヘラクレスオルタとは表記されていない。
格闘ゲーム『unlimited code』ではカラーバリエーションの一つがセイバーオルタカラーの者が何人かいる。
Fate/Prototype
劇中では黒化の原理は説明されていない。
リメイク前の旧Fateではセイバーが綾香から令呪を奪ったサンクレイド・ファーンの手によって黒化された状態で召喚されているが『prototype』でも黒化された状態で登場するのかは不明。ただ、前日譚に当たる『蒼銀のフラグメンツ』でのサンクレイドの発言から黒化された状態で登場する可能性がある。
最終決戦時、沙条愛歌の手により前回の聖杯戦争に登場したセイバーを除く六騎のサーヴァント達が黒化された状態で召喚されビーストと共に綾香率いる三騎士サーヴァント達と一大決戦を繰り広げる。なお、このアーチャーの正体関してはFate/Grandorderにおけるオジマンディアスの幕間の物語にてアーラシュ本人である事が確定している。
プリズマ☆イリヤ
英霊と呼ばれる者の力が宿ったカード「クラスカード」が元の英霊に近い容姿を取って実体化した姿 。
イリヤ達が暮らしている世界の影にある「鏡面世界」に潜んでおり、クラスカード回収に来た者たちを迎撃する。 また、後の話ではジュリアン・エインズワースによって黒化英霊の大軍が召喚された。
この中でセイバーオルタと黒化したバーサーカー以外の黒化英霊は原作Fateには登場していないプリヤ完全オリジナルの黒化版。(該当者はライダー、アーチャー、ランサー、キャスター、アサシンの6体。)
既に黒化姿が登場した英霊は原作通りのデザインだが、その他は『プリズマ☆イリヤ』用にかなりアレンジされていた。ギルガメッシュは原典の姿よりも大幅に姿が変わっており、その姿は原初の女神を思わせる巨大な物であった。
事実、クー・フーリンとエミヤはFGOのオルタ達とデザインが異なっていたが、彼らはオルタ化の過程が特殊な為、本来の黒化形態はこちらの方が近い可能性もある(プリヤランサーとプリヤアーチャーという別記事が存在する為、詳細はそちらも参照)。
ただし、FGOではアルトリアがクラスによって別々のオルタになっている為、プリヤランサーはクー・フーリンがランサー時に黒化した姿だとも解釈できる。
能力は本来のものより劣化しているが、それでも脅威としては十分。
むしろ魔力の限界、付随被害への配慮等がなくなり遠慮なく全力を投入してくる上に、対処には敵が準備万端の拠点に乗り込むしかない。また「他のサーヴァントと共闘する」等の選択肢もないため、手ごわさで言ったら原作に匹敵しているかもしれない。
登場するサーヴァントは第五次聖杯戦争に登場した者達であるが、アサシンのみ「敵から心臓引っこ抜くイリヤとか見たいですか」という理由により第四次のもの。
Fate/GrandOrder
本作では主に"黒幕側が召喚する敵役"としてオルタサーヴァントが召喚され、主人公達と敵対する。
いずれも誕生経緯が特殊の一言に尽き、人類史に登録されていない存在も多い。
主人公が本来は喚べる可能性すら皆無なはずの彼らを召喚出来るのは、直接接触したことで縁が生まれたため。
Fate/Requiem
この世界ではオルタナティブ・サーヴァントと呼ばれ、黒化した英霊というよりも、不完全な記憶と経験を持つ英霊、或いは正史とは似て異なる人生を歩んだ人格を持つ英霊の可能性のことを指している。
分かりやすく言えば下記のエミヤやアルジュナに近く、作中ではギャラハッド・オルタがこれに定義されている。
公式での黒化英霊
オルタサーヴァント
その他変質サーヴァント
オルタ呼称ではないが、負の側面が意図的に増大しているサーヴァントであるためここに記載。また、類似存在についても記載する。
※1:『聖杯の泥』で汚染され変質した存在。
※2:『聖杯の泥』以外の外的アプローチで変質した存在。
※3:同一人物の別側面ではなく、オリジナルを元に作り出された、またはその姿をコピーした別個の存在。
※4:多くの世界線の中で、その英霊が辿った可能性の一つが反映された存在。
余談
オルタと呼ばれる存在の基準は正式に明言されていないが、Fakeの作者である成田氏のtwitterからルールは存在している模様。
ランスロットはその外見から黒化英霊と勘違いされやすいが、これはバーサーカーとしての側面が反映されたものであり、別に黒化しているわけではない。
黒魔術師ジルやカーミラ、ゴルゴーン、カーリー等も、正しき姿の黒化ではなく、最も凶悪だった時分の姿が召喚されたものである。
また、シャドウサーヴァントは残留霊基又は英霊の霊基を模した偽物である為、オルタではないが、First_orderに登場したメドゥーサ(ランサー)は他の黒化英霊に似た特徴を有していた(一応炎上汚染都市冬木に登場したシャドウは一応黒化した存在という設定ではある)。
この他にも、マリー・アントワネットのシャドウ(諦めたマリー)も別側面(悪女として伝わっている方のマリー)とも言うべき扱いで登場する。
これらシャドウサーヴァントの姿はオルタに近い外見の者が複数いるという事だろうか。
ただし、シャドウアーチャーはエミヤ・オルタにも、プリヤアーチャーにも似ておらず、オリジナルの第2再臨に即した姿となっている。また、漫画版に登場したブーディカのシャドウも通常版とはデザインが異なっている。
黒化以外の手段で『反転』した英霊も確認されており、トリスタンやシェイクスピアなどがそれである。
前者はアーサー王から与えられたギフトで、後者は黒幕の手によって反転している。ただし、シェイクスピアは半分反転されられただけなので平常運転だった。どうやら加減の融通が利くものもあるようだ。
関連タグ
Fateシリーズ サーヴァント Fate黒化 黒化 オルタちゃん
BB(水着):第三再臨はオルタを思わせる要素が多い。
リリィ:英霊の別側面的存在の一つであるものの、こちらは幼少期の姿で表現される事が多く、色はオルタに対して『白』に例えられる。