さて……殺すか
プロフィール
真名 | クー・フーリン〔オルタ〕 |
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クラス | バーサーカー |
性別 | 男性 |
身長 | 185cm |
体重 | 72kg |
出典 | ケルト神話 |
地域 | 欧州 |
属性 | 混沌・悪・地 |
好きなもの | なし |
嫌いなもの | なし |
設定作成 | 東出祐一郎 |
ILLUST | しまどりる |
CV | 神奈延年 |
演 | 加藤将 |
ルーン魔術は己の肉体の補強、身体強化や宝具使用の際の肉体再生のみに使用している。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するバーサーカークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
女王メイヴが願望機である聖杯に「自分と共にあれる邪悪な王のクー・フーリン」を願ったことによって、変転した姿。狂王クー・フーリンとしてアメリカの大地を食い荒らした。彼女からは「クーちゃん」と呼ばれている(カルデアでは「“私の”クーちゃん」)。
生前の狂戦士状態ですらない、本来のバーサーカーとはまた異なる姿での召喚である。
聖杯のバックアップを受けていた時は、無尽蔵の魔力供給によってランサーやキャスターの状態は元より、かの師匠ですら「戦ったら負ける」と断言するほどの強さを得ていた。
第1部5章『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』における災厄クラスのエネミー。また同章クリア後にストーリー召喚に追加される。
漫画版『深海電脳楽土 SE.RA.PH』にも登場。SE.RA.PHに召喚されたサーヴァントの一騎で、あの運命の夜のようにエミヤ・オルタ、イシュタルと戦った。エミヤ・オルタ曰く「どことなく見覚えがある」との事。
真名
ケルト神話のアルスター伝説における勇士、『クー・フーリン』。
赤枝騎士団の一員にしてアルスター最強の戦士であり、異界「影の国」の盟主スカサハから授かった無敵の魔槍術を駆使して勇名を馳せた。通常とは異なりバーサーカーとして現界している。
なお、クー・フーリンにも狂戦士としての伝承は存在する。
「戦場に立つと頭から光の柱がそそり立ち、全身が筋肉の膨張で倍以上に膨れ上がって巨躯を成し、顎は頭ほど肥大化し、片目は小さく顔に埋もれ反対の目が大きく出てくる。目の中に七つの瞳が現れ、全身が赤黒く染まり、髪からは血が滴って湯気が立ち、踝の関節は裏返る」
……と、まさに怪物そのものの姿に変化し、魔獣の如く暴れ狂って、敵も味方もなくことごとく血祭りに上げていったという。
元に戻るには「大樽(桶)一杯の冷水」が必要で、戦場から帰ってきたクー・フーリンに裸の女たちを見せて羞恥で動きを鈍らせ、その隙に冷水の中に放り込むのだという。しかも、一杯目はすぐに蒸発し、二杯目は熱湯に変わり、三杯目でぬるま湯となってようやく治まる。
しかしクー・フーリン・オルタは、ゲイ・ボルクの素材となった「波濤の獣(クリード)」に近い姿をしており、伝承にある異形の狂戦士とは異なっている。
人物
一人称は「オレ」。
メイヴの願いによるオルタ化によって全身の装備が変化し、性格も反転。表情は冷酷、宝具である魔槍も黒混じりの赤となり、禍々しい気配を湛えている。
クラスはバーサーカーだが一応対話可能な程度には理性が残っている。
以前よりも屈強になった肉体と、生気を宿さない虚ろで殺意に満ちた瞳、全身を彩る赤黒い魔術的な紋様の刺青、腕と下半身を覆う魔獣じみた甲冑、無数の棘を生やして変質した魔の朱槍。快男児と言い得た壮健な人格は、ただひたすら戦場を血に染める戦闘機械のように無感動になった。
これらの性質・人格は、メイヴの中に渦巻くクー・フーリンへの強い愛憎が反映された結果であり、「王になる」という点にひたすら偏執したクー・フーリンを生み出したことに繋がった。
簡単に言えば、メイヴによる『わたしのかんがえたさいきょうのクー・フーリン』がこのクー・フーリン・オルタであるため、別側面ではなくメイヴに都合がいいように改造したクー・フーリンというのが正確。
誰をも寄せ付けない傍若無人で圧倒的な暴力、そこから生み出される脅威、即ち「王になる」というシステムそのものとも言える狂王クー・フーリンの王としての行為は、ただ蹂躙し絶滅し尽くすだけである。その在り方は、戦争がもたらす“虚無”と“荒廃”の化身と言い得るだろう。
実際にその暴虐の様を目の当たりにしたラーマからは「魔王(ラーヴァナ)」と喩えられた。
しかし、これでも性格としては本来のバーサーカーよりもマシらしく、そちらは「世界最高にロクでもない代物」らしい。
自陣に召喚された場合、意外にもマスターの命令にはある程度柔軟に対応してくれる。
むしろ恐ろしげな印象とは正反対、「マスターとサーヴァントの在り方」という定義に自身を律義に当てはめようとし、マスターに危機が迫れば特攻も吝かでない姿勢さえ見せる。
これは「狂王として王になるシステム」という性質同様、「サーヴァントというシステム」に自身を置換してそれに準じている故にである。ならばマスターが示すべきものは何か。歩く災厄たる『狂王』を制するのは、他ならぬマスターの判断なのだ。
なお、褐色肌のように見えるが、実際はカードイラストでの周囲の光源の影響により影になっているだけである。コマンドカードやバトル立ち絵では寧ろ色白に描かれているのが確認でき、オルタ化する前より僅かに白い。劇場版『HF』第2章の概念礼装特典のufotableが描き下ろした絵や英霊正装などもしっかり色白に描かれている。
能力
戦闘では、より禍々しい見た目となった魔槍『ゲイ・ボルク』を振るう。
モーション中では、通常時に比べてよりパワフルな動きの槍術を駆使しており、エクストラアタックでは『抉り穿つ鏖殺の槍』と思しい槍の全力投擲も披露している。
ステータス
保有スキル
狂化(EX)(C相当) | バーサーカーのクラススキル。理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。聖杯への願望によって誕生したため、Cランク相当でありながら、論理的な会話は可能。しかし如何なる詭弁を弄しても効果がなく、目的に向かって邁進する以外の選択を行わない為、実質的に敵対者との会話は不可能。 |
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神性(C) | 神霊適正を持つかどうか。太陽神ルーの子である彼は、高い『神性』を有する。オルタ化している為、『神性』が通常よりランクダウンしている。 |
精霊の狂騒(A) | クー・フーリンの唸り声は、地に眠る精霊達を目覚めさせ、そのざわめきによって敵軍の兵士達の精神を砕く事が可能である。精神系の干渉攻撃スキルであり、敵陣全員の筋力と敏捷のパラメーターが一時的にランクダウンする。 |
矢避けの加護(C) | 飛び道具に対する防御効果。魔術に依らない飛び道具は、目で見て回避する事が出来る。これも『狂化』されている為、大幅にランクダウンしている。 |
戦闘続行(A) | 往生際がとことん悪い。獣の執念。重症を負っても戦闘を継続する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の重傷を負っても戦闘が可能。 |
ルーン魔術(B) | 北欧の魔術刻印ルーンの所持を表す。この状態で現界するに当たって、クー・フーリンは『対魔力』スキルに相当するルーン魔術を自動発動させている。 |
宝具
抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B++
- 種別:対軍宝具
- レンジ:5~50
- 最大捕捉:100人
「蠢動しな、死棘の魔槍。『抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)』!!」
ホーミング魔槍ミサイル。クー・フーリン本来の宝具。またしても別の文字が当てられている。
オルタの場合は自らの肉体の崩壊も辞さないほどの全力投擲であるため、通常の召喚時よりも威力と有効範囲が上昇している。
敵陣全体に対する即死(心臓破壊)効果があり、即死にならない場合でも大ダメージを与える。
ルーン魔術によって「崩壊する肉体を再生させながら」投擲しているため、クー・フーリンがダメージを受けることはない(途方もない苦痛を除く)。
詳細は該当記事を参照。
噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)
- ランク:A→A+
- 種別:対人宝具(自身)
- レンジ:−
- 最大捕捉:1人
「殺戮だ。残らずな……」
「全呪(ぜんじゅ)開放、加減は無しだ。絶望に挑むがいい――『噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)』!!」
荒れ狂うクー・フーリンの怒りが、魔槍ゲイ・ボルクの元となった紅海の魔獣・クリードの外骨格を一時的に具象化させ、鎧のように身に纏う。攻撃型骨アーマー。
着用することで耐久がランクアップし、筋力パラメーターがEXになる。
この宝具を発動している最中は『抉り穿つ鏖殺の槍』は使用できない。
また身にまとう爪や角にはゲイ・ボルクに通じる効果があり、敵に突き刺すとそこを基点に四方へ無数のゲイ・ボルクが伸びる。
詳細は該当記事を参照。
燃え狂う死牙の獣(クリード・コインヘン)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
「全呪熾槍――『燃え狂う死牙の獣(クリード・コインヘン)』!!」
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』において、魔神柱ハルファスと融合したことで「魔神クリード・コインヘン」となった状態で使用したオリジナル宝具。
自分を中心に全方位に棘を繰り出して周囲の全てを貫く。
ゲーム上での性能
ステータスはATK:12,800を超える火力特化型。この数値は、実装時点ではトップ、現在もジャンヌ・オルタに次ぐ2位という高さを誇る。
《Quick:1/Arts:1/Buster:3》と、バーサーカーらしいカード配分で、Busterカード3枚によるBraveチェインで驚異的な膂力を発揮する。
ランサークラス時から保持するスキル「矢避けの加護(C)」のおかげで、他のバーサーカーにはない無敵性があり、ATK値を下回るHPでもしぶとく生き残る。
オマケに「戦闘続行(A)」も引き継いでいるので、土壇場での粘り強さも健在。ただ「矢避けの加護」は性能が若干劣化しており、付与される回避効果が3回から2回に減っている。
ヘラクレスも回避スキルだが、あちらは1ターン完全に避ける半面、効果は使用ターンで終了してしまうので、無駄遣いに終わるリスクがあるため、確実性ではこちらが上。敵全体に攻撃とクリティカル威力の低下を付与する「精霊の狂騒(A)」で敵の攻撃性を損なわせることもできるので、結果的に自分の生存力は高まる。
HPの多さと「変化」による防御バフでしぶとさを獲得したヴラド三世とはまた別の角度から生存力の高さを維持しており、これだけの攻撃性を持ちながらヴラド三世同様に“介護要員の必要性が低いバーサーカー”という、ほぼ唯一無二の特性を持っている。
同じ攻撃型のバーサーカーには坂田金時がいるが、あちらは「動物会話」によるNPチャージからの宝具解放という別の特性を有しているため、また運用理論が異なっており、棲み分けは可能。
欠点は矢避けの加護に頼った耐久性であること。
特に必中や無敵貫通、強化解除のスキルや宝具を持っている相手には滅法弱い。
皮肉なことに反転していない自分自身は宝具に必中効果を持っているために苦手な相手になってしまっている。また神性持ちであることから師匠の特攻の対象となってしまっている。
「矢避けの加護」さえ覚えれば割と器用に立ち回れるので、火力の高さと場持ちの良さを活かして、上手く運用していきたい。自己完結した性能であるため組む相手をあまり選ぶことはないがあえて相性のいいサーヴァントを上げるとすればメイヴ。
スター集中率の低いサーヴァント故にメイヴにスターが集中してしまっても特に問題にならず、メイヴの女王の躾の恩恵を最大限受けることができる。
関連人物
生前
かつての宿敵にして、事実上の生みの親。
彼女のクー・フーリンに対する歪んだ願望と聖杯の力が組み合わさり、オルタが生まれた。
自身にとって理想の王でありパートナーでもあるオルタにベタ惚れしている。
一方のオルタは、特別な欲望も感情もない「王という機構」でいることに徹しているため、彼女への態度はひたすらに淡泊。ただし彼女を嫌っているわけではない。
かつての師であり、最大の壁。
戦いではなく、打ち砕き、踏み越え、蹂躙し、彼女に勝つことをこそ彼は望む。勝った後の虚しさなど、それこそ犬に食わせてしまえばいいだけなのだ。
第1部5章では一騎討ちによる激闘を繰り広げるが、最終的に『噛み砕く死牙の獣』によって深手を負わせ、撃退に成功した(ギリギリ致命傷は免れた)。
シナリオ本編では恩師に勝利した彼だが、マイルームの特殊ボイスでは敵ではないことにホッとしたと述べており、本心では戦うことを避けたいようである。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
彼/彼女にも変わらず蛋白な対応だが、サーヴァントとしてのあり方に準じているために従順。
少なくとも此方から裏切ることはないのだとのこと。
2022年ホワイトデーイベント『15人の理知的なメガネたち』にて共演。
オルタ同士ながらもあり方の全く違う両者だが、意外にも割と波長は合う。
余談
キャラ造形
原典である『Fate/stay night』では、第三ルート『Heaven's Feel』で主人公の士郎にとってそれまでのルートで頼もしい味方であり続けたセイバーがセイバーオルタとして敵に回るという、衝撃的な展開が起こる。『FGO』の序章では主人公とマシュにとって頼もしかったクー・フーリンが、5章で最大の敵として出てくるという点では、ある意味それのオマージュとも言えるだろう。
なお、禍々しい巨大な尾と脚部を持ちながら、通常のクー・フーリンとの体重差はわずか2kgである。あの尻尾の中身はスカスカなのだろうか……
ファン間ではオリジナルに合わせて、「兄貴」を意味する「ニキ」を付けた『オルタニキ』又は縮めて『タニキ』という愛称が定着している。
その他、メイヴのせいで黒化していることから汚染されたアニキ、という意味で『汚ニキ』、メイヴに倣って『クーちゃん』、狂化した王という意味で『狂王』と、呼ぶファンもいる。
ちなみに、オルタニキの頭巾のデザインは、古参ファンならどこかで見た覚えがあるハズ。
実は……
黒化したクー・フーリン自体はスピンオフに先駆者がいる。通称ワンサー。
こちらはクリードではなく猟犬そのものに姿を変えることが可能。だが作中の黒化英霊たちは知性や理性がほとんど消失し、サーヴァントとしてのパワーも本来より下がってしまっている。
出番はルビーがバゼットの説明をした時の回想シーン、しかも倒された後という出オチ。恐らくランサーとしてのオルタがこちらで、バーサーカーとしてのオルタがタニキという事かもしれない。
ぶれない立ち位置
このサーヴァントほどではないが、カルデアに召喚された後も比較的シリアスなキャラはあまり変わらずギャグイベントへの出演は比較的少なめ。『Fate/Grand Carnival』ではリソース不足を解消するためにネロが企画したオリンピアに参加する気満々であり「今回は⭐︎3以下のサーヴァントは参加できない」というルールにより別側面や別世界の自分が強制退場させられる中、最高レアリティであるオルタニキはそれを免除…のはずが、
オルタニキ 「おい待て!俺は⭐︎5だぞ!?」
ぐだ子「いやあ、クー・フーリンはちょっと増え過ぎ…」
オルタニキ 「うわああああっーー!?」
ぐだ子「クー・フーリンが死んだ!」
マシュ「この人でなし!」
…と、⭐︎5にもかかわらず「増え過ぎだから」というなんとも理不尽な理由で強制退場、出オチになる珍しいギャグシーンが描かれた。…それを言うならこの人の方が増え過ぎだが…。
関連イラスト
関連タグ
Fate/GrandOrder バーサーカー(Fate) サーヴァント 黒化英霊
- ランサー(Fate/staynight):ランサーで召喚された場合。
- クー・フーリン(キャスター):キャスターで召喚された場合。
- 旧ランサー:若い頃のクー・フーリン。クラスはランサー。
- ミニクーちゃん:『プリズマ・コーズ』に登場するマスコット化した姿。