たまらねぇ。たまらねぇなあ、オイ!
腹の足しにもならねぇ騎士道の最後の華! 騎士の中の騎士が、テメェのような優男だったとはな!
プロフィール
真名 | クー・フーリン〔プロトタイプ〕 |
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クラス | ランサー |
性別 | 男性 |
身長 | 184cm |
体重 | 71kg |
サーヴァント階位 | 第四位 |
出典 | ケルト神話 |
地域 | 欧州 |
属性 | 秩序・中庸・天 |
好きなもの | 猟犬、いい女 |
嫌いなもの | 不運をもたらす女 |
設定担当 | 桜井光、奈須きのこ |
ILLUST | 中原 |
CV | 中井和哉 |
概要
『Fate/Prototype』に登場するランサークラスのサーヴァント。
マスターは玲瓏館美沙夜。サーヴァント階位は第四位。
公式での愛称は「プロトランサー」または「プロト」。
pixivでタグ登録数は「旧ランサー」の方が多いため、こちらを主記事とする。
だが、ファンの間では「『Prototype』の兄貴」から取ってプニキ(些か危なっかしい)、あるいは「若い兄貴」から取った「若ニキ」という愛称が浸透している。クー・フーリンの幼名であるセタンタと呼ぶ者も過去にはいたが、原典では6~7歳までの名であるため殆ど定着していない。後に『Fate/Grand Order Arcade』でセタンタが正式実装されたため、こう呼ばれることは無くなった。
美沙夜の指示でマスター候補である沙条綾香を殺害しようとするが、セイバーの召喚に遭遇し、撤退。その後もセイバーと幾度となく刃を交える。中盤の終わり頃、美沙夜が愛歌から受けた呪いによって堕天し屍人と化したことで、彼女の死の呪いを解除し、殺害する事を条件としてサンクレイドにセイバーを奪われた綾香に協力することとなる。
真名
ケルト神話のアルスター伝説における勇士、『クー・フーリン』。
太陽神ルーの血を受けた『光の御子』であり、異名はクランの猟犬。同じ真名で召喚されるランサーとは同一人物のようではあるが――肉体も精神も、若干「あちら」よりも年若い。
人物
一人称は「俺」、または「オレ」。
荒っぽいが筋は通す若者然とした性格。正義も悪党も「どちらが上か」などと口にしないが、根はどちらかと言えば正義よりで、ぼやきながらも美沙夜の皮肉を軽く受け流す度量も持つ。
オフの時は着崩したスーツ姿で、アイリッシュパブを思わせる店でタバコを燻らせている。
美沙夜からは何かと小言を言われ、こき使われている。だが彼女の立振る舞いが恩師であるスカサハを、顔立ちや仕草は生前に争ったメイヴを思い起こさせるために、口にこそ出さないもののマスターに相応しい女として忠誠を誓っている(→旧槍美沙)。
「歳は二十歳ぐらいで、世の理不尽、善悪の等価値さなどを飲み込める『stay night』のランサーほど大人ではない。そういった意味でいうと衛宮士郎に似通っている」と評されており、士郎のキャラクター造形にも影響を与えている。師スカサハに対する感情、想いについては、「あちら」のランサーよりも心の内を幾分か大きく占めている。若さ故か、時期故かは不明。
まさしく世の理不尽、善悪の等価値さを認めることが出来ずにいるのか――人類史の修復に挑むマスターの存在を、彼は好ましく思うだろうし、力を貸すのにもやぶさかではないだろう。
ただし、注意すること。同一の真名を有する「あちら」のランサーも同じ反応とは限らない!
戦士として成熟した「あちら」と比べると、若さゆえか斜に構えて気取ったような態度が目につく。あくまで自分は積極的ではないと、相手からの詮索を防ぐために心的距離感を開けているが、根は熱くなりやすく、またマスターを煽って自分がそれに乗っかれるよう仕向けるなど、割と自分本位で調子が良いところがある。要するに「まだまだ青臭さが抜けず落ち着きが無い」のである。
能力
「クランの猛犬」の名に違わぬ槍の使い手で、初戦は急造品の槍を使わされたことで敗退したが、マスター差もあり本来はセイバーに匹敵する実力者。ルーン魔術も「あちら」同様使いこなす。ルーン魔術の他に、ドルイドの知恵が源流である黒魔術にも造詣が深い。動物使いでもあり、面倒見が良いため美沙夜が飼育している犬の使い魔たちとの相性も抜群。
同じ真名で召喚されるランサーに比べて重装な鎧を装備。それでも敏捷パラメーターは「あちら」を上回るA+。体の性能差ではなく、年若いが故の前のめりな精神性が幾らかの差を導くものとも考えられる。また、幸運はワンランク高いのに、奈須氏曰く『Prototype』の展開上、『stay night』のランサーより不幸度は上になるとの事。この人でなし!
ステータス
保有スキル
対魔力(C) | ランサーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。詠唱が二節以下の魔術を無効化可能となる。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は無効化出来ない。 |
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神性(B) | 神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされ、Bランクは半神半人を意味する。ケルト神話の太陽神・ルーの息子。 |
ルーン魔術(B) | 師スカサハから与えられた北欧の魔術刻印、ルーンの所持。これを使い分ける事により、強力かつ多様な効果を使いこなす。攻撃以外で主に使用するのは『対魔力』スキル相当の効果、『千里眼』スキルの効果、パラメータを上昇させる効果等だが、これらは一時的なものであり、同時複数の使用は出来ない。 |
矢避けの加護(B) | 飛び道具に対する対応力。使い手を視界に捉えた状態なら、いかなる遠距離攻撃も避ける事が可能。超遠距離からの直接攻撃や広範囲の全体攻撃は対象外。 |
獣殺し(B+) | 魔獣及び野生生物に対しての特効効果を示すスキル。獣の性質をよく把握しているクー・フーリンは、同時に獣の殺し方についても熟知している。 |
宝具
穿ちの朱槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B→B+
- 種別:対人/対軍宝具
- レンジ:2~4/5~40
- 最大補足:1人/50人
「そんじゃ、上げていこうか!」
「穿て、抉れ、ブチ抜け!『穿ちの朱槍(ゲイ・ボルク)』!!」
クー・フーリンが師匠スカサハから授かった朱色の槍、および必殺の槍術。槍の持つ因果逆転の呪いにより、真名解放すると「心臓に槍が命中した」という結果を作ってから「槍を放つ」という原因を作る。『stay night』のランサーが使う『刺し穿つ死棘の槍』のオリジナルであり、効果はほとんど変わっていない。対人刺突、対軍投擲、の二種の攻撃法を持つという点も同一である。
詳細は該当記事を参照。
他作品での活躍
カプセルさーばんと
プロト勢も参戦し、主人公である沙条綾香を筆頭に旧セイバー、プロトアーチャーそしてプロトライダーですら出たのに、なぜかプロトランサーだけいなかった。幸運Dでもやっぱり悲惨である。
Fate/Grand Order
そんな待遇に同情されたのか、今作では2015年8月31日に『Prototype』サーヴァントで1番早く実装された。レアリティは☆3。『Prototype』時の記憶は明確に保持しており、美沙夜にかけられた槍の封印を今作でも引きずってしまっている(宝具開放の時は元に戻る)。
ゲーム上での性能
「あちら」と比較するとステータスはほぼ真逆で、こちらの場合はHP10,000を僅かに超える耐久型に分類される。カードは《Quick:2/Arts:1/Buster:2》と、ランサークラスそのものの配分。
スキルはキャスター状態と「あちら」の中間で、初期スキルに「ルーン魔術(B)」、霊基再臨で「矢避けの加護(B)」、そして固有スキルとして「獣殺し(A)」を習得する。
生存力に全振りしたかのような「あちら」に対し、クリティカル威力UPでの間接的な火力強化、〔猛獣〕特攻という攻撃的な特性が乗っかており、生存力と攻撃性をある程度両立している。
宝具の種別はQuick。効果は【敵単体に超強力な攻撃&防御ダウン&中確率で即死】。性能は「あちら」と同等。オーバーチャージで、さらに倍率を上げるられる点も同じである。2021年8月5日にて宝具強化され、Quickカード性能をアップ+防御力無視が追加され、宝具と性能が差別化された。
欠点は「あちら」より打たれ弱い点と、「獣殺し」の使いどころ。この「獣殺し」、ゲームの仕様のせいでザコ敵でも明確に「猛獣獣属性」と判別できるか微妙なので、イマイチ使いどころに困ってしまう。特に対サーヴァント戦では対象が少ない上に、ケモノ耳持ちの玉藻の前や通常のアタランテは何故か対象外と余計に謎であり、効果を発揮し辛い。しかし昨今、分かりやすく「猛獣属性」とわかるキメラ等のレア素材をドロップする強敵が増えており、使い勝手は上がっている。
『サーヴァント強化クエスト第5弾』にて、ピックアップ対象に抜擢。「獣殺し」の強化が実装され、【自身に3ターン〔猛獣〕特攻付与&スター集中率UP】となった。この強化で「ルーン魔術」をより効果的に使用でき、特攻対象がなくとも腐らないスキルに化けた。もちろん、特攻対象がいるとより鋭さが増し、たとえ相手がキメラだろうと容赦なく葬り去れるようになる。
また、1.5部である『Epic of Remnant』以降、猛獣エネミーにオオカミ系、ヒュドラ系、シャンタク、ヤガが新たに追加された。第2部に当たる『Cosmos in the Lostbelt』がスタートしてからはサーヴァントにもアタランテ・オルタ、イヴァン雷帝、赤兎馬と猛獣特性持ちが次々に登場しており、少しずつではあるが「特攻対象が狭い」という印象は薄れつつあるようだ。
「あちら」と「こちら」を戦術次第で使い分けて、より安定して勝利を目指せるようになろう。
Fate/EXTELLA
本人は未登場だが、あちらのランサー用の有料DLC衣装「ヤングランサー」として登場している。
関連人物
生前
槍を始めとした武芸と魔術の師匠。基本的な関係性は他の自分と変わらないが、『stay night』の成熟した自分と比べると彼女との関係を割り切れていない節がある。
宿敵の一人であるコノートの女王。
嫌いなものとして上げているが、一応思うところはある模様。
Fate/Prototype
契約したマスター。
気質は正反対ながらも、自身が関わった女達を思い出すため気に入っている。
……とはいえ、宝具の槍を封印されたことには不満タラタラ。
敵マスターの一人。
一回殺しかけたが、共闘する内に信頼関係を築いていく。
彼女からは、「野蛮人であるが、一番話の分かる人」という認識。
敵対するサーヴァント達。
ギャグ時空では、綾香を巡って男子高校生めいた争いを繰り広げる。
Fate/Grand Order
この世界で契約したマスター。
善寄りの気質の彼/彼女とは関係性が良好。
余談
『FGO』で生前の知人からのコメントが無かったり、若干しか年齢が変わらないにもかかわらず「あちら」と声優が違うことや、宝具のルビが違ったり、マテリアルなどでもどこか歯切れの悪い説明をされているなど、『stay night』のランサーと同一存在かそうでないかは現状どちらとも言えない(「別世界の同一人物」とも普通にとれる)。
アーサー王、ペルセウス、ギルガメッシュが明らかに別人のプロト時空出身のサーヴァントなので、『FGO』開始前は間違いなく別人だったと思われるが、『FGO』が開始してからはセタンタの容姿にプニキの要素が入れられるなど同一存在の傾向にはなっている。
外見年齢は20歳くらいという設定であるが、この年齢は原典で言えばクーリーの牛争い真っ只中の年齢である。つまり、メイヴとの因縁が始まった時。
「あちら」と違い全身タイツではなく鎧を着ている。ケルトの戦士は裸で戦うというのが有名であるが、それは下級戦士のみの話で身分の高い戦士は鎧を着る。また装飾品をかなり好み、ブレスレットや指輪、マント、ブローチ等で着飾るのが通例。『旧Fate』のクー・フーリンの顔デザインはオールバックに前髪たらしで、プロトタイプだがデザインは『旧Fate』とは違う。というより、『stay night』のクー・フーリンのデザインが『旧Fate』のイメージのままとのこと。