「僕はね、正義の味方になりたいんだ」
プロフィール
身長 | 175cm |
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体重 | 67kg |
誕生日 | 11月11日 |
星座 | 蠍座 |
血液型 | AB型 |
イメージカラー | 灰色 |
特技 | 射撃、破壊工作 |
好きなもの | 効率 |
苦手なもの | 家族愛 |
天敵 | セイバー |
CV | 小山力也 / 入野自由(少年時代)※ |
演 | 新木宏典 |
人気投票 | 11位(男性4位・型月10周年記念) |
※青年期(ナタリアの助手をしていた頃)は、ドラマCD版では入野氏、アニメ版では小山氏がそれぞれ担当している。
概要
『Fate/staynight』の主人公・衛宮士郎の養父であり、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの実父。
『Fate/Zero』では主人公を務めており、セイバーのマスターとして第四次聖杯戦争に参加する。
くたびれたコートに硝煙と煙草の臭いを纏った魔術使い。目が死んでる(幼少期は目が死んでいなかった)。
人物
多数を救う為に少数を切り捨てること(愛するものが含まれても)を絶対の信条・手段として徹し続けることになった殺し屋。
人々の幸福と世界の平和を本気で願う理想主義者にして、そのためには徹底的に冷酷非情になり、悪の側に立つことも厭わない現実主義者。
それ故に父親のみならず、師・相棒・義理の親同然でもあったナタリアまで手にかけてきた。
しかし、本来は家族や友人、ひいては人間そのものを愛する心優しい感性を持つ男であるため、こういった己の信条を執行するたびに罪の意識と喪失の痛みに苦しみ続け、涙を流す。また、ホテルを爆破した際には客を外部へ避難させるよう取り計らうなど最低限の良心はある。
奈須きのこなど公式サイドが士郎のことを「人間のフリをするロボット」と評することがあるため、それに倣いファンの間で彼は「ロボットのフリをした人間」と評されることも(当然公式ではない)。
「戦場には綺麗ごとなど一切存在せず、地獄以外の何物でもない」という考えを持つため、「人々を争いに駆り立てる存在」という英霊の概念そのものを忌み嫌っており、信条の実行のためなら手段を選ばないという面も合わせてセイバーと相容れることはなかった。
しかし、彼の理想ひいてはその原点となった思いはまぎれもない『正義を求め、英雄を信じる者』のあり方に他ならず、セイバーにそれを指摘されて表情を歪ませていた。
実際、彼のあり方はダークヒーローと呼んで差し支えないものである。
『Fate/Zero』の物語において、その戦歴をアインツベルンに買われ第四次聖杯戦争に参加する。聖杯に託す望みは「戦いの根絶」「恒久的な平和の実現」。そのためならば、目的の為に採った手段などを理由に悪と看做されても構わないという内容を語っている。
しかし、「闘争」とは間違いなく人間の本質の一側面であり、その否定はすなわち人間の否定に他ならない。本気で闘争を根絶するなら、それこそ人間を根絶するも同然であり、切嗣の理想は理想として破綻していることを言峰綺礼に指摘されている。
第四次聖杯戦争ではアインツベルンの提供した触媒によってセイバーを召喚したが、本人はキャスターかアサシンを望んでいた。実際、アサシンのサーヴァントには私情を持ち込まない人物が多く、そういう意味でも相性が良い。(もっとも、Fake版アサシンとは例外的に相性がかなり悪いが……。)
また、策を講じることで真価を発揮するサーヴァントとの相性が良かったのは事実だったと思われる。
呼称は基本的に「切嗣」や「切嗣さん」だが宿敵・言峰綺礼は多くをフルネームの「衛宮切嗣」もしくは「あの男」と忌み、士郎からは「親父」および色々あって老けすぎた振る舞いを無邪気に「じいさん」呼ばわりされたり、日本語発音が苦手な者は「ケリィ」。
時に外伝作品では「キリちゃん」などと馴れ馴れしく呼んでくる奴が居たり。
略歴
『Fate/stay night』
5年前に亡くなっているため、衛宮士郎の回想シーンにのみ登場する。
だが、亡くなる直前の士郎とのやり取りは、二人にとって大きな意味がある。
第四次聖杯戦争での事については、セイバーと言峰綺礼の口から断片的に語られるのみで、どちらも子細は違えど非情な人物であったと評している。
『Fate/Zero』
魔術師の家系である衛宮家の五代目継承者。
幼い頃は子どもらしく漠然と「正義の味方」に憧れるだけの普通の少年で、父・衛宮矩賢が魔術協会より封印指定された事から世界各地を転々としており、ある時に「アリマゴ島」と呼ばれる南国の島に隠れ住んでいた。
逃亡生活ではあったものの、美しいその島を気に入った切嗣は島民の人々とも仲良くなり、父の助手を務める島民の少女シャーレイに初恋をするなど、ささやかながら幸福な生活を送っていた。
だが、彼女は矩賢の研究の有用性を証明するため、勝手に試薬を持ち出し死徒化してしまう。
わずかにまだ残っていた理性で「殺して欲しい」と彼女は懇願するも、切嗣はずっと一緒にいると約束してくれた大切な家族以上に大事な人を殺せなかった。
しかも彼が島の教会の神父に助けを求めたことで、聖堂教会と魔術師協会が介入する事態にまで発展。その結果、アリマゴ島は死徒と代行者と魔術師が跋扈して殺戮を繰り広げる惨劇の島と化し、島民たちは老若男女関係無く皆殺しにされ、村は壊滅する事になる。
混乱の中で偶然、魔術師専門の殺し屋である女性ナタリア・カミンスキーに出会い、父の研究を放っておけばいずれ新たな犠牲者が増えることになると考え、自らの手で父親を殺害する。
この一件により、切嗣には「愛する人を殺せなかったために大勢の人間を死に追いやった」という、強烈なトラウマが刻み込まれてしまう。
その後、切嗣はナタリアに師事するが、彼女のパートナーとして世界を巡る中で、父のように周囲を巻き込む異端の魔術師達の所業を幾つも目の当たりにしたことで、世界は常に危機に晒されており、自分の経験した惨劇など虚しいくらいにただの瑣末事でしかなかったことを思い知る。
自分が父を殺したことに意義と価値を見出すためにも、父と同類の魔術師達を全て殺し尽くすしかないと考えた切嗣は、ナタリアの仲介で協会が父の遺骸から回収した魔術刻印の一部を継承し、人に仇なす魔術師を狩る生き方を決める。
こうして幼い頃からの夢であった「正義の味方」は少しずつ歪んでゆく。
そんなある日、二人はオッド・ボルザークという魔術師を始末する仕事を受諾。
飛行機の中で難なく暗殺に成功したナタリアであったが、ボルザークの死後に彼が飼っていた「死徒蜂」が暴走して機内の他の人間たちを次々とグールに変えてしまう事態に陥る。窮地に立たされながらも、どうにか飛行機のコントロールを奪取したナタリアは、地上にグールの群れを解き放つ危険を承知で不時着させようとした。
だが、ボルザークの遺体回収のために先回りしていた切嗣はこの危険性を承服できず、今度こそ多くの人が犠牲になるのを防ぐべく、愛する育ての母を手に掛ける選択をとるのだった...。
信念のために2人目の親すら手にかけた青年の悲しい慟哭が響き渡った…
「うわああああああッ!!ふざけるな、ふざけるな!!バカ野郎ッ!!!」
死ぬ理由の無い者たちを理不尽な死から救うため、死ぬしかない誰かを殺す。顔すら知らない大勢を救うため、愛する誰かを切り捨てる。
正義の代償、理想の代価……切嗣はもう止まれなくなった。止まったら追い求めたものは無になる。支払った代価も積み上げた犠牲も無価値になってしまう。
その選択は彼を追い詰め、それまでの犠牲を無駄にしないためにさらなる犠牲を積み重ねる修羅の道を突き進むこととなる。
ナタリアの死後は、「魔術師殺し」と呼ばれる傭兵じみたフリーランスの魔術使いとして独立。
その傍らで、まるで死に場所を求めるかのように各地の戦場へ、戦況がもっとも激化し破滅的になった時期に傭兵として赴き、殺戮によって紛争を鎮静化していった。
人間を愛しているのに、それ故に人間を殺し続けなければならない自己矛盾に軋む心を必死に押し殺し、己の理想を呪いながらも切嗣は戦い続けた。
誰も取り零すことなく全てを救う「正義の味方」「英雄」に誰よりも憧れていたのに、その理想を追えば追うほど、それは不可能である現実を思い知らされてきた。
結局のところ「誰かを救うこと」とは即ち、「救えない誰か、救わない誰かを選別して切り捨てる」というエゴイズムであり、エゴを振るいながら称賛される「正義の味方」も、人々を煌びやかな伝説で惑わして戦場という地獄に誘う「英雄」も、既に憎悪の対象でしかなかった。
だが、どれだけ死体を積み重ねようが、たかが一人の頑張りでその時限りに世界は救われてもそれ以上に善くなる筈も無く、やがてそんな不可能を可能とする奇跡を追い求めるようになる。
その後、放浪の果てに聖杯によって自身の理想を成すためにアインツベルン家へ接触する。その戦歴をアインツベルンに買われた彼は、共同で第四次聖杯戦争に参加することになる。
開戦以前にアイリスフィールと夫婦になり、娘のイリヤスフィールをもうけている。
聖杯戦争が始まるまでのこの9年間は非常に穏やかなものであったが、それとは裏腹に切嗣の心は責め苛まれるばかりだった。
何故なら全てを救うために全てを捨てることを決意したはずなのに、妻と娘を本当に心から愛してしまったから。そして、己の理想の対価としていつでもその情愛を喪ってしまうことを覚悟し続けなければならなかったから。
聖杯戦争の開戦直前、アイリと自分が死んでイリヤが独りになる可能性もあると分かっていたが、既にイリヤが母とは二度と会えないと理解し、父である自分の帰りを早くも待ち侘びているのを見た切嗣は、たまらずに「イリヤのことを待たせたりしない。父さんは必ずすぐに帰ってくる」と彼女と約束をする。
戦争終盤に聖杯の正体に触れ、聖杯が万能の願望器ではない呪われた存在だということを悟り、愕然。令呪によってセイバーに聖杯を破壊させた。
しかし、それでも漏れ出た呪いの泥によって後に「冬木大火災」と呼ばれる大災害が引き起こされ、大量の犠牲者を出してしまう。
この世全ての悪を担うことを覚悟し、愛する人をも切り捨ててきたのに、自分たちの戦いのせいで死ぬ必要の無かった大勢の人々が無為に死んでいくという、切嗣にとってまさに悪夢のような事態であった。
絶望的な状況の中、無我夢中で生存者を捜し、たった一人幼い士郎を救出する。士郎のモノローグによれば「何かに感謝するかのように『ありがとう』と言った」らしい。
そしてしばらく時間が経過した後、士郎が入院していた病院を訪れ彼を養子として引き取る。
その後は、かつての冷酷な戦闘機械としての顔は影を潜め、引き取った士郎や近所の極道の娘さん達とともに戦場に縁のない余生を過ごす。
たびたび士郎には「旅行」と偽りアインツベルンを訪問するが、アインツベルンを裏切った切嗣を森の結界は決して通さず、娘のイリヤとの再会は二度と叶わなかった。(なお、切嗣を慕っていた大河はパスポートを発行してまで「旅行」に着いていくことを望んだが切嗣はその気持ちを嬉しく思いつつもやんわりと申し出を断っている)。
そして聖杯の泥によって肉体が廃人同然まで衰弱していたため、五年後に眠るように息を引き取る。最後には士郎に対し、自らが叶えられなかった「正義の味方になる」という士郎にとっては夢であり呪いにもなる目標を託して逝った。享年34歳。
何が起ころうと「小を切り捨て大を救う」という信念に従い、そのために最愛の家族すらも手にかけ、凄惨な戦いを続けた男は最後には穏やかに義子(むすこ)に看取られる形でその波乱に満ちた生涯を終えたのだった。
戦いの中で何かを成し遂げることも勝ち取ることもできなかったが、聖杯戦争終了後は残り少ない余生を静かに幸せに過ごせたこと、そして、義子が自分の理想を自分とは違う形で叶えるだろうという安堵を得たことは、彼にとってせめてもの救いだったのかもしれない。
能力
起源は「切断」と「結合」。魔術属性はそれぞれの起源に関連した「火」と「土」の二重属性。
マスターとしての適性はノーマルだが、魔術師の常道の裏をかくため、爆破テロや狙撃といった魔術師が忌避する戦術と手段を多く用いる。「魔術師殺し」の異名はそれ故。
こうした手段がハマる学者肌の典型的な魔術師ばかり狙っていると思われていたが、後のスピンオフによれば、軍人染みた武闘派の魔術使いも容赦なく倒していったらしい。
また、聖杯戦争においては、マスターを失ったサーヴァントと令呪を残したマスターによる再契約を警戒し、マスターとサーヴァントを同時に仕留めるよう動いている。
なお彼が暗躍し過ぎたために、以降の時代ではこうした手口に対する対策が進んでいるとされる。
魔術礼装として改造された銃トンプソン/センター・アームズコンテンダーと魔弾「起源弾」を用いる他、標的となる魔術師の性質に合わせた武器や火器を用いる。
第四次聖杯戦争では携帯し易さと装弾数の兼ね合いから通常火器にワルサーWA2000とキャリコM950、その他ナイフに爆発物を使用している。
固有時制御(Time Alter)
衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用したもの。
本来儀式が煩雑で大掛かりな大魔術なのだが、「固有結界の範囲を体内に限定し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。
問言は「time alter ◯◯ accel(加速)またはstagnate(停滞)」。◯◯には倍率を示す単語が入る。
なお、固有時制御を解除した後に世界からの「修正力」が働くため、反動によって身体に相当の負担がかかる。この弱点を考慮し、通常は2倍速(ダブルアクセル)か3倍速(トリプルアクセル)程度の使用にとどめている。「全て遠き理想郷」を体に埋め込んだ時には4倍速(スクエアアクセル)まで使用したが、それ以上の加速が可能かどうかは不明。
起源弾
粉状にすり潰した切嗣自身の肋骨が込められた弾丸。撃ち抜かれると、「切って」「嗣(つな)ぐ」という切嗣の起源が発現し、作られた傷口がすぐ塞がれる。しかし、傷口を無責任に繋いだだけなので修復されているわけではない。つまり不可逆の変質と破壊であり、これによる傷は外見上は塞がれたように見えても二度と元通りには治らない。
特に魔術を撃ち抜いた場合は、魔術回路にまで効果が及ぶ。したがってその魔術を行使した術者の魔術回路は全て切断された挙句、滅茶苦茶に繋げられる。こうして魔力が走ったままショートした魔術回路は、発動中の魔力の強さに比例した破壊のフィードバックを肉体に齎し、最悪再起不能の致命傷を与える。「魔術師殺し」の真骨頂である。
防御するには魔術を使わず物理的に防がなければならないのだが、それが事実上不可能な「トンプソン・コンテンダー」から発射されるという、凶悪極まりないガード不能技である。
なお、弾数は合計66発存在。この内、切嗣は第四次聖杯戦争までに37発を消費し、1発の撃ち損じもなく37人の魔術師をこの初見殺しで消滅させてきた。
奈須きのこ曰く「RPG的に言うならば相手の保有するMP数値がそのまま肉体へのダメージ数値になるようなもの」のようで、HP100でMP3000のケイネスにとっては致命的だが、HP50でMP5のウェイバーにとってはさほどのダメージにはならないとのこと。
あくまで魔術を発動し、魔術回路を動かしている敵に撃ち込まねば必殺の効果にはならない。そのため、ケイネス戦では彼を仕留めるため本気の力で魔術を使わせるよう挑発的な戦い方をしていた。
だが、言峰綺礼に命中した初弾はまったく効かなかった。これは令呪で強化された黒鍵の刀身によって小銃弾自体の威力が削がれたことに加え、その令呪は彼の肉体に作用する前に回路ごと消滅する「使い捨ての外付け」にすぎず、弾の呪いが魔術師に届かなかったため。
ちなみにアニメ版の海外向けニコニコ動画放送用についた英語字幕では「The origin shot」と訳されていた。
『Fate/GrandOrder』ではレアリティ5の概念礼装として起源弾が実装されている。
効果は「キャスタークラスの敵へのダメージを35%付与」という正に魔術師殺しの異名を再現した性能で、ライダークラスのサーヴァントとの相性は抜群であるが…。
起源弾を発射するための銃。実在する銃である。非常にシンプルな構造で、バレルといくつかのパーツの交換だけで拳銃弾からライフル弾まで様々な弾種を使用できるのが特徴。
構造上マガジンが無く自動排莢機能も備わっていないため、一発撃つたびに手動で排莢と再装弾をする必要がある。その分頑強な作りで、隠し持てる拳銃サイズの銃から自動車の外板をぶち抜く貫通力の大口径弾を楽々発射できる。
前述の通り起源弾の弱点は物理的に停弾されることで無力化する点だが、素の破壊力を魔術抜きでの防御が不可能なレベルに上げる事でカバーしている。これがコンテンダーを採用した最大の狙いである。
一方で連射が不可能なため乱戦には向かず、一対一で仕留め損じると途端に苦しくなるという致命的な弱点も存在する。言峰との戦闘時も令呪によって初弾をいなされてしまったために再装弾のために固有時制御を使って無理矢理対処していた。
射出用の愛銃コンテンダーは.30-06スプリングフィールド弾仕様だが、実銃では.30-06弾を使用可能なモデルはまだ無かった。一回り大きなアンコールであれば.30-06弾のようなフルサイズカートリッジが使用可能だがZEROの時代はまだ発売しておらず、公式イラストで切嗣が携えている銃はアンコールではなく、可変サイトのコンテンダー。後の2000年代に作られたアップデートモデル「G2コンテンダー」は、90年代と推測されるZEROの時代ではまだ存在しておらず、フルサイズカートリッジにも対応していない。よって、ZEROで切嗣が使っているのは彼の手で改造されたコンテンダーの規格外カスタムと考えられる。
自己強制証明(セルフギアス・スクロール)
厳密には彼の能力ではなく、一度結んだら最後、違約する事が出来なくなる呪術契約の一つ。
違約した者は呪われ、違約行為を止めない限り、呪いが永続的に体を蝕んで死に至らしめる。
ケイネス陣営を聖杯戦争から脱落させるために使用。その条件として令呪全角を費やしてランサーの自害を要求し、切嗣がケイネス陣営の殺害・傷害行為の一切を禁じる事を取り付けた。
かくして、ランサーは自害。無事にケイネスも第四次聖杯戦争から降りる事になった…はずであったが、あくまでも切嗣本人による行為を禁ずるというだけで、切嗣陣営の誰かが手を下してはいけないとは書かなかった為に、舞弥によってケイネスは致命傷を負わされてしまった。
この証文の本質は再契約などのリスクを考慮し、ランサーとケイネスの双方を徹底的に潰すためのものである。よって、最初からケイネスらを見逃すことはあり得なかったものと思われる。
呪術契約は原作である『stay night』にも登場しており、桜ルートである選択肢を選ぶと凛が士郎に行使する。
また、この証文自体も『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』や『Fate/Apocrypha』に登場。
前者は伊勢三玄莉(伊勢三杏路の父)と当代の玲瓏館当主(玲瓏館美沙夜の父、本作における遠坂時臣のポジション)により締結されるも、玲瓏館陣営のサーヴァントの裏切りにより、契約違反と見なされた。
後者は獅子劫界離が黒の陣営に協力する際に使用を提案したものの「そこまでせずともいいでしょう」と黒の陣営の当主のフィオレが答えたことでお流れとなっている。上述した切嗣のように、「契約自体が罠」「予め抜け穴を用意して実質踏み倒す」といった計略に利用される危険性を考慮したものと思われる。
関連人物
stay night
聖杯戦争後に引き取った養子の少年。自身に向けられた憧れの眼差しに不安を抱くものの、最期は彼の言葉に安心し、この世を去った。
最愛の娘。聖杯戦争後、切嗣が彼女と再会する事は最期までなかった。
第四次聖杯戦争のサーヴァント、バトルに限定すれば良いパートナーであり、連携も完璧だったが、直接声をかけられたのは3回のみ(つまり令呪の命令)という徹底ぶりの結果、お互いの心情や人となりなどを知る事はついぞなかった。
第四次聖杯戦争の参加者にして最大の宿敵。
彼の本質と自分は真逆なものであるため、互いの存在に決して相容れる事はない。
お隣さんの娘。初恋の相手に似ていた事から、かなり甘やかしてしまったらしい。
ちなみに強運の持ち主なだけあって、切嗣と関わった女性の中で唯一不幸に見舞われずに存命している――と思われていたのだが子宝を得た筈のとある世界線では皮肉にもその手に切嗣と同じ得物を握り衛宮の名を持つ人物によって――
Zero
最愛の妻。自分の悲願のために殺す事となる彼女に、最大の親愛と負い目を感じていた。
※『Zero』と『stay night』ではキャラクター設定や関係性が少し異なるためここでも記述する。
サーヴァント。根っこの部分で通じるものはあったものの、召喚前から「性格的に相容れることが断じて無い」と確信していたため終始別行動に徹し、言葉をかけたのは令呪使用によるたった3回だけであった。
最後までお互いに相手を知ろうとすらしなかった結果、セイバーは自身の存在さえ否定するようになるほどのトラウマを抱えてしまう。
※『Zero』と『stay night』ではキャラクター設定や関係性が少し異なるためここでも記述する。
セイバー陣営を苦しめた最大の宿敵。彼の本質を「失うものがあっても恐れず、自ら放棄する虚無」と見抜いたことで、失うものに執着する自分とは正反対の強さを持つ彼を危険視すると共に恐れてもいた。
戦闘時に魔術回路をあまり使わず、鍛錬によって鍛え抜かれた肉体を最大の武器とするため、戦闘面での相性も悪かった。
部下兼愛人。「衛宮切嗣」を構成する部品として戦いの技術や知識を教え込んだ助手。
師匠であり相棒であり母親のような存在であった女性。
やむを得ない理由があったとはいえ彼女を手にかけた瞬間から、彼の血で血を洗う修羅の道は確定してしまった。
実父。目的のためには手段を選ばない典型的な魔術師だったが、息子切嗣のことは父親として人並みに愛していた。
切嗣も、厳格だけど優しく偉大な父と誰より敬愛していたのだが、最後はその手にかけた。
初恋の人。最初は父に寵愛される彼女を疎ましく思うも、絆されるのに時間はかからなかった。良くも悪くも、切嗣の在り方を決める原点となった。
敵サーヴァント。上述のような酷たらしいやり方で退場に追い込んだ。
そのやり方は騎士道を尊ぶ彼には屈辱以外の何者でもなく、『Grand order』で再登場した際には根に持っている様子を見せた。
アインツベルン城での戦いでケイネスを回収しに参じた際には下手をすれば殺されていたが、セイバーの騎士道精神に免じて見逃されている(しかし、彼の騎士道がケイネスをあのような最期に導いたとも言える)。
第四次聖杯戦争における敵対マスター。
キャスターとの決戦の最中に手間取るアイリに代わって電話で一回話したくらいで、大きな接点はないが、宿代を工面できなかったせいで現地の外国人夫妻の家に泊まるなどの行為が切嗣の深読みを誘い、彼を高く評価する要因となった。(逆に時臣やケイネスなどの真っ当な魔術師からは酷評されている。このような評価ができるのも真っ当な魔術師ではない切嗣故であろう。)
なお、第四次聖杯戦争後の彼が格上の魔術師と対峙した際には真っ向から勝負しない、魔術師らしくない戦術で危機を脱するなど切嗣を思わせる行動を見せている。
その他
同業の魔術使い。とある魔術師の暗殺にて手を組んだ事がある。
彼から引かれる程度に徹底的な仕事をしたらしい。
偽の聖杯戦争での真バーサーカーのマスターで、オッド・ボルザークの孫。
向こうからすれば切嗣は祖父の仇であるが、切嗣にとってもボルザークはナタリアを殺す原因を作った人物なので、中々に複雑な関係。
『Fate/strangeFake』のPVでも衛宮切嗣の名前が出ている事から関連があると見られたが、どうやらミスリードであった模様。
かつてアトラス院に所属していた魔術使い。切嗣の狂信的なまでの信望者。
外部作品での活躍
フェイト/タイガーころしあむ アッパー
虎聖杯の結界の中で目覚める。
連れ去られた妻を助けるため奔走したり、娘に反抗期を通り越して「殺す」と言われたり、相変わらず外道神父には付きまとわれたりと割と散々。ただしセイバーは安定のガン無視である。
その性能は『全キャラダントツの最強キャラ』。
長射程と連射力で他のキャラ全てに圧倒的に優位に立てる。
欠点は必殺技の性能が低い事だがそもそも通常攻撃が異常なまでに強過ぎるのでそれすら欠点にならないレベル。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
イリヤの父。ただし、こちらの世界では、自身の理想よりも娘のために悲願を放棄する妻の判断を支持し、聖杯戦争とアインツベルン家を潰したらしい。その後、経緯は不明だが士郎を養子として引き取り、冬木市で家族と共に穏やかに過ごしていた。
だが、現在は再び聖杯戦争を起こそうとする勢力が現れたことから、それを阻止するべくアイリと共に海外を飛び回っている。
ドラマCDでは、イリヤによそってもらった餅巾着を保存する、イリヤに拒絶されかけてそれを一飲みにしてのたうちまわるなど、ギャグも親バカも極まっているが、原作ファンからするとまさしく全て遠き理想郷なものだから笑えるのに泣けてくる。
なお、今作での彼の顔は徹底して映らないようになっていて、たとえ写真であろうと反射光で遮られている。
その後、『ドライ!!』では平行世界の「美遊の義父」としての彼が登場。
こちらは聖杯戦争には関わっていないようだが、それゆえに士郎を災害から助けて養子として引き取った後も自身の理想を諦めておらず、共に世界中を巡っていた(なお、人を殺す決定的な瞬間だけは見せないように配慮していたとのこと)。
そして、旅の果てにそれを可能とする神稚児・朔月美遊を発見して、力を使うための研究をしていたが、根を詰め過ぎた末に道半ばで病死。月の無い夜空の下士郎に正義と理想を託して亡くなった。
ちなみに、こちらの彼はちゃんと顔が描かれている。
なお、「士郎が巻き込まれた災害の場に居合わせたのが偶然とは思えない(実は魔術師が人為的に引き起こしたもので、そこに何かしらの形で関与していたという可能性は十分に考えられる)」「なぜか言峰綺礼に目を付けられている(美遊を引き取った件も前々から知っているような素振りであった)」など、今もって謎が多いのだが、真相を知っていそうな言峰は現状なにも語ろうとはしない。
Fate/Grand Order
『Fate/Zero』とのコラボイベント『Fate/Accel_Zero_Order』にて、なんとサーヴァント化して登場した。当然だが、完全なifの存在である。
パーソナリティのみならず戦闘スタイルまで含めて切嗣と最も相性のいいサーヴァントはこいつではないかと言われることもしばしば。
なお、オリジナルとなった切嗣は該当イベントでの聖杯戦争には参加していない。
詳細はエミヤ(アサシン)を参照。
ロード・エルメロイⅡ世の冒険
すでに故人の為、直接は登場しないが彼が生前使っていたが手放した起源弾が登場している。
衛宮さんちの今日のごはん
今作でも既に故人。士郎の少年時代のエピソードで登場。士郎が作ったハンバーグをご馳走になる。
Fate/strange Fake
今作でも既に故人。だが、扱いはある意味タイガーころしあむ以上に散々で、自身のリメイクキャラらしき人物としてクレイジーサイコレズ残念死徒ストーカーというイロモノが登場するわ、警察官その1にやんわりとストーカーよりどうでもいい奴扱いされるわ、セイバーならびにリチャードへの尊厳破壊用のダシとして、幻術を介してフランチェスカ達にこれでもかと利用されるわと、踏んだり蹴ったり。
だが、ある意味1番容赦ないのは、仮にも第四次聖杯戦争の勝利者であり、セイバーに並々ならぬ心の傷を与えた重要人であるにもかかわらず、悪意なく遠回しに憧れの英雄の人生劇場の引き立て役ないしエキストラその1扱いしたリチャードというのが、なんとも……。
(実はフランチェスカ達の幻術には、蟲への苦手意識故に間桐・バーサーカー組の空回りに焦点を当てづらい分、切嗣のセイバー達への行き過ぎた行為だけでなく、家族想いだが暗くて少々ちっぽけな人間性まで強調させ、観た人を文句言うのも馬鹿馬鹿しいと思わせかねない落とし穴があるうえ、リチャードは正面からの挑戦をよしとする一方で、影と一体化した宝具の毒矢による不意打ちやアサシンとの同盟なども辞さない柔軟なスタンスをとっていた他、民間人への凶行に及んでしまった過去を持つ為、切嗣の手法を全否定できないという事情があった。)
余談
『Fate/zero』での服装は、いわゆる「殺し屋のテンプレ」らしくほぼ黒尽くめの出で立ちで、黒く膝下まである丈が長いシングル打ち抜きのチェスターフィールドコートに黒の2ボタンスーツ、黒のネクタイ、グレーのワイシャツ、焦げ茶の紐なし革靴。無精ヒゲにニヒリスティックなくわえタバコもトレードマーク。
原作版ではこれらの服装について「ヨレヨレのコート」等の胡散臭さや不潔さが窺える描写が度々あるが、アニメ版ではむしろ映画『マトリックス』のようなスタイリッシュなモノトーンファッションという描かれ方になっている。
わざわざ汚して描くよりシワ1つ無い方が手間が省けて見た目も宜しいということだったのだろうか。
また、ほとんどの場面で脱ぐのは室内だろうとコートまでで、成長し全身黒の姿になって以降は彼がジャケット以下を脱いでいる絵はまず見られない。
『Fate/extella』では、彼の衣装を元にした無銘の有料DLCコスチューム『スラッシュ&コネクト』(名前も彼の起源が由来)が登場。ただし、無銘は銃を使えない…。銃を使うのはこっち。
『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』には「キリツグ」という名のポケモントレーナーが登場するのだが、悪の組織の計画に加担しながらも「世界平和」を真剣に訴えるその口ぶりが無駄に切嗣本人に似ていると話題になった。
あまりに特徴的過ぎて偶然とは考えづらいその名前、「裁縫=切って繋ぐ行為」を得意とする手持ちのハハコモリ、そしてやたらとインターネットで定番のネタを引用しがちな『BW2』の作風も相まって「ゲームフリークが意図的に仕込んだパロディではないか」というのがファンの間での定説になっている。
記念日ネタ
ちなみに、『Fate/Zero』アニメ版の初回放送日が何かしらの記念日に当たる事が多いのは有名な話だが、該当回で切嗣は3回ほど親族を殺している(ただし、作中での時間設定ではない)。本来はめでたい日でもあるにもかかわらず、容赦無く襲って来るトラウマ展開の連続は視聴者の精神をズタボロにした。
- 1回目:第18話『遠い記憶』(放送日:5月5日(こどもの日))
実父の衛宮矩賢を拳銃で殺害した日であり、矩賢の研究が漏洩した結果、切嗣の友人である子供たちや思い人が犠牲となり、幼き日の切嗣にトラウマを植え付けた。
- 2回目:第19話『正義の在処』(放送日:5月13日(母の日))
引き取り手のナタリア・カミンスキーをスティンガーミサイルで飛行機ごと撃墜した事から、『母の日スティンガー』とも呼ばれる。
本来はシリアスなシーンであるが、『母の日スティンガー』で検索すると、この回の切嗣の泣き顔のパロディイラストがヒットしてしまう。これでは色々と台無しである。
同時期の放送アニメと絡めたこのようなイラストもある。おいやめろ。
- 3回目:第24話『最後の令呪』(放送日:6月17日(父の日))
この世全ての悪が見せる夢の中で、実娘のイリヤをコンテンダーで殺害した事から、『父の日コンテンダー』とも呼ばれている。
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天草四郎(Fate):同じく全人類救済を聖杯に願った者。