「超COOLだよアンタ!」
「この世界は神様の愛で満ちてるよ」
プロフィール
概要
人の「死」の意味を知るために殺人を行い続けた連続殺人犯の青年。
殺人に対する「モチベーションの低下」に悩まされていた所、実家で聖杯戦争について書かれた古書を発見し、冬木市でそれに基づいた「儀式殺人」を行った結果、偶然キャスターのサーヴァントを召喚。
その後、キャスターを芸術殺人の師「青髭の旦那」として尊敬しながら、キャスターと共に冬木市周辺の児童を誘拐して回り数多くの犠牲者を出していったことから、第四次聖杯戦争に参加する他のマスターに狙われる事となる。
人物像
普段は話すことも億劫だと感じるほど無気力な人物だが、殺人の最中はひょうきん者となり、饒舌になる。
夜の街では女の子にモテていたが、そうして彼に惹かれた女性は血みどろの肉塊にされている。
道徳や倫理観が生まれながらに破綻しており、自分の所業の芸術性や哲学性が世間に認められないことを不思議に思っている節があり、そうした自身の感性にハマったものを「COOL」と表現している。
サファリパークや動物番組などを好むなど、意外にも動物好きの一面もある。特に好きな動物である豹に関しては、豹柄の服や豹の牙のペンダントなど、豹にまつわる物品をいつも必ず一つは身に着けているほど。
一方残虐行為の対象はあくまでも人間に限定されるらしく、自分なりのこだわりがある模様。
なお、キャスターとの仲は一見良好に見えるが、実は噛み合っていないと奈須氏は語っており、「仲が良かったのは期間が短かったためにお互いの齟齬に気付かなかったこと」と、「その齟齬が偶然回りまわって良い方向に働いたため」らしい。
運が悪ければ召喚直後に殺されていたとの事で、実際作中での二人の会話に注目すると、微妙に噛み合っておらず、互いに都合の良い解釈で埋めている場面が散見できる。
しかし、それを補って余りある程に相性が良好で結束も強いのは確かであり、キャスターの殺人鬼としての在り方に多大な影響を受け、キャスターも彼の神に対する観点に強い感銘を受けているので、意図せず嗜好の不一致の理解と互いの嗜好の尊重に至っていた節がある。
アニメ版のスタッフもそういった所を感じ取っていたのか、わざわざ二人の結束と絆の強さを微笑ましく強調するオリジナルシーンまで用意していた。
この「見ている側が微笑ましくなるようなやりとり」と「やっていることは大量虐殺の前準備」という、「一般的には並列するはずのないもの」が並列して存在する件のシーンは、道徳や倫理観が破綻している者とはどういうものかを雄弁に物語っている。
作中ではライダーに工房を台無しにされて「これが人間のする事かよぉぉぉぉ!!」と嘆いたが、正にお前が言うなである。
能力
前述したように正規の魔術師ではないため、魔術的な能力は持っていないが、彼の身体の魔術回路は生きており、また彼の家の先祖が陰陽師の真似事をしていた為、魔術に関する資料が実家の土蔵に残されていた。
キャスターの現界の維持に関しても、彼が犯行のついでに魂喰いをしていた(明確な描写は無かったが)のと宝具のおかげで困らずに済んだ。
天才的な証拠隠滅・捜査撹乱の技術を持っており、過去30人以上もの人間を場当たり的に殺してきたにもかかわらず、前述の「芸術の為の殺しなので被害者の金品に関心を示さない」という行動傾向と相俟って、一度も彼に捜査の手が及んでいない。
今回もその隠蔽技術を存分に振るっており、発見できたのは彼が配慮していない魔術的な側面から痕跡を辿ったウェイバーと気配遮断スキルを利用して彼らを尾行したアサシンだけである。
普通の人間限定とはいえ、不意打ち・暗殺・謀略に関してもあの虚淵氏をして絶賛せしめたことからも、殺人鬼としての技量と才能は推して知るべし。
殺人鬼として
先述の通り残忍な連続殺人犯だが、よくある快楽殺人者に見られがちな「殺しそのものに悦楽を見出すタイプ」ではない。
彼にとって他者の命を奪う行為の真意は『人の死』の意味を理解することであり、その死体を使って悪趣味極まるオブジェを造り上げることは『芸術』の表現にあたる。
ちなみに初めて殺害した相手は実の姉であり、隠れ家の一つでもある廃墟と化したかつての彼の実家には、朽ち果てた遺体が未だに発見されず遺されている。
主なターゲットは女性であり、ハンサムな容姿と気さくな性格、得意とする軽妙なトークで警戒心を解いて誘い出し、人気の無いところで仕留めるのが常套手段となっている。
しかし、キャスターと組んでからは標的が子供に変わり、被害者の数も増大。手法などもより残虐なものへと拡大していった。
最後は彼が図らずも提示した考えに賛同して未遠川で暴れまわるキャスターを一般人に紛れて見届けていたのだが、サーモグラフィーで魔術師を見分ける衛宮切嗣によって射殺された。
その際に自分自身から流れる血を見て、追い求めていた「人の死の意味」を理解して満足しながら事切れた。
関連人物
偶然にも召喚したサーヴァント。当人達からすれば互いに良い影響をもたらした仲であり、抜群の結束力で二人一緒になって地獄絵図を繰り広げた。
芸術品用の材料を調達しているのを目撃され、尾行されたが難なく捕獲した。惜しくも逃げられたが、凛にしてみれば危機一髪レベルの大ピンチだったのは言うまでもない。
冬木の聖杯戦争にハサンを召喚する制約が無かったら、旦那の代わりに触媒抜きで召喚できていたかもしれない殺人鬼サーヴァント達。
カーミラは人間的な相性はともかく血の調達には困らない、ファントムは芸術のベクトルが大体合っていると、利害も厄介極まりないことに一致している。
『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』にて遭遇。余裕の守備範囲内である。
玉藻の地の可愛さ+狐耳のダブルコンボは女性をターゲットに選ぶ動物好きの彼の性癖にハマりすぎていたのだろうか?一方で、彼女の同伴者はいい線行ってるけど惜しいという評価だった模様。
余談
虚淵氏曰く龍之介(というかキャスター組)は「『仮面ライダー龍騎』における浅倉威」、すなわち「純粋悪」という発想で生まれたキャラであるらしい。(とはいえ浅倉もここまで酷いことはしていないが...)
「常に豹柄の物を必ず一つは所持している」という設定も、浅倉が好んで着ていたジャケットになぞらえてのものである(ただし龍之介が豹柄を愛用しているのに対して浅倉のジャケットは蛇革)。
また、アニメ版第13話では「きっと登場人物50億人の大河小説を書いてるエンターテイナーがいるんだ。そんなヤツについて語ろうと思ったら、こりゃあもう神様としか言いようがねえ!(中略)この世界のシナリオを休まず書き続けているんだとしたらそりゃ愛がなきゃやってられねえでしょう!(さらに中略)神様は勇気とか希望とかいった人間賛歌が大好きだし、それと同じように血しぶきやら悲鳴やら絶望だって大好きなのさ!」とメタ発言をかましている。少なくとも彼にはキャスターのような信仰心はないものの、神様の存在自体は信じているタイプの人間なのではないかと思われる。続けて龍之介は「汚れ役も引き受けて笑いを取る」とも語っており、彼なりにエンタテイナーとしての矜持を持っている事が窺える。
この際、作品を吹っ飛ばされ楽しみ過ぎたバチが当たったのかもと悲しむ彼にキャスターは「神はそんな事はしない、放置して愚弄するだけ」と一触即発の状態になっているのだが、彼はそれでも神を信じる姿勢を示し
その様子にキャスターは「神の奇跡も、為政によって神を示される事もない時代になぜそう信じられるのか?」という問いを投げかけたが上記の「居ないにしては世界は面白すぎる、悲劇も喜劇も全部エンターテイメント」という答えを返す
キャスターはその独特ながら揺るがない信仰心に感心するが「でもその理論に則ると私の行いは茶番に過ぎなかったのか?(行いが的外れだったのか?)」と僅かばかりの疑念を覗かせるが、「汚れ役をやるのも一流のエンターティナー、旦那のツッコミ待ちでわざとやってんだ(意訳)」と答えを示すなど彼なりに一本筋を通した神性感を持っていることを示した
この独特な神性感についてキャスターは「涜神も礼賛も、貴方にとっては等しく崇拝であると仰せか!」「普く人々を愛玩人形とする神が自身もまた道化とは!」と感銘を受けている(神を冒涜するのも、崇めるのも「神の実在を心から信じているからこその行いであり、神がいないのなら居ないものを肯定することも否定することも、まして侮辱することもできないはず」、そして「悲劇が起こるのも幸福が起きるのも、神がそう言う作品として好きだから」「だから悲劇側に振り分けられた事について鋭いツッコミを入れられる事で神様はより筆が乗るんだ」という結論は魔女裁判等が現役の頃に生き、また神に忠実だったジャンヌが神の敵として裁かれ、自身もまた悪人への神の裁きではなく人の欲に食い荒らされ、良くも悪くも何もしなかった神に絶望して最期を迎えたキャスターにとっては目から鱗だったのだろう、結果として神の取りこぼしを糾弾する=作品を批評するという形で神=作者への信仰を示す、という使命に目覚める事になる)
魔術との縁の薄さゆえか、他の聖杯戦争を描いた作品においては第四次聖杯戦争のマスターの中で唯一登場しておらず、せいぜいが『Fate/GrandOrder』にて概念礼装「死の芸術」のイラストとして描かれている程度である。
関連イラスト
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