経緯
経緯
オッド・ボルザークという魔術師を狩るためナタリアが民間旅客機に搭乗して彼の暗殺に成功する。貨物室に移動したナタリアはボルザークの鞄の死徒蜂の始末をしていると死徒化したキャビンアテンダントに襲われる。
実はボルザークは体内に死徒蜂を忍ばせており、既にナタリア以外の乗員は全員死徒と化していた。
どうにか操縦室に辿り着いたナタリアは切嗣の指示で空港への向かうも、ボートに乗った切嗣のスティンガーミサイルでナタリアごと旅客機を撃墜する。
もし無事に着陸してしまうと死徒蜂が地上に溢れ未曾有のバイオハザードを引き起こす恐れがあり、苦渋の決断の末に撃墜という選択をした。
その事を激しく慟哭した切嗣は改めて己の正義の在り方を考える。
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- [呪術×鬼滅]黒死牟が憑いてるシリーズ
母の日
今日は母の日ですね。 という訳で今回は原作沿いから一度逸れて母の日回です。 以下本編読了後推奨おまけ。 . 私の娘には、"お侍さん"が憑いているらしい。 らしいと曖昧なのは私にはそれが視えないからで、娘も小学校に上がる頃にはその話をしなくなったからだ。 だけれど多分、娘は未だにそれが視えているし憑いているのだろう。 初めて娘がそのお侍さんについて話したのはいつだったか。確か、物心がつくかつかないか位の小さな頃だったはずだ。 突然、──名前は何だったか、黒死病みたいな響きだった気がするが──六つも目がある人間をお絵描きし始め、それは誰なのかと問うと彼女はにこにこ可愛らしい笑顔で「いつもここにいるよ!ほら、おかあさんのおとなりにいまいるでしょ?」と言ったのだ。 凍り付く私に構わず「(こくしなんちゃらという名前)はねぇ、」とご機嫌に話し始める娘に、私は少なからず動揺した。 名前や目の数こそ違うようだが、もしかして亡くなった旦那が視えているのかと旦那──つまり彼女からしたら父親の写真を見せてみたが違うらしい。 クレヨンで白い紙に描かれていくそれを見ながら判断しにくかった服装や腰から伸びる黒い棒の事を聞けば、それは着物と刀だという事が判明し、どうやらお侍さんらしいという事が分かった。 しかし普通、お侍さんは目が六つもあるものだろうか? いや、無いだろう。何か妖怪の類と言われた方が納得できる。 それとも守護霊になるにあたって何か見目も厳つく変化したりするのか?……分からない。 分からないが、それは確かに縁を見守っていてくれているらしい。 それを感じたのは、娘が小学二年生になった頃だった。 人手不足からどうしても夜勤をしなければならなくなってしまった日、一人でもお留守番出来るからと気丈に私を見送ってくれた縁に何度も謝って家を出た私が帰ったのは、早朝だった。 まだ暗い家の中、眠っているだろう我が子の様子を見ようと静かに部屋の扉を開けた時。 娘の枕元で黒い影が幽かに揺れ動いたように見えたのだ。 久々の夜勤で疲れていただけかもしれない。だけどその瞬間私の頭は娘の口から聞かなくなって久しい"お侍さん"の事を思い出していた。 ────ああ、娘は一人じゃなかったのか。よかった。 そう思うと同時に、私の口は既に動いていた。 「……縁を見守っていてくれて、ありがとうございます。どうかこれからも、この子を助けて見守ってやって下さい」と。 もちろん部屋の闇に溶けるように消えてしまった影は何も答えない。……私には聞こえないだけかもしれないが。 それ以来、私が影を見る事はなかった。 ⚔ 視界は汚れたアスファルトを映している。 手足の感覚は無く、痛みは疎か気温すら感じない。 ただアスファルトを瞳に映しながら、どうなっているかすら自分でも分からない手を合わせる。実際には合わせられてはいないのだろうが、自分の中で合わせておく。 ────どうか、どうか。 近くでぶちりと音がした。気がする。ネックレスとして下げていた旦那の形見の婚約指輪を盗られたらしい。 きらりと一瞬、視界の隅で輝いたそれが見えた。 ────どうか、お侍さん。あの子を、守って。私はもう、あの子を見ていてやれないみたいだから、どうか。 ろくに あたまが はたらかなく なっていく。 ────どうか。どうか。あのこが わらって てくれ よ に。 .7,696文字pixiv小説作品