概要(『Fate/EXTRA CCC』)
殺生院キアラがパッションリップ、メルトリリス、BB、間桐サクラを取り込み、ムーンセルを掌握しアンデルセンの宝具で魔人化、真性悪魔の域に達した状態。
詳細は聖女の深層を参照。
以下、『Fate/Grand Order』イベント『深海電脳楽土 SE.RA.PH』に関するネタバレ注意!
概要(『Fate/Grand Order』)
2017年、2月。
他のスタッフがそうであるように、私にも変調が訪れた。
他人を信じられない。自分だけが愛おしい。
良識も道徳も、腐った食べ物のように気持ち悪い。
それは私のこれまでの人生を否定する感情だった。
なぜこんな事になったのか、泣きたくなる。
……教会の外では今夜も祭りが行われている。
焚き火と銃声。狂ったように笑う男たち。生贄。
その光景を私は感慨もなく見下ろしている。
自分の精神が冷たいものに変わっていくのを直視している。
それでも私には責任感がまだ残っていた。
何故なら。人々の精神を治療するために、私は招かれたのだから。
たとえ最後の人間になっても、
スタッフたちに殺される事になったとしても、
私は最後まで、暴走しつつある集団心理をほぐし。
理性的な習慣を維持させなくては───
『FGO』世界において、人理継続保証機関カルデアの関連施設である海上油田基地セラフィックスに勤務する善良なセラピストであった殺生院キアラも紆余曲折を経て、随喜自在第三外法快楽天を名乗る。
こちらの世界でも14歳までは同様に、病に苦しみながら誰からも助けられなかった不遇の生活を送っていた。
しかし、『Grand Order』世界における彼女は山の外から現れた医者に治療され回復し、山に囚われることなく幸せな学生生活を送った。
この経緯から『CCC』世界とは価値観が大きく異なっているようで、持ち前の聖母性から様々な人々を救う。
その無償の行為により既得利益団体から攻撃を受けて社会から悪者にされ居場所を失うが、気にすることなく辿り着いたセラフィックスで多くの患者に向き合い精神に苦しむ人々の力になっていた。
しかし、セラフィックスの母体であるカルデアが魔術王を名乗るものとの決戦を経た直後、即ち2017年1月に、キアラは時間神殿から逃げ延びた魔神柱ゼパルに取り憑かれてしまう。
怪我の治療と新たな命題のためにセラフィックスを潜伏先として支配する手先にされたキアラはゼパルにより善性を封印されてしまい、
加えて並行世界の記録でキアラの起こした事件を知ったことで、月の霊子虚構世界SERAPHで、魔性菩薩となったキアラと同期させられてしまった。
しかし、こうして強引に現された「キアラ内面の醜悪さ」は、ゼパルの想像を遥かに超えたものであった。
電脳化から更にSE.RA.PHへと変化したセラフィックスにおいて、ゼパルに絶対服従の僕として行動し職員たちを依存させつつあったキアラは、彼に肉の快楽を教え込み堕落させた末いつしか逆に管理する立場へと代替していったのだ。
そうして並行世界を閲覧出来るようになったキアラは、最も優れた自分であるCCC世界の虚数事象の中の自分と融合を果たし、魔神柱を自在に操る魔人と化したのである。
―――私は取り憑かれた。
取り憑いたつもりが、そこは私よりおぞましい何かの土壌だったのだ。
……許してほしい。もう解放してほしい。
私は日々乗っ取られていく。取り返しのつかない悪魔を生みだそうとしている。
時間神殿で「何度も英霊達に殺され続ける」と言う状況をゼパルから聞いたキアラは、その無数の苦痛と快楽を自らも味わいたいとして、自らビーストになることを決める。
気まぐれに一人一人職員たちを脱落させながら、ゼパルが望んでいなかった地獄へとセラフィックスを変化させ、更には職員に自ら秘匿施設である天体室を開放するように仕向けてサーヴァントを多数召喚し聖杯戦争を起こし、彼らを養分として吸収しだす。
その管理役として月の自分が取り込んでいたBB、手駒としてサルベージしていたメルトリリスとパッションリップを配置。そして無数の聖杯戦争の末にキアラはビースト幼体になり、更にSE.RA.PH自体を自分の次の身体として変化させていった。
この頃にはゼパルの権限は爪の先ほどしかなくなり(しかもその僅かな権限もキアラによって意図して与えられていただけのもの)憑依したゼパルが自分を拒絶できなくなる様にしながら、その矜持を徹底的に蹂躙しつくし、挙句の果てに残された意識を塵の様に捨ててしまった。
ああ、きえる、きえる。うすれていく。
たもてない、じぶん をたもてない、
なんでこんな、こんなことに、わるいことなんか
なにもしてこなかったのに、なんで―――
やだ……いやだよぅ……こんなのひどい……あんまりだ……
ころさないで……すてないで……すてないで……
わたしを みすてないで キアラさま―――
その最終計画は自分自身を特異点と化し、完全にキアラとなったSERAPHを地球の中心核へと到達させることで地球の頭脳体へと昇格、地球の性感帯となって地球全ての人間の命を使い絶頂を迎えることである(つまり、世界が電脳化している今の状況を利用して『地球の中心で地球全体でオナニーして快楽を得る』という、『CCC』経験プレイヤーが「またそれかよお前……」とゲンナリする程の変態行動である)。
『愛を快楽に』するという禁断を以て、
人を愛し人を悦ばせようとした殺生院キアラが第三魔法に至った時、
彼女は人ならざるものに変生したのである。
それを以て、彼女のクラスは以下に決定された。
快楽天なぞ偽りの名。
其は個人が到達した、人類を最も端的(最短)に救う大災害───
その名を ビーストⅢ/R(ラプチャー)。
七つの人類悪のひとり、『愛欲』の理を持つ獣の片割れである。
プロフィール
真名 | ヘブンズホール/須弥霊掌快楽天魔性菩薩 |
---|---|
クラス | ビーストⅢ/R |
性別 | 女性 |
身長 | 半由旬〜??? |
体重 | 無 |
出典 | Fate/Grand Order |
地域 | 新生快楽都市 SE.RA.PH |
属性 | 混沌・善・獣 |
設定担当 | 奈須きのこ |
ILLUST | ワダアルコ |
CV | 田中理恵 |
形態・派生
魔性菩薩
初戦及びキアラパニッシャー・メルトちゃんデスwhip未使用時に3ターン後にて変身する形態。
プレイアブルキャラ時の第二再臨姿をそのまま巨大にしたもので釈迦の掌の孫悟空の如くキアラの掌にパーティメンバーが収まる状態での戦闘になる。
4本ものHPゲージ、強化解除後にダメージが入る全体チャージ攻撃、多数のバフ、デバフなど攻略するならば十分な対策が必須となる。
ヘブンズホール
詳細は該当記事を参照。
アルターエゴ
プレイアブルキャラクターとしての彼女は該当記事を参照。
能力
『CCC』ではムーンセルの力を取り込んでおり、神話礼装という大幅なブーストに加えキアラに取り込まれた者たちからの抵抗によってなんとか討ち倒すことができた。
『Grand Order』では代わりにセラフィックスそのものをSE.RA.PH及び自らの肉体とし、ビーストの一体に数えられるその凶悪さをいかんなく発揮。
主人公勢がただでさえ整い切らぬ戦力にほころびが見えかけた頃の顕現となり、一戦目ではダメージを1与えることすらかなわなかった(最終ターンで強化解除スキルによって悪あがきができる程度)。
そして、彼女に対するカウンターとしてムーンセルから召喚されていたBBが徹底的なまでの対策を施すことによって、ようやくまともな戦闘にこぎつけることが可能となる。
同イベントの序盤から使用用途不明の収集要素である「KP」もビーストⅢ/Rとの戦闘にあたり開示。
KP(キアラパニッシュ)のアイテムが用意され、それを購入していくことで大量にあるビーストⅢ/Rの権能を引き剥がしていく方式である。
余談だが、コンティニュー不可状態を解除するKPの名称は、月において彼女のサーヴァントであった童話作家の著作「人魚姫の原文」である。
本人は『快楽』の理と言っているが、実際には『愛欲』となっているその理由は、『快楽』というのも間違いではなく、厳密には『快楽』の側面が『愛欲』だからである。
ラプチャー(Rapture)は歓喜、有頂天を意味する。
KPを購入せずに挑めば、魔性菩薩としてのキアラと戦うこともできたが難易度は格段に上がる。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
なし | C | EX | B | EX | A | EX |
保有スキル
獣の権能(A) | 対人類、とも呼ばれるスキル。 生殖行為、あるいは広義的な『種の継続』に意味を見出す生命体に対して、高い理解力を持つ。知識形態が異なっていようと意思の疎通・意味の疎通を可能とする。 |
---|---|
単独顕現(B) | 強く救いを求める声がある世界なら、これを救うために出現できる。 もちろん、声の主をどう救うかはビーストの物差しによる。 |
ロゴスイーター(EX) | 快楽天としての特性。万色悠滞から派生した特殊スキル。どのような規模・どのような構造の知性体であれ、知性(快楽)を有するもの全てに強力なダメージ特攻を持っている。 |
万色悠滞(EX) | かつてとある電脳世界でキアラが用いた外法。 余人の『肉体と精神と魂』を分離させ、魂を裸(精神にも肉体にも守られていない)状態にし、悩みを聞き、苦しみを取りのぞくという医療ソフトだった。 無論、そんなものは表向きの話。 キアラは肉体と精神から剥奪された無防備な魂を自らの魂に取り込み、これを済度と語りながら味わい、取り込んできた。 究極の“魅了”であり、また、“信徒化”の力。 ビーストとなってその力はより強大なものとなった。 |
ネガ・セイヴァー(A) | 救世主(セイヴァー)の資格を持ちながら、自身の世界のみを救世しようとした獣の末路。セイヴァー、ルーラークラスが持つ全スキルを無効化、魔力ランクA以下の対象への魅了確率300%、キアラの手によるバフ効果200%アップ |
カルマファージ(EX) | キアラが自らの体をSE.RA.PH化した際、その五感……性感帯……をスキルとし切り分け、他者に分け与えたもの。BBが人間への愛情を余分なものとして切り離し、アルターエゴを作った手法を真似たと思われる。KPと略され、それぞれボディ・サイト・マウス・スパイス・オルガン、と名付けられた。これらを与えられたセンチネルはキアラの権能を使わされているため、たいへん強力なサーヴァントとなる。 |
宝具
スカーヴァティー・ヘブンズホール
- ランク:EX
- 種別:対人宝具(対人理、あるいは対冠宝具)
- レンジ:1~90
- 最大捕捉:七騎
「済度の時です。生きとし生ける者、全ての苦痛を招きましょう。この世に人は我一人、この世に星は我一つ。今こそ楽土の土壌とならん――『スカーヴァティー・ヘブンズホール』」
体内に無限とも言える魔神柱を飼育する宝具。もはや彼女の体内は一つの宇宙であり、極楽浄土となっている。
その中に取り込まれたものは現実を消失し、自我を説き解され、理性を蕩かされる。どれほど屈強な肉体、防御装甲があろうとキアラの体内では意味を成さず、生まれたばかりの生命のように無力化し、解脱する。
ビーストⅢは現実に出来た『孔』そのものだが、その孔に落ちた者は消滅の間際、最大の快楽を味わい、法悦の中キアラに取り込まれる。苦界である現実から解放されるその末路は、見ようによっては済度とも言える。
なお、何故か漢字表記は不明でルビだけが明らかとなっている。
関連人物
片割れ。共通の理を持つ者ではあるが、全てを受け止めるキアラに対し全てを愛するという対称性であり決して手を取り合うことはない存在。
カルデアからやってきた敵対者。
始めはメルトリリスの添え物扱いで歯牙にも掛けていなかったが、選択肢によっては年増扱いされてペースを崩される(しかもパッションリップによる追い打ち付き)。
平行世界で契約したサーヴァント。
月の裏側の知識を得てなにか思うところでもあったのか、SE.RA.PHの聖杯戦争には彼だけは召喚されないようにブロックしていたらしい。
欲の矛先こそ違うものの同じ思考回路を持った存在。
クラスがルーラーである為ビーストⅢ/Rの持つネガセイヴァーの解説(救世主(セイヴァー)の資格を持てる)を補完している。
なお、ルーラー特効と無敵貫通などを持つアルターエゴのキアラにはすこぶる相性が悪い。
余談
何気に彼女は(メルトリリスの行動によって無かった事にされたとはいえ)ゲーティアですら成し得なかった主人公の殺害に成功している。
『CCC』コラボの常設化の結果、既存鯖の強化や新規鯖が実装された際の腕試しにキアラが利用されるようになった事で星の数ほどの英霊に殺されたいという彼女の願いは図らずしも叶ってしまった。