ウッドワス
うっどわす
※ このプロフィールは本百科の推測であり公式によるものではないため注意。
『Fate/Grand Order』にNPCとして登場するキャラクター。
第2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』のサブキャラとして登場する。
妖精國における六つの氏族「牙の氏族」の長にして、オックスフォードの領主。
排熱大公ライネックの次代(むすこ)であり、またの名を亜鈴百種・排熱大公。
イギリスに伝わる森林に住む妖精(というより獣人)の一種、『ウッドワス』。
その名の通り、毛むくじゃらの「野人」を指す言葉でもある。アーサー王伝説にも関わりがあり、叙事詩の1つである『ガウェイン卿と緑の騎士』にも名前が登場している。
一人称は普段は「私(わたし)」、素の状態では「オレ」。
六つの氏族の長たちの中でもかなりの古参。老獪なスプリガンさえ若造呼ばわりするほどで、長きに亘りモルガンの治世を支えてきた。「力こそ正義」を信条とする牙の氏族にあって、その在り方からやや外れた貴族趣味な狼の妖精。特に食事に関して非常に厳しく、牙の氏族の生来の好物である肉よりも野菜を推奨し、テーブルマナーなどについても徹底した教育を行なっている。
オックスフォードでの統治は、主要な娯楽を厳しく規制している一方で、飲食店だけは自由に楽しめるようになっている。そのため他の都市からは「レストランの街」として知られ、食通の妖精たちがこぞって足を運んでいる。ただし、ウッドワスの統治を堅苦しく不満に思う同族は少なくないため、陰では彼を快く思わない者たちから侮りの視線を向けられている。
本来は氏族の性質に忠実な、獰猛かつ凶暴な人柄なのだが、この信条と統治によって抑制し、凶暴な野性を露わにしてしまうことを忌避している。もっとも、本性が露呈するのは割とあるようで、作中でも何度か予想外の事態を知ってすぐに興奮し周囲を怯えさせている。時には忠節を誓う配下さえ、勢いに任せて八つ当たり同然に殺してしまう事もあったほどである。
長らくモルガンに仕えてきた自負から、女王からの絶対的な信頼を授かってきたと信じており、その自信が傲慢さに繋がり、詰めの甘さを露呈してしまっている。これにはベリルとトリ子も絶句するばかりだった(具体的にはそれぞれ「あそこまでチキンとは」「ダメだろあれ」という酷評)。
ただ、傲慢な性格に見合うだけの能力を持っているのも事実であり、モルガンも実力自体は正当に評価しており「ウッドワス自身が動くなら増援は不要」と判断するほど。一見すると当人の性質とモルガンの評価が噛み合っていないように思えるが、彼は紛れもないモルガン最大の忠臣である。
小物臭い言動に反し、その実力は一騎当千に値する無双の戦士。別名「亜鈴百種・排熱大公」。
個体としての戦闘力は、妖精騎士に匹敵、あるいは凌駕しており、"亜鈴"と呼ばれし真祖・精霊種にも匹敵する格の持ち主である(第2部6章クリア時に解放される調査メモの文章によると、亜鈴は次代の発生しない唯一無二の存在であるため、厳密に言えば亜鈴ではなく、亜鈴と同等の力を持つ”亜鈴返り”という存在のようだ)。タイマンでは殆どの相手は勝ち目がないと言っていい。
紳士の装いを破り自ら出陣した際には、円卓軍の精鋭がほぼ全員集まって束になっても歯が立たず、一人で嬲り殺しも可能なほどの戦闘力を発揮する。妖精騎士ランスロットにダメージを与えられていたとはいえ、異星の神の使徒として改造を施されている千子村正、そしてキアラ以外に殺されたことのなかった主人公すらも(ガレスの未来視で見えたビジョンだが)瞬殺した程。
どれほどの攻撃を受けようと「星の肺」によってたちどころに回復してしまう回復力に加え、パーシヴァルの選定の槍による全霊の一撃を受けようと無効化してしまうほどの能力を持つ。
パーシヴァルが「本来人間が手を出していいものではない」と明言されるほどの強さを誇るが、最も恐るべきはその生命力で、ガレスの槍による耐性崩しからの選定の槍の直撃に加え、円卓軍の精鋭総掛かりで捩じ伏せ致命傷を与えようと、意地だけで戦線を離脱して再起を図ってみせるほどに頑健。更にその状態で肝か心臓に値する部分を抉り取られて尚生きるという、折り紙付きの代物。
また、短気ながらも将として無能というわけではなく、むしろかなり有能な部類。パーシヴァルの作戦・規模を考慮した上で戦略を立てており、援軍さえしっかり届いていれば完勝していた。その様はある妖精をして、規模も作戦も全てお見通しなので、『円卓軍から出てくる戦力』では対応されてしまうため、本来ブリテンに居るハズのないイレギュラーな存在を頼らざるを得なかった。
彼の実力は、トリスタンとベリルどころか上級妖精にすら知られておらず、妖精騎士ガウェインを援軍に出すことが提案されていた。それは彼が全力を出すまでもない厄災が続いたこと、本来の性質を抑え理性的になろうと千年間努力し、モルガンはそれに気付き配慮していたからであった。
自身も強さを客観的に理解しており、妖精國での戦いとは単独の強者によって行われるのが本来の形であると語っている。実際、彼は数を恃みにして勝てる存在ではないのだが、配下に職を与えるための方便として軍隊を組織しているあたりには、為政者としての手腕もよく表れている。
モーション中では、手から魔力砲を放つ他、爪にエネルギーを纏わせて瞬時に斬り捨てる。
レパートリーこそ少ないが、シンプル・イズ・ベストを地で行っていることが分かる。
奔流(ほんりゅう)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
エネミーとしての戦闘の際に披露するチャージ攻撃。
モーションは、赤黒いオーラを纏いながら高速移動し、跳び膝蹴りと両手の爪での斬撃を叩き込んだ後、止めに手から魔力弾を放って大爆発を巻き起こす。これはトネリコから教わった戦法。
威力に反してネーミングがシンプルなのは「小細工などいらない」という信条故か。
ストーリーでは二度にわたって戦うことになるが、一度目は理不尽な強さを発揮し、おまけにブレイクゲージを削ったそばからブレイクゲージが復活するというチートスキルを発動させる。一応、3度ブレイクすると星の肺によるゲージ回復がなくなるため、クリティカルによる即死に怯えながらも進む事が出来るが、最終ゲージブレイク時に無慈悲にも無限ガッツが付与される。
とどのつまり負けイベントである。
二戦目でようやく突破する切り札が解禁されるが、それでも強烈な攻撃性は衰えておらず、等倍で軽く10000超えのダメージを叩き出す上、ゲージブレイク毎にチャージゲージの上限が1ずつ減るため、NPCのアルトリア・キャスターに加え、攻撃を凌げる、もしくは一気に畳み掛けるためのバフ・NP供給役の味方サポーターがいないと、ジリ貧に追い込まれることになる。
ただし防御面はそれほどでもなく、普通に魅了デバフが通るため、魅了付加スキルと高確率で魅了付加効果のある男性特攻宝具持ちのエウリュアレで一気に削っていける。この他、弱体無効スキルを持ち、強力なアーツ宝具を発動できるシトナイやキャストリアのNP獲得量UPやアーツ威力UPバフと重ねがけする事で更なる真価を発揮する自バフを持ち、耐久力もあるマンドリカルドをアタッカーにするのもおすすめである。2021年のハロウィンから狼より強い赤ずきんというデタラメの権化が登場。騎クラス&猛獣特攻スキルのWパンチで痛烈な一撃をお見舞いできるようになった。
挙句ノクナレアのそっくりさんであれば、クラス相性上有利、スキルで場持ちもよく魅了+防御ダウンで弱体化可能、(威力は運と金にもよるが)男性特攻宝具でボコボコにできると面白いくらいに噛み合う。持っているマスターはしっかり育成したうえで戦わせてみるのもアリ。
ちなみに、上述の「切り札」を敢えて無視すれば、耐性が健在の状態で戦うことも可能。ただしその場合、負けイベント扱いの時のチートじみたバフを抱えたままHPを最後まで削り取らなければならないため、難易度が一気に跳ね上がる。こればかりはカーマ/マーラや魔性菩薩のような、手練れの遊びの範疇だろう(これらと違い、こちらは編成制限がかかるため、よりやりづらいが)。
心服する主君である妖精國の女王。
古参の臣下として、彼女に対して絶対的な忠誠を誓っている。
モルガンも彼の思慮の浅さに頭を痛めてこそいるが、基本的に「過去から学ぶ」という発想がない妖精の中で、過去の歴史から己を省み不撓の努力を重ねる彼を本心から高く評価している。
先代の牙の氏族であり、自身の親にあたる妖精。
かつてモルガンが英雄だった頃の親友で彼女に恋心を抱いていたが、その想いを告げずに戦死。次代のウッドワスは親友になることも恋心を向けることもなく忠臣として心服し仕えている。
氏族長を競ったライバルにしてかつての同族。
マナー勝負を仕掛けたが、頑張って勉強してきた彼と接戦になり内心ハラハラしていた模様。その後、スプリガンによって統治していたノリッジさえ奪われ、二度にわたって辛酸を舐めさせられた。その経験から、荒廃していたシェフィールドを再興し、逆襲の時を眈々と狙っている。
妖精國最後の「翅の氏族」。
かつて「牙の氏族」は、激情に任せて彼女の氏族を壊滅させてしまった。
ウッドワスの貴族趣味や菜食主義は、この事件に端を発する自戒に近い。また『TMエース』で公開された年表によると、ウッドワスが誕生したのはそもそも翅の氏族が絶滅した後であるため、彼は自身が生まれる前に一族が起こした事件を悔いて罪を償おうとしているということになる。
武人としてのウッドワスの弟子にあたる円卓軍の1人。諸所の経緯から敵対するに至ってしまったが、パーシヴァルは最後までウッドワスを武人として一目置いていた。ウッドワスもパーシヴァルの実力自体は認めており、その上で彼の思考や癖を見抜いて上手を取って見せた。
牙の種族出身の妖精騎士で、先述したボガードと関わりがある。
共にモルガンへ忠誠を誓った身だが、彼女の正体を知っているため、台頭を快く思っていない。
ソールスベリーの統治者で「風の氏族」の長。
その絵に描いたような優しさと柔らかな美貌に魅せられ、彼女に熱を上げている。
そのデレデレっぷりは、彼女の前でのみ一人称を「オレ」に変えていることからも窺える。
オーロラも好かれていることは自覚しており、その上で一定の距離を置きながらも領主同士として穏便に接している。だがこの「恋の病」こそ、本人はおろか妖精國さえ葬り去る真の猛毒だった。
詳しい経緯は不明だが、ウッドワスがオーロラへ贈り物として送り出した牙の氏族の妖精。
ソールズベリーに出向してからはオーロラを主君とし、主に馬車引き要員として仕えている。
ウッドワスから見ても彼の言動はエキセントリックだったらしく、「あいつは前からよく解らんヤツだった(意訳)」という評価をしている。
初見での立ち振る舞い及び言動からあまり良い印象は無かったが、後半へ行くにつれてその辣腕や能力が明らかとなるうちに人物像が見直された者同士。特攻技でハメ殺しされたのも共通する。
彼の場合、皮肉にも激情に駆らせた末の破滅の一因となったのが『ある人物への恋情』である。そのため、ウッドワスとは好きな相手が発端となり破滅に向かったという共通点がある。
本作屈指に評価の浮き沈みの激しい者が多い第2部6章であるが、彼も前半では「小物臭い」「狼じゃなくてかませ犬」と評価は散々で、登場人物にすらボロカスに言われる始末であった。
しかし、いざ後編で直接対決となると「亜鈴百種」という型月ファンなら誰もが気づく『鋼の大地』に関連した用語と想定外の強敵ぶりに度肝を抜かれ、そこからの凋落ぶりと運命に振り回される姿に哀愁を禁じえず、また自身には直接関係のない一族の罪を悔い、贖えないことを理解しながらも同じ過ちを繰り返すまいと自戒する意外性に驚かされ、最期の悲劇的な末路に至って多くのマスターたちが彼に無言の敬礼を以ってその死を悼んだ。ウッドワスは確かに愚かな男ではあったが、何処までも無垢に邪気を振り撒く妖精國の住民たちに比べて、過去を悔いて前進する姿勢とモルガンへの忠誠心は、紛れもなく汎人類史における「騎士」の姿そのものであった。もしかすると彼こそが、女王モルガンにとって本心から信頼できた最高の騎士だったのかもしれない。
なお、魔性菩薩と原始女神に続く3人目の主人公の殺害に成功したキャラクターである(あくまで未来視によるシミュレーションだが)。後にククルカンも該当している。
また、関連人物の一人であるレッドラ・ビットについては、エピローグの配信や竹箒日記等で新情報が出るにつれ、実はウッドワスが求めていた牙の氏族の理想像の一つの解答と目されている。
具体的には
- 強制ではなく、自発的な菜食主義者
- 戦闘力は確かだが、基本的に走る事が好きなだけで、暴力性はまるでない
- 理性的で他者への礼節を弁え、適切な気配りができ、場を和ませるジョークを飛ばす精神的余裕がある
- 状況を適切に把握する観察眼を持ち、これから何が起こるのかを予測できるほど頭もキレる
- 「乗せると認めたもののみを乗せて疾走する」という目的を喪わず、最期までそれに殉じた
だが結果的に、これらの特性は妖精という種族の中でも特別奇異な存在であったが故に、決して省みられる事はなかった。
Fate/GrandOrder 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ
他作品
グリニデ:「本来は本人でさえ制御不可能な凶暴性を持つ」「そんな自分の性質を嫌い、それを克服する試みの一環で知性派を目指そうとした人外」という意味で共通点の多いよく似たお方。ただし此方は忠義を抱かれる(上司や主君として人の上に立つ)側。
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