概要
錬金術師パラケルススが持っていた剣(もしくは短剣)で、柄に「Azoth」と刻まれていたことから、剣そのものがアゾットと呼ばれる。
剣自体に何かしらの力はないらしいが、この剣の柄頭(つかがしら)はひねると外れる仕掛けになっており、パラケルススはそこから「万能薬」を取り出して、自分の傷の治癒や旅先で出会った人々の怪我の回復に処方したと伝えられている。
この万能薬こそ賢者の石ではないかと推察するものもいる。
また柄の中身は賢者の石や万能薬でなく、悪魔を飼っているのだとする説も存在する。
その由来はアラビア語の「水銀」という意味の言葉が転訛したものとも、「始まりと終わりを意味する言葉」ともされる。
フィクションにおける扱い
主に錬金術を扱った作品でアゾットという名前やアゾット剣が登場する。以下はその一例。
Fateシリーズ
アゾット剣の名称で呼ばれる。
魔術礼装の一種であり、パラケルスス本人が持つオリジナルと遠坂家に伝わる模造品の2種類が登場。
前者については、キャスター(フラグメンツ)を参照。
後者の方はゲーム『Fate/stay night』で登場。
遠坂凛から衛宮士郎へと譲渡され、物語終盤の大きな戦いで切り札として使用される。
また、その前日譚という体であるスピンオフ小説『Fate/Zero』でも登場。
凛の父である遠坂時臣から言峰綺礼へ譲渡されるが、一連の出来事をアゾると呼ばれるように一悶着起こる。
そして、時臣の死後には綺礼から凛へ譲渡されている。
『Fate/GrandOrder』では概念礼装として登場している。
効果は自身の防御力を8%(4回限界突破で10%)アップ。
アトリエシリーズ
ゲーム『イリスのアトリエ エターナルマナ2』においては錬金術士エラスムスのつくった「深蒼のアゾット」と、錬金術士パラケルススのつくった「真紅のアゾット」の2本が登場する。どちらも賢者の赤水晶が中心に埋め込まれている。またリリスの力を手に入れた真紅のアゾットは「創生剣アゾット・エルプズュンデ」と呼ばれ、すべての創造と破壊を統べる力を持つ。
ラストハルマゲドン
人類滅亡後、地上の支配者になったモンスター達が、地球征服に訪れたエイリアンと戦うアンチテーゼに満ちたRPG。
通常の武器は倒した敵から手に入る「ジン(宇宙塵)」を使い生成するしかないが、炎の中に生える「バスクの樹」から引き抜くという唯一イベントで入手できる「アゾット剣」として登場した。
非常に強力な剣だが条件さえそろえばいくつも手に入り、バランスブレーカーになってしまった。そのため、リメイク版では昼と夜のパーティのゴブリンとオークしか装備できないという縛りが設定された。
後に、自分のことしか考えなかったために滅亡を招き、周囲より呪われドラゴンにされた者が、自らの罪を恥じて「バスクの樹」に姿を変え、罪悪を消すために生み出したものであると発覚する。
その他のアゾット
キャラクターの名前
- 漫画『回転むてん丸』の登場人物 → アゾット・ダイ
- 漫画『役職ディストピアリ』の登場人物。
- ゲーム『モンスターストライク』に登場するモンスター → アゾット(モンスト)
その他
- ゲーム『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』において、敵組織マグマ団またはアクア団のたてた計画「プロジェクト AZOTH(アゾート)」
- TRPG『デモンパラサイト』に登場する種族。
- 映画『ボルケニオンと機巧のマギアナ』に登場する国家「アゾット王国」
- 『ウルトラマンティガ』の怪獣「ガゾート」の名前の由来。
- 島田荘司』の小説『占星術殺人事件』において、完璧な女「アゾート」を作る計画。