概要
第四次聖杯戦争終盤、セイバー陣営との協定により国外へと退去せざるを得なくなった言峰綺礼。
その前に師である遠坂時臣の邸宅を訪れ、別れの挨拶を済ませると共に今までの働きと遠坂の魔道を修めた報酬として「アゾット剣」を授かる。
そして、時臣は遠坂邸に長く引き留めた謝辞を送って部屋から送り出そうとするが…
直後に綺礼は無防備な背後から時臣をアゾット剣で刺殺し言い放つ。
「いいえ…心配無用です、我が師よ…元より飛行機の予約などしておりませんので」
実のところ、綺礼は時臣の走狗としてではなく独自に動いており、その中で彼の持つ虚無的な部分に興味を持ったギルガメッシュから受けた教唆に従い、大人しく戦線離脱せずに自身の本質を問い続けるため、時臣を裏切ってでも聖杯戦争を戦い抜く決断を済ませていた。
ギルガメッシュも兼ねてから魔道に忠実な時臣の性格や鈍重な作戦に退屈を感じており、さらに綺礼から時臣の真意を知らされたことで不忠者の処刑を決意し、マスターの鞍替えに賛同し時臣を見殺しにしている。
事前に暗殺の準備をろくに揃えていなかったにもかかわらず、とんとん拍子で絶好の条件が整う様を綺礼は内心でほくそ笑み、ギルガメッシュからはその死に様を嘲笑され、遺体はさらなる愉悦への舞台装置として利用されるのだった。
この時の時臣の表情(通称:アゾット顔)はあまりの顔芸故にファンの間では伝説になっている。
しかし、10年後であるFate/staynightのセイバールートでは、綺礼から譲り受けた遠坂凛が主人公である衛宮士郎にアゾット剣を託し、終盤の一騎打ちで綺礼の心臓にアゾット剣を叩き込んで勝利しており、奇しくも師を殺した剣によって終止符を打たれることになった。
余談
『Fate/Zero』界隈では裏切りの象徴として思い浮かべるファンも多い様子。
その為か、pixivでは現行シリーズにおいて裏切る疑惑のある人物が上司を刺殺しているイラストが多く投稿されている。
アゾットネタが公式に認知されているのかは定かではないが、『Fate/Grandorder』では2015年クリスマスイベント『ほぼ週間サンタオルタさん』では、泥酔モードの荊軻が概念礼装『優雅たれ』を見て
「素敵! このヒゲのおじさま素敵―――! あ。ちょっときた。キュンときた。
私、この人暗殺してくる――! 後ろから刺したくなる顔してる―――!」
と言い残し、姿を消すというシーンがある。なお、このあと時臣氏がどうなったか、また荊軻の好みのタイプだったかは謎。
メイン画のイラストはこのシーンを元に描かれたものである。
また、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のOVAである『プリズマ☆ファンタズム』では、この世界における並行世界の言峰綺礼がイリヤに「破戒すべき全ての符」で後ろから刺される(=アゾられる)シーンが存在する。お祭り状態だったとはいえ、これも世界線を越えた運命だろうか。