さぁて、ぶん殴り合いのお時間だ。男女問わず倒れるまでやろうや!
プロフィール
概要
『Fate/Grand Order』に登場するバーサーカークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
「ブリュンヒルデ体験クエスト」にてフィンやブリュンヒルデと共に初登場。
メインシナリオでは第1部5章『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』にてケルト軍側のサーヴァントとして登場し、主人公と敵対した後に第2部1章『永久凍土帝国 アナスタシア』において叛乱軍のヤガを率いていたところを共闘する事になる。
真名
英文学最古の叙事詩と言われる『ベオウルフ』の主人公、「ベオウルフ」。
叙事詩の舞台となっているのは現在の南スウェーデンからデンマーク近辺。
物語は二部構成であり、第一部はベオウルフが十五人の部下と共に巨人グレンデルの退治に赴く話が、第二部は五十年後ドラゴンと死闘を繰り広げる老いたベオウルフが描かれている。
老いたベオウルフが戦ったドラゴンは、財宝を溜め込み、炎を吐き出すという、ファンタジーに登場するドラゴンの原型とでもいえる存在である。
彼が通常利用している2つの剣も魔剣と呼ぶべき存在であるが、ベオウルフの真の力はそこではない。
人物
一人称は「俺」。
サーヴァントクラスの1つであるバーサーカーの語源は北欧神話のベルセルクであるが、ベオウルフの名もまた、このベルセルクと関連性があると一部文献で伝えられている(根拠として、ベオウルフとベルセルクの名が、どちらも熊=ビーウルフを由来としていることが挙げられている)。
だが、老いてなおも理性を保ったままドラゴンスレイヤーを成し遂げた彼に、狂気はその片鱗すら浮かんでこない。
とはいえ、本作におけるベオウルフは全盛期で召喚されたこともあり、根っからの戦闘狂。
アキレウスやヘラクレスと出会うと「拳で語り合うしかねえ!」モードに入ってしまうとか。
実際メインストーリー中においても、ベオウルフと同じく若かりし姿で召喚された為に戦闘狂となっている李書文と出遭うや否や、互いに得物を捨ててのステゴロをおっ始めてしまう。
自ら無趣味であると発言しているが、それとは別に場のノリに合わせて役割を演じ、戦いを楽しもうとする傾向がある。
人理を脅かすクー・フーリン・オルタに召喚された際には、彼なりに思い描く悪党を演じてみたりしていた。
とはいえ根っこの部分では、後世に名君として語り継がれた紳士であり、戦う力を持たない原住民に対しては手を差し伸べて保護したり、神獣が顕現した際に発生した雷雲に危険を感じ、同じサーヴァントであっても子どもや女性達に避難を呼びかけるなどの一面も見せる。
実際、様々な戦場を経て最後に一番性に合っていると認めたのも、世界を救うための冠位時間神殿での戦いである。
イベントなどでは色んな意味で濃い面子の中、常識人として問題児を抑制する一方決して場の空気を悪くせず上手く立ち回り、楽しむ時は大いに楽しみ盛り上げるなど面倒見の良さと柔軟な対応の手腕が窺える。
第2部1章で再登場した際も反逆軍の頭目として荒くれの多い兵たちをキッチリ取りまとめ、自分を欠いた場合でも最低限は戦えるよう訓練を付けた上で、戦勝後の執政のイロハまで叩き込むなど、統率者として非常に優秀な側面を見せた(当然反逆軍のメンバーからの信望も厚かった)。
マスターに対しては、「悪いことをするなら目をつぶってやるさ。もっとも、限度はあるがな」と発言している。
ちなみにこんな性格の彼が、何故王として立派にやれていたのかというと、「王政に全く無関心であったが故に、私利私欲に走ることもなく、一切の汚点を見せなかったため」というカラクリがあったらしい。
真っ当に穏当に国を治め、国民を竜から守り抜いたベオウルフだったが、やっぱり政治は性分に合わなかったらしく「二度とやらねえ」とコメントしている。
能力
狂化のメリット及びデメリットはほとんど失われており、会話による意思疎通すら可能。
理性的な思考や判断が可能なお陰で、暴走や独断専行のリスクも少ない。
剣を操る英霊であるためセイバークラスへの適性も有しているが、彼の武勇伝では自らの肉体そのものを最大の武器とするため、バーサーカークラスこそ本領なのかもしれない。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | A | A | C | D | A | A |
狂化スキルの影響が極めて薄いため、このステータスで素の状態と考えられる。
ともすれば、敏捷と魔力を除いて全てがAランクというとんでもないレベルといえる。
欧州にその名を轟かす大英雄だけに、知名度補正も伊達ではないということか。
保有スキル
狂化(E−) | この英雄の真名そのものがバーサーカーという言葉に影響を受けている。理性はあり、高等な会話も可能。多少の凶暴性が残っている程度であり、ステータスにも何ら影響はない。 |
---|---|
ベルセルク(A) | 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化、格闘ダメージを上昇させる「勇猛」スキルと「狂化」スキルの複合。このスキルを使用すると同時、彼は本能のままに戦う獣と化す。 |
直感(B) | 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。バーサーカーとして召喚されたせいで、やや直感を無視することがある。 |
奮起の勇者(A+) | 「直感(B)」が変化したスキル。詳細不明。 |
戦闘続行(B) | 往生際がとことん悪い。特に老年期に入ってからもそのガッツは健在であり、火竜を仕留めるまで息絶えることはなかった。 |
堅忍の老境(A) | 「戦闘続行(B)」が変化したスキル。詳細不明。 |
宝具
源流闘争(グレンデル・バスター)
- ランク:A+→A++
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大補足:1人
「覚悟しろよ?」
「これが闘いの根源だ!要するに殴って蹴って立っていた方の勝ちってやつよ!オラオラオラァ!ぶっ飛べ!!」
自らが携える二振りの魔剣を手放し、ステゴロで相手を滅多打ちにするという、文字通りの野蛮で原始的な戦い方。その宝具の名にある魔人グレンデルとの戦いにおいて、奇襲されたために武器を持ち合わせていなかったにもかかわらず、怪物を素手で組み臥せその腕を引きちぎったという、凄まじい戦い方がそのまま宝具として昇華している。
実際、ベオウルフという英雄は武具による技巧よりも、無窮の武錬と天性の肉体を以て得た剛力を最大の武器としており、武具そのものからの恩恵自体は薄い英雄と言える。
この宝具を発動した瞬間、ベオウルフの身体ステータスは一時的に生前のものへと回帰。武器を手放して相手に突撃し、蹴る殴るのラッシュを浴びせ、トドメに渾身のブロウをぶちかます。
特別に対策するような理論にもとづいているわけでもない、原始の闘法であるがゆえに、「一度使用すれば見切られる」という特質の宝具やスキルを無効化することができる。
赤原猟犬(フルンディング)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大補足:1人
血の匂いを嗅ぎつけ、ただ振り回すだけで最適な斬撃を打ち込んでくれる魔剣。
一撃喰らわせるたびに、刀身に血液が流れ込み、赤色に輝き出す。
対軍系のビームのような派手さはないが、バーサーカーとしての膂力も相まってとにかく強引に勝負を決めることが出来る。
※読みはフルンティングと表記される場合もある。
詳細は該当記事を参照。
鉄槌蛇潰(ネイリング)
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大補足:1人
赤原猟犬よりも短めの鋼鉄製の剣…というより棍棒。
叩き潰すことを主な目的としたものであり、切れ味は無いに等しい。
なお、ある程度以上の回数使用すると破壊される恐れがあるが、破壊された瞬間は大ダメージを与えることが出来る。
原典は晩年の竜退治に用いられた、ベオウルフの愛剣。
元はフーグ人(フランク人)の戦士・デイフレヴンの剣で、彼を倒してそのまま簒奪したという。
またグレンデルの母である水魔を倒した「巨人の剣」も、この剣同様に使用後に壊れている。
どちらも「武器よりもベオウルフの勇姿や膂力を称える」ための存在として登場している。
ゲーム上での性能
元祖バーサーカーとあってなのか、☆4バーサーカーとしては攻撃よりのバランス型。
HP/ATKともに10,000を自力で超えてくれる。
《Quick:1/Arts:1/Buster:3》とカードバランスもバーサーカー。しかしArtsが3hitする恩恵で、バーサーカーとしてはNPの獲得はそこそこ良好。「虚数魔術」など初期NP50%以上が確保できる概念礼装を付けてArtsチェイン(手数をArtsカード一色で組むコンボ)に最後尾につけてやれば、割と楽に宝具解放までこぎ着けることが出来る。
その代わり「狂化」のランクが「E−」とほぼ補正がない状態に近いため、他の同格のバーサーカーに比するとBuster性能はそんなに高くない。
スキルは、1ターン自身の攻撃力と宝具威力をUPさせる「ベルセルク(A)」、クリティカルスターを供給する「直感(B)」、一度だけ戦闘不能から復帰する“ガッツ状態”になる「戦闘続行(B)」と、シンプルで使いやすいものが揃っている。
ちなみにこのラインナップは、魔術礼装「アニバーサリー・ブロンド」とほぼ同一。唯一、「ベルセルク」に相当するヶ所がBuster性能UPのスキル「魔力放出」に替わっている。
宝具「源流闘争」は、【敵単体に超強力な〔必中攻撃〕&クリティカル発生率DOWN】の効果。
必中が確定するため、回避状態付与のスキルを持つ相手でも確実に仕留めに行けるのが強み。宝具ランクも「A+」と威力補正が高く、さらに絆クエストをクリアするとランクが「A++」と星の聖剣と同格にまで跳ね上がる。
使い勝手が良くわかりやすい性能をしているが、やはりバーサーカー特有の打たれ弱さがネック。
思う存分暴れさせたい場合は、俗に言う「介護要員」と呼ばれる専属サポートが必要になってくる。
本領はやはり単体宝具の性能が最大に発揮されるボス戦なので、いっそ対ボス要員として控えに回ってもらい、いざという時に登場してボスを滅多打ちにしてもらうのが良いかもしれない。
2019年2月に強化クエストが実装。スキル「直感(B)」が「奮起の勇者(A+)」へと変化し、効果が「スター大量獲得(最大15個)」に加え「スター集中度をアップ(1ターン)+クリティカル威力をアップ(1ターン)」が追加。
これまでバーサーカークラス特有のスター集中度の低さ故に自身では活かしきれなかったスター生産だったが、集中度アップが追加した事により、周りにライダークラスがいてもほぼ全てのスターを独占できるようになった。
クリティカル威力も追加されたため、1ターン限りではあるものの宝具に加えて強烈な一撃を相手に与えれるようになる。
ただし自身のカードが2枚以上ある場合、生産できる15個ではクリティカル発生の確率が下がってしまう。ある程度戦闘や味方のスキルや宝具などでスターを稼いでから使用するか、毎ターンスターを獲得できる「2030年の欠片」、登場時にスターを大量獲得できる「ゴールデン捕鯉魚図」「聖女の教示」「オペレーション・フィオナ」などの概念礼装で足りない分を補填する必要がある。上記のスキル構成が似ている魔術礼装「アニバーサリー・ブロンド」と合わせるのもいいだろう。
因みに強化されたスキルの効果がランサーアルトリア【オルタ】の「最果ての加護」とほぼ同じである。
更に2020年12月に開催されたクリスマスイベントに合わせて2回目となるスキル強化が実施され、「戦闘続行」が「堅忍の老境(A)」に変化。効果は3ターンの間「自身のクリティカル威力UP+竜特攻付与+巨人特攻付与」と彼の逸話に沿った強化となった。
竜特攻はサーヴァントの中でも刺さる者は多く(アルトリアシリーズやエリちゃん等)、巨人特攻はスプリガンなどの強敵エネミーに強い。しかもゲオルギウスの宝具を使えば竜特攻は必ず入る上巨人特性の者にはW特攻となる(特に伊吹童子は元から両特性を持っている)。
加えてクリティカル威力も同時に付与されるので、奮起の勇者と合わせて使うと1ターン限りクリティカルを100%まで底上げ出来、更にWマーリンの英雄作成、陳宮の軍師の本懐と合わせる事でクリティカル威力が最大400%まで跳ね上がる。ここにバスターUPとカリスマによる攻撃力UP、特攻も入ってバスターチェインすればロマン砲と化する。
注意してほしいのが、3ターン持続するとはいえスター集中は1ターンしか持たないためその後はバーサーカーの星集中の低さがネックとなり、せっかくのガッツもタイミングが悪いと切れたタイミングで落とされる危険性もあるので見極めも肝心。
ヘラクレスが長期戦に強いバーサーカーならベオウルフは超短期戦に向きと考えた方が良い。
関連人物
生前
彼の従者として、最後まで戦いを支え続けた戦士。公式マテリアル内のテキストに記述があるためにサーヴァントとしての登場が有力視されている。
生前に彼が倒した魔人。
原典では武器を逸してやむを得ず素手で対峙したが、型月時空ではフェアプレイ精神から敢えて素手で相手取っていた。
決して見縊っていたわけではなく、むしろ変幻自在な変身能力と狡猾な性格を危険視し、倒すべき宿敵として認めてさえいた。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
バトルジャンキーな点は引かれ気味だが、それ以外の点では尊敬されており、パリスの幕間で英雄の何たるかを教えるために彼/彼女から推薦された。
「ブリュンヒルデ体験クエスト」で共闘。現れた美女に浮かれる彼に呆れつつも、英雄の本質的な部分で互いに共感している。
その後は第1部5章で同じ陣営に所属。
『FGO Material Ⅳ』によると、燕青、李書文と共に期待の目線で見ているらしい(もちろんステゴロ的な意味で)。2016年水着イベント『カルデアヒートオデッセイ』で直接対決した際は競り負けてしまった。
第1部5章では敵対関係であったが、直接対決はなし。
第2部1章では逆に共闘する立場となり、自身がまとめる反逆軍の副将としてサポーターに入った。
互いに根っこはアウトロー気質なので、馬が合う様子。
別の反逆軍勢力を取りまとめる、麗しき弓兵から変容したバーサーカー。
最初は両軍が衝突した際に遠方からお互いを視認した程度だったが、汎人類史から漂流してきたマスターの手引きで同盟関係を結ぶことになる。
その他
この英雄が名前の元ネタの、『魔法使いの夜』の登場人物。
余談
実は実装当初においてはゲーム中のマテリアルには、ベオウルフの名前がバーサーカー同様にベルセルク由来であるかのような記述がされていた(現在は修正されている)。
この点から、彼の独特なキャラクター付けは、誤解によって生じた部分も大きいと思われている。実際のベオウルフ叙事詩における彼は全盛期の時点で既にクレバーであり、おおよそ戦闘狂というイメージからは遠い。