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メインストーリー2部3章に登場する兵器。

別名「虎戦車」で、名前の意味は中国語で「多ければ多いほどいい」


概要

中国異聞帯の王である始皇帝が紆余曲折を経て接収した虚数潜航艇シャドウ・ボーダーを解析して得たデータを元に徴税車を改造して造り上げた無人装甲車両。


大まかな形状はシャドウ・ボーダーと似ているが、装甲が増設され車両先端部に虎の頭の模型を据えられたインパクト溢れるデザインが特徴。

傀儡兵の制御系統を流用しているため自律行動が可能で、必要に応じて始皇帝が遠隔操縦することもできる。

武装は車体上部に擲弾砲、虎の口内に火炎放射器を搭載。大質量・大出力を活かした体当たりも強力。


戦争が根絶し兵器開発のノウハウが廃れて久しい状況から一夜にして開発・量産体制の確立までこなせる始皇帝の力量を示す脅威の逸品……なのだが、肝心のスペックはオリジナルに遠く及ばず、しかも足りていない技術力を生産性に極振りした急造品なため耐久性はサーヴァントの力で容易に叩き壊せる程度しかない。(と言ってもゲーム上は中ボス〜強ザコに位置しておりそこそこ頑丈)


撃破時のエフェクトが爆発四散という他エネミーやサーヴァントとも違うエフェクトだったり、最初に戦う個体のバトルグラフィックに中破差分があったり、BGMがサンバだったりとネタ方面で作り込まれている。


中国異聞帯には存在しなかった新兵器として始皇帝陣営の男性陣には好評だったが秦良玉には呆れられ、これに襲われたカルデアの面々からも外見・性能共に総ツッコミされている。(1名除く)

特にシャドウ・ボーダーの開発に関わっていたダ・ヴィンチちゃんはあまりの劣化ぶりに一目見て「堪忍袋の緒が緊急パージ」とコメントしており、直後に大量の多多益善号が現れた際は「今すぐ対界宝具で焼き尽くして!」と叫ぶ程に激怒していた。


多多益善~口は災いの元~

多多益善とは多ければ多いほどいいの意味。


覇王項羽をやっとの思いで討伐した漢の高祖劉邦は戦後処理に追われる最中、妻呂雉の讒言を真に受けてかつての部下たちの大粛正に必死だった。というのも劉邦は軍略もダメ、内政もダメ、徳も低いの3点セットで知られ、軍略は張良韓信、内政は蕭何といった具合に他人に外注しっぱなしだった。(逆に唯一の美点は「いい加減にも見える大らかさとほっといても人が集まる謎の人気」であり、これは劉備にも通じる)


ある日、劉邦が韓信と英雄に関して論じ合った時のことである。

劉邦「如我能將幾何(ぶっちゃけオイラって将としてはどんだけ扱える?)」

韓信「陛下不過能將十萬(いやーざっと10万人ぐらいじゃないっすか?)」

劉邦「於君何如(はwwww? じゃあオメーはどうなんよ?)」

韓信「臣多多益善耳(多けりゃ多いほどいいっすね!)」


直後に笑って半ギレ気味に聞き返した劉邦へ韓信は「それを扱える王の方がスゲーんですって(汗」とその場ではなんとか取り繕ったが、この会話からして韓信の忠誠心には些かの疑問があった。そういったわけで劉邦も内心国士無双と讃えられていた韓信を畏れており、楚漢戦争の功労者であるにもかかわらず軍権を剥奪しては冷遇し、そこまでしても機を見ては誅殺すべしと讒言する臣下の者が後を絶たなかった。最終的に韓信は反乱を決意し実際に決起直前まで計画は進められたものの、様々なアクシデントが重なったことで情報が呂雉に漏洩し、最期は蕭何の手によって策にはめられ謀殺されてしまった。蕭何は自分を見出し劉邦陣営に引き抜いてくれた恩人でもあり、事に当たっては警戒心を絶やさなかった韓信ですらも心を許してしまったのだ。

(なお、劉邦は韓信を惜しむ余りこの謀殺を酷く悲しんでおり、疎ましくは思っていても憎からず思っていたことが覗える)


司馬遷は韓信に対して「寒門の生まれながら成り上がった韓信は、学を詰んで道を知り、傲るような態度を見せずに忠節を弁えていれば、太公望のように戦後も重宝されて子々孫々に栄えていただろうに」と評した。歴史通の間では「多多益善と大それた事を漏らしさえしなければ韓信もこんな最期にはならなかったのではないか」とよくこのように語られる。


余談

多多益善号との初戦闘時、故あってカルデアと行動を共にしていたコヤンスカヤだが、「百均ショップでも買わない」と酷評しておきながら後のイベントで自分の眷属として取り込んでいた事が発覚。

しかも目撃者の証言により虎部分を生体部品に置き換えたナマモノに改造されている事が明かされ予想外のチョイスにツッコミを入れるマスターが続出した。


元々コヤンスカヤは「汎人類史に存在しない魔獣を蒐集する」という目的があったのだが、中国異聞帯には固有種以前に魔獣そのものが存在しないため、生物的フォルムの多多益善号を異聞情報として「仕方なく」回収せざるを得なかったというのが真相。

純粋な機械なので眷属には出来ないと思われていたが、後に開示された能力の詳細で「毛が有る生物でなくても時間とコストをかければ眷属に出来る」という事が判明。

結局動物っぽいデザインが気に入ったらしく、使い魔にしたり、リペイント品を商品として売り出したりと活用している。


…商品にされた多多益善号の中には不正コピーされた挙句にデザイン性ガン無視の改造を施されてしまった哀れな個体もいる。


関連タグ

Fate/GrandOrder

始皇帝(Fate)

戦車


V-タイガー・ジェット遊戯王OCGにおけるポンコツ虎型メカ。多多益善号と同様に単体では無用の長物であるが、こちらは合体能力を持つ。

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