概要
史記を著述、もしくは編者したとされる歴史家。
中国前漢時代の人物。後世に残した影響は大きく、彼の残した史記は、歴史的だけでなく文学的にも重要視されている。
20代のころには中国各地を旅行している。その後漢王朝に仕え、同じく仕官していた父の跡を継ぎこの書物の編纂を始めるものの、単独行動の末捕虜となった将軍李陵に対し弁護したため牢獄に繋がれ宮刑に処せられる。その後大赦により牢獄から出て6年、本書は完成する。
また、歴史の考察や人物の評価においてはかなり合理的かつ辛辣であり、三皇五帝の伝説に対して、現実的にはあり得ないだろうと前置きしつつも、伝説の分布している地域に共通点があると言う理由で「歴史」としてまとめたり、天の意思や超常的な存在による運命の変化などは否定し、本人の運命はあくまでもこれまでの積み重ねの帰結であると言う立場を貫いている。
著作
司馬遷が登場する作品
- 横山光輝の史記⋯漫画の冒頭で司馬遷の生涯を載せている。
- 久松文雄:李陵⋯中島敦の李陵を原作とした漫画。原作や史実と違い、司馬遷が宮刑に遭った後も活躍し、武帝に刃向かっている。
- 学研学習まんが・中国の歴史⋯中国各地を旅し、孔子ゆかりの地を訪れたところ、地元の子供たちが孔子の名前を知らないこと見て大きなショックを受ける。その後宮刑に遭うのは史実と同じだが、司馬遷の生涯をドラマチックに描いている。