「鬼になります。子供達になんと思われようが、私自身が大きな壁となって、徹底的に厳しくやります。」
「愛する事と甘やかすことは違います。」
「いい加減目覚めなさい……」
「イメージできる?」
「一人一人の人間が持つ家族や、愛や、夢や、希望や、思い出や、友情を奪う権利は誰にもありません。」「どんな人にも、貴方の知らない素晴らしい人生が在るんだと。」
「学力や貧富の差がある難しい環境だからこそ、やり甲斐が在るとは思わないんですか皆さん。」
「今しか出来ない事はいっぱい在るんです。それをちゃんとやらずに、将来のことばかり気にするのはやめなさい!そんなことばかりしていると、何時まで経っても、何にも気付いたりしません。」
「自分で考えなさい!そんな事。」
概要
演:天海祐希
このドラマの主人公。半崎小学校6年3組の担任になった鬼教師。
いつもロングワンピース、シニヨン、靴など全て黒一色の服に身を包む。ある理由から首の詰まった服装を貫いている。
料理・ダンス・護身術など、あらゆることをそつなくこなす。ドラマ3話では自身の創作ダンスを披露し、生徒に行わせている。生徒たちからは下の名前の「真矢」で呼ばれることが多い(授業以外であり、本人の前ではちゃんと「先生」と呼んでいる)。
好きなものは蝶。特にモンシロチョウが好きだが、彼女が登場する際には高い確率で蝶が飛んでいる。
担任を受け持つ6年3組の児童のことは始業式の時点で熟知しており、それぞれの名前、生年月日、身長、体重などを完璧に記憶している。生徒や周囲の人間が間違えたことをしたり見当違いな発言をした際には上記の台詞を言い(少なくとも1話に1回は必ず言っている)、正論で言いくるめてくる。反抗されたり意見をされても手を変え品を変えて反撃してくるため抵抗すら許さない。
自宅の部屋には児童一人ひとりの学校生活の様子や、成績の詳細な分析データをファイルしてある。その自宅もアパートの一室であるが、生活というよりも多くの書物や生徒たちのデータや資料が保管してある倉庫または資料室のような部屋である(最終話で判明)。
また、問題になりやすい体罰や、成績による差別などの手法も躊躇なく児童たちに科している。さらに会話を録音、脅迫、プライバシーの侵害行為のように下手をしたら犯罪になりかねないことも迷いなく行う。
目上の人間にも臆することなく自分なりの信念を貫き通し、「たとえ何度クビになって再教育センター送りになろうと、教師を辞める気はない」と語り、ある理由から公立学校で教えることにこだわっている(本人曰く「子どもたちに貧富の差や学力差がある難しい環境だからこそやりがいがある」)。
児童たちの反抗や悪行もなぜかお見通しであり、前述のように付け入る隙など決して見せない。問題を起こしそうな生徒の前には場所や時間帯に関係無く(日曜日のような休みであっても)完璧と言っていいほどタイミングよく現れ、仮に後ろから尾行されていても必ず気づき、背後から回り込んで追い詰めてくる。
しかし、これらの言動は生徒たちに早いうちから社会の厳しさや理不尽さを知ってもらい、自発的な考えを身につけあらゆるトラブルに直面しても動揺しない鋼メンタルを築き上げるという目的も兼ねている節もあり、最終的には生徒たちや周りの教員からも徐々に信頼を得るようになる。
「耐える力や、解決する方法を身に付ける事なんです。」
「教育は奇跡を起こせるからです。」
「私は、彼に教えたの。「他人の痛みを知れ!」と。みんな、自分と同じ生身の人間なんだと。」
心根は大の生徒想いであり、生徒を見極め、生徒と保護者と、そして担任教師とも向き合う教師で居ようと想定を尽くしている。特にシゴキのターゲットにした生徒が危機にあった際は必ず助けに向かっている。
教育に対する信念は強固であるが、「自分が素晴らしい教師だと思ったことは一度も無い」とも述べており、葛藤を示しつつも、それを表沙汰に示す事は予め避けるようにしている。
「何やってるんですか貴方達は!!今は他に、やる事が幾らでも在るでしょう!こんな下らない事に、頭も時間も使うんじゃありません!!」
「言い訳しても許しません。」
最終話で行動の責任を取る形で担任を外され再び再教育センターへ送られることになり、惜しくも生徒たちと卒業式に臨むことは出来なかったが、出て行く直前に自分が伝えることを全て伝え、半崎小学校を去った。
「今はまだ、具体的な目標が無いのなら、とにかく勉強しなさい!」
校長の計らいで卒業式当日に学校に赴くが、そこで生徒たちと再会し、感謝の言葉をかけられる。涙を堪えているも、先生は最後まで私情を向けること無く、無情を貫き、鬼を貫き生徒一同を突き放す。
そして、生徒一同へ、各々の新学校へ向かう事を伝える。
「いつまで感傷に浸っているの?ここはもうあなたたちのいる所じゃないでしょう。」
「早く中学に行きなさい!」
そして、和美の中学初登校の朝に偶然ながらも和美と再会。「先生アロハ!」とあいさつして走り出す和美の姿を鬼教師に変貌してからは、誰にも見せなかった満面の笑顔で見送り、物語は終幕を迎える。
スペシャルドラマ二部作
「わたしは...!教師を辞めたくありませんっ!!」
「解らないなら学びなさいっ!」
「この世に生きてる人の未来を奪う権利は誰にも無いのっ!!」
「愛するのと甘やかすのは違います!」
「いい加減目覚めたらッ!!?」
スペシャルドラマ二部作では、かつては真矢もどこにでもいるような温和で優しい教師(それこそドラマ本編に登場した女教師・天童しおりそのままな性格)であったことが語られ、公立学校の教師を目指した動機が、不正をしたとされる私立学校の経営者である父親と強い確執を抱えて育った家庭環境にあったこと、首の詰まった服装に変わった理由、現在の鬼教師へと変貌した経緯が愛する家族を失った悲運な人生とも関わっていることなどが、長らく教員生活を絶たれるきっかけとなった2つの事件(※)の詳細と共に明らかにされている。全体を見ると、彼女が受けていた批判を本編で他者に行っていることがわかるが、前述の「自分を素晴らしい教師と思ったことは無い」というセリフはこのことを自覚しているからだと思われる。
話が進むごとに白から灰色へ服装が髪型と共に変わっていき、鬼教師へ近づいていっている。受け持つクラスも一部(白)で1組、二部(灰色)で2組、本編(黒)で3組と、変化している。
そして、再教育センターの研修を終えて半崎小学校への赴任が決まり、髪型をシニヨン、服装を黒に統一して完全に自らが選んだ鬼教師の道へと進むことになり、ここからドラマ本編へ入っていく。
※なお、キーパーソンとなる生徒たちと連絡を取り合っているのかは不明だが、本編の生徒たちに事件の一部分を第10話で語っている。
ドラマ本編(および番組ガイドブック)では断片的に張り巡らされスペシャルドラマで明かされたこれら裏設定の伏線と合わせると、真矢のもう一つの目的が、過去の自分自身及び今まで出会ってきた人たちの二の舞になることを未然に防ぐことでもあったとも断言できよう。
・・・・そしてドラマ放送から14年後
「それの何が面白いの?」
「ところであなた「マー」はできるかしら?」
「もっと大きな声で。」
「「ホホホイ」やってみて。」
「なぜクリームパンがないの」
「好奇心と探究心の無い人間は人間じゃありません猿以下です!」
時は過ぎて、この伝説的ドラマの存在も過去のものになりつつあった2019年12月31日。
ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!年末スペシャル絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時にて衝撃の再登場を果たした。当時と何一つ変わらぬブレないキャラクターのまま、視聴者の腹筋とガキメンバーのケツに強烈な一撃を見舞い、女王の威厳を見せつけた(※1)。
尚、本企画では舞台である「県立ヘイポーお豆ヶ丘高校(通称:豆高)」の理事長に就任しており、名実共に女王となった。
ドラマの世界観からは完全に離れた舞台においてもそのストイックさは健在であり、5人のプロフィールを説明する際に、あまり触れてほしくない情報を容赦なく暴露したり、遠藤や方正にそれぞれ今となっては黒歴史同然の古い持ちネタのギャグ「ホホホイ」「マー」をやらせたり、それを交換させてお互いに向かい合うようにやらせたり、ガキメンバー全員にやらせるなど、6年3組の時とはまるで意味の違う『地獄』を5人と視聴者にそれぞれ味合わせた。
さらにクリームパンが大好物(※2)と言う設定が出てきて、売り切れという事で購買部のパン屋さんを責め、さらには憂さ晴らしと言わんばかりに、パン屋さんに対して唐突に「マー」をやれと無茶振りするという大人げない一面を見せた。
※1…ただし、途中何度かガキメンバーのギャグに耐えきれずに素で笑ってしまい、慌てて顔を背ける場面があった(実は天海はお笑い系が大好きな笑い上戸であり、他のバラエティ番組にもゲストで出演したこともある)。
※2…ちなみにクリームパンは天海の大好物でもある。
逸話
役作りによる緊張感を持たせるため天海は生徒役達とは現場でも距離を置いていた程徹底していたとのこと。ただし、演技に関する相談を生徒役側から持ちかけられた時は例外だったという。
そして、ドラマのクランクアップの時には生徒役全員に、天海自身の手で本当の卒業式さながらに『卒業証書』を手渡し、その際には「本当はみんなとたくさん遊びたかったし、たくさんしゃべりたかったけど、生徒役に立ち向かうのは怖くもありプレッシャーでもあった」と抑えていた想いを、涙ながらに語った。
また、ドラマを観た視聴者(特に子供達)への配慮も気を配る事を欠かさなかったという。
なので、重い話ばかりがある訳じゃなく、場を和ませるシーンも取り入れたり、空気を柔らかくさせる個性的な登場人物が出演したり、各々の担任教師が過去の失敗と境遇を学んで行く描写もちゃんと存在する。
なお、よく「視聴者が本編を観て憂鬱になった気分を後々に引きずらせない為に、本編内にクスッと笑える明るめのシーンを取り入れたり、エンディングが物語の内容とはほぼ不釣り合いな程に爽やかな音楽(EXILEの『EXIT』)だったり、素の姿となった天海を先頭に登場人物達が和気あいあいと軽やかなダンスを踊る明るい内容だったりしたのも、天海からの提案」という説が出回っているが、後に天海本人が否定しており、彼女自体は「最後まで厳しいままで」という案を押し通していたとのこと。
ちなみに、エンディングにおいてセンターで踊る天海が作中の真矢とは180度正反対な容姿と雰囲気であった事から、同一人物である事に気づかなかった視聴者もいたという。
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演歌の女王ギャグコメディ路線。今作、女王の教室のセルフパロディが登場する。