概要
日本テレビ系の水曜ドラマ枠にて2019年10月9日から12月18日放送のテレビドラマ。
主演は、高畑充希。同じく高畑主演の「過保護のカホコ」のスタッフが集結している。脚本もドラマ「女王の教室」、「家政婦のミタ」などを手がけた遊川和彦が担当している。
自身の故郷と本土との間に橋を架けるという夢を果たすために上京し、大手ゼネコンに入社した新人女性社員北野サクラと、4人の同期社員たちの群像劇であり、過去10年間を1年1話と現代の1年間の時代で描いている。物語は、第1話、第7話以降を除き、その回の中心人物が病床のサクラに語りかける形で進んで行く。
登場人物
花村建設
2009年同期入社組
- 北野サクラ(演:高畑充希)
1989年3月31日生まれ。新潟県の離島・美咲島出身。最終学歴は高等専門学校卒業。住まいは「カーサ美良 202号室」。血液型はAB型。普段は標準語かつ敬語で話すが、祖父・柊作に心の中で話したり、感情的になると新潟弁になる。どんな困難が降りかかってきても、決して自身の考えを曲げない強さを持っているため、忖度できない面がある。
出勤中に気になった建物やオブジェを見かけては写真撮影をするのが日課だが、それが原因で始業時間直前に到着することが多い。片足を後ろに下げて、引き気味に撮影を行ない、撮影後に「いい…非常にいい」と言葉を発する。同期たちとの問題の解決後には記念写真を撮り、問題を解決するきっかけとなるFAXで送られた柊作からのアドバイスとともに自身のアパートの部屋に飾っている。
口癖は「いい…非常にいい」の他に「私には夢があります!」。動作の癖は納得いかないことが発生すると「スーッ」と息を吸ってからダメ出ししたり、驚くとしばらくしゃっくりが止まらなくなったり、言いたいことを言えずに堪える場面では、貧乏ゆすりをしたりする。嘘をつく時には早口になる。
柊作から贈られたスーツを入社以来、布団の下で寝押しして着用していたが、入社4年目に新たなスーツが贈られた[注 7]。私服は島に唯一ある洋品店のお薦めを着用しており、同期たちから「懐かしい感じのファッション」と評されるほど個性的である。百合の接待に同行した時には、3年間同じスーツしか着ていないことを知った百合が見かねて見立てた三ツ星レストランにふさわしい洋服がプレゼントされた。
柊作とのFAXでの近況のやりとりを欠かさず、壁にぶつかった時には「じいちゃんの(作った)コロッケが食べてぇ」と綴るが、返信された言葉に励まされ奮起する。
普段は酒を飲まないが、たまに飲んで酔ったときは泣き上戸になる。
8歳の頃、母が島の診療所で治せない病気にかかり、台風で本土への定期便が欠航になった中、父が無理矢理船を出して二人とも亡くなったため、橋があれば両親が死なずに済んだかもしれないという思いから、故郷の離島と本土との間に橋を架けることが夢。夢を実現するべく島民たちの長年の願いだった橋梁工事を請け負うことになった花村建設に入社。また小学校時代からサクラ一人だけのクラスだったため、同世代の仲間たちと過ごすことにも憧れていた。新人研修後は故郷の島に橋を架けることだけでなく、一生信じ合える仲間をつくることと、その仲間とたくさんの人を幸せにする建物を造ることが新たな夢として加わった。
土木課への配属を希望していたが、上述の頑固な性格故に土木課に配属されるどころか別の部署に配属され、しまいには子会社に左遷されるなど散々な結果となり、祖父の死をきっかけに天涯孤独の身となり自暴自棄に陥ってしまい、休職することに。その後、何とかスランプを乗り越えたが、少年を助けるために道路へ飛び出し救助したが、その代わりに自身がバイクに轢かれ、意識不明の重体となったが、奇跡的に意識を取り戻した。
- 月村百合(演:橋本愛)
東京都出身。慶応大学卒業。両親が土建業を営んでいる。
自分が抱いている夢に向かって常に真摯であり、そのために常に自分の居場所を探し求めている。新人研修中、すぐに首を突っ込み、忖度できない性格のサクラに「あんたみたいに生きられる人なんていないの!」と激怒したことがある。
新人研修を終えた後、広報部への配属が決まった。才色兼備で、周囲への気配りもよく「ミス広報部」と呼ばれている。
2011年3月に寿退職を考えたが、サクラと向き合ううちに仕事をもっと頑張りたいと思えるようになり、結婚を取りやめ仕事を続けることを決意する。サクラとはそれを機に友人同士になり、苗字ではなく下の名前で呼び合うようになる。また、使い放題だったクレジットカードを両親に返却して、私生活を改めるようになる。
2018年、主任に昇格。
2019年、シングルマザーとして長女・夢(ゆめ)の母となる。娘の名はサクラの口癖から採られていて、出産に駆け付けた葵が提案し自身も賛同する。出産直後、葵の他に菊夫、蓮太郎も駆け付け、FAXを送る演出をしてサクラを励まそうとすることを提案し、彼らも賛同してくれた。
- 木島葵(演:新田真剣佑)
東京都出身。帰国子女。花村建設の社長を目指すと明言する野心家。父と兄は高級官僚。酔うと笑い上戸になる。
中学時に、父の浮気が原因で母が豪邸を出ていった。
家庭では父からは幼少のころから勉学・スポーツ共に成績優秀な兄と比較されており、今も父と兄から蔑まれているため、2013年当時は2人に認められたいと願い、会社で頑張っていた。
新人研修を終えた後、都市開発部への配属が決まった。
2013年9月、社長賞を受賞する。直後にベイサイドエリアの開発プロジェクトが凍結となり、父と兄、及び、都市計画部の部長から評価されていないショックから一時は自殺を考え、それを見かねたサクラが同期を集めて励まされる。のちに、父と兄が花村建設にやってきたときに本音をぶつけたものの、それが彼らの逆鱗に触れてしまう。このことが原因で土木部に異動となった。サクラに励まされて以降は彼女に思いを寄せていて、同様に彼女に思いを寄せている菊夫とはライバル心を燃やしている。
2015年11月、美咲島橋建設工事住民説明会当日、基礎工事で注入するコンクリートのセメントの量が本来入れるべき割合より少ないために強度が弱くなっていることを見つけてサクラに伝える。
- 清水菊夫(演:竜星涼)
熊本県出身。有名私立大学卒業。妹がおり、実家に仕送りをしている。
応援団出身で自分よりも頑張っている人の力になりたくて応援するほうが好き。
何事にも熱くなれる性格なのだが、サクラのように将来的な目標が定まっていない。
新人研修を終えた後、営業部への配属が決まった。
2010年10月に、大学の先輩でもある上司の桑原からパワハラを受け、超過労働によって倒れる。自分が何のために働いてるのかが分からなくなっていたところ、サクラから祖父の言葉を送られ、自分の弱さと向き合い、自分がやるべきと思った仕事をやりたいと桑原に宣言。それ以降はサクラに思いを寄せている。
東日本大震災以降はボランティアに参加し続け、熊本地震で地元の友人や親戚が被災してからは、自分のいるべき場所は大手ゼネコン会社ではないと考え、2019年に花村建設を退社し、ボランティア活動を行なうNPO法人で働いている。
- 土井蓮太郎(演:岡山天音)
東京都出身。二浪して大卒。一級建築士を目指す。実家はラーメン店。
何事にもコツコツ取り組む努力家ではあるが、前向きな考え方に持ち込めず、壁にぶちあたると他人のせいにする傾向がある。ラーメン店を営む両親に嫌気が差し、自室に閉じこもってはネットに愚痴をぶつけるという生活を送っていた。実家ではゲームをしていることが多いため、サクラからすみれの娘・つくしとゲームの相手をするように頼まれたことがある。その後も、つくしとゲームの相手をするようになり、それにつれてすみれとも親しくなり、彼女と付き合い始める。
新人研修を終えた後、設計部への配属が決まった。
入社以来、百合に思いを寄せており、百合が寿退社しようとしていた際に告白したが振られる。
2012年9月、一級建築士の試験に落ち続けていることを同僚からいじられたり、上司から社内コンペの時間変更をわざと一人だけ知らされず追い詰められた末に暴走を止めようとしたサクラを負傷させて無断欠勤を続けていたが、サクラたちの励ましで自信を取り戻し、自分で勝手に孤独な世界に閉じこもっていたことを反省して、部署内でコミュニケーションをとる姿勢を見せた。
2015年11月、一級建築士の資格を取得。
2019年にすみれと結婚した。
人事部
- 火野すみれ(演:相武紗季)
人事部勤務。サクラたち新人社員の研修を担当し、配属先決定後は先輩としてサクラと関わっている。サクラとは10歳離れており、働く母としても奮闘中。
2014年10月、女性活躍促進セミナーのプロジェクトチームリーダーに就任するが、椿や米田からの講演とは直接関係ない部分にまで至る理不尽な要求の対応に追われる中、娘・つくしとの関係も上手くいかなくなり心が折れてしまう。しかし講演会当日、著書の宣伝や手抜きともいえる講演内容に社長と椿に意見し、働く女としても、母親としても中途半端な人間だったが、つくしやサクラを見習って、どんなにつらいことがあっても自分にウソをつかないで生きることを決心し、つくしとも和解した。サクラのいる住宅展示場に訪れ、今まで面倒くさくて見るのを拒み続けた建物写真を見て感心し、これからは相談にのることを彼女に伝えた。その後は社史編纂室に異動となったが、2018年に人事部に復帰した。
2012年時点で離婚してシングルマザーだったが、2019年に蓮太郎と結婚した。
- 黒川森雄(演:椎名桔平)
人事部長。サクラの面接官を担当し、周囲の反対を押し切って採用した人物。3週間、サクラたち新入社員を正式配属まで預かり、それぞれの配属先を決定する重要な責務を負い、入社式や新人研修での言動で採用取り消しになりかけたサクラを預かる形で、人事部で上司として深く関わっていくことになる。
2015年、常務取締役に昇進。2019年、副社長に昇進。
2018年1月、欠勤し続けているサクラに解雇予告通知書を送り本社に呼び出した際、入社試験でサクラの面接を担当し、会社に活を入れる起爆剤になると考え、大勢の反対を押し切って彼女を採用した経緯を話した。そのときにサクラから提出された退職願を受理せず預かったままにしていたが、2019年11月、サクラの病室を訪れ、1年以上会社を休んでいることを理由に、11月30日付での解雇通知書を置いていった。
関連タグ
同期の桜:恐らくタイトルの元ネタ。