概要
古代(こだい、英語:antiquity)とは、世界の歴史の時代区分で、文明の成立から古代文明の崩壊までの時代を指す。「歴史の始まり」を意味する時代区分である。
「古代生物」といった場合は「過去に存在していた生物」を意味しており、歴史学の「古代」に存在した生物ではない。
古典的な三時代区分の一つであり、元来は古代ギリシア・古代ローマを指した(古典古代)。歴史家にとっては語ることのできる歴史の始まり(書き出し)を意味した。考古学の発達が歴史記述の上限を大幅に拡大したと言える。
発展段階史観では無階級社会の原始に対し階級社会の古代へと発展したと理解し、古代を階級社会の第1段階であると捉えている。古代社会または古代奴隷制社会という。
世界史的には奴隷制段階の古代と定義、区分する。こうした学説では古代とは奴隷が生産の主体を担った発展段階と定義される。しかし今日ではこうした単線的発展段階説は疑問視されている。
現に古代とされる時代に多くの地域で奴隷的存在は普遍的に見られたが、古典古代とよばれる古代ギリシア、古代ローマの一時期のように、そうした人々が生産の主体になっていた社会は必ずしも多くないとされる。他の諸国では複雑な形態をとった原始無階級社会から階級社会への発展がみられた。
西洋芸術史においては、この後ルネサンスまで長期停滞の時代を迎えるため非常に伝説視される時代である。
各国の古代
古代の始まりと終わりについては、政治史的観点と社会史的観点から様々な説がある。代表的なものは次のようになる。
西洋史
- 西ローマ帝国の崩壊(476年)まで。
東洋史
- 聖徳太子の政権掌握(593年)から、1160年代の平氏政権の成立あるいは1185年の鎌倉幕府の成立まで。
- 律令制国家として、奈良時代と平安時代を指す場合もある。
- 韓国・朝鮮史
新羅の成立(紀元前57年)から後三国時代の終わりまで(936年)。