注意
この項目は『刀剣乱舞』の敵方である歴史修正主義者とは関係なく、主として歴史学などにおけるものの説明である。
概説
従来の歴史における通説や定説に異議を唱え、新たな歴史観に基づく再解釈を要求したり、新しく発見された史料をもとに、歴史記述を見直そうとする試みのことであり、英語ではHistorical revisionismと表記される。
(ただし、詳細は後述するが、歴史修正主義(者)とは、元々は自称であり、上記の定義は歴史修正主義を自称していた者達に都合の良いものである事に留意)
修正主義と呼ばれることもあるが、これは社会主義に関する用語とかぶりややこしいため、使用は推奨されない。
通俗的な意味
今日一般的な意味としては、それまでの歴史学の成果を無視し、捏造された「証拠」を根拠にしたり、都合の悪い事実をなかったことにしたり、文献等を曲解して歴史を再構成する試みに対し、オーソドックスな歴史学を支持する側から批判的に使われる事が多い。
元々は、自国の歴史を肯定的に捉え直すものに限って用いられる用語ではなく、また思想的に偏向した歴史観に限って用いられる用語でもなかったのだが、西欧においてホロコースト否定論者、否認主義(仏:Négationnisme )の立場をとる人々がこの名称により自らを定義したことによりネガティブな意味を持つことになった。
つまる所、(悪い意味・狭い意味での、もしくは「否認主義」の意味での)「歴史修正主義」と「ちゃんとした歴史学者がやったが単なる間違っていただけの学説」は違うものだが、前述の通り(悪い意味・狭い意味での、もしくは「否認主義」の意味での)歴史修正主義者の目指すものが「現在の歴史学上の定説が、新説から定説になるまでの歴史学の歴史そのものを無かった事にして、今の定説以前の古い定説を再び定説にしようとしているだけ」である以上、ちゃんとした歴史学者が提唱してはいるが、斬新な学説や新しい知見・証拠に基く学説、更には単なる間違っていた学説に「歴史修正主義」のレッテルが貼られてしまう事すらも、(悪い意味・狭い意味での、もしくは「否認主義」の意味での)歴史修正主義者の思う壺なのである。
第二次世界大戦後、歴史修正主義をめぐる論争は盛んになった。ホロコーストもこれに対抗するような形で研究が進み、その存在を改めて証明する必要がない段階にまで研究が進んでいる(歴史家の言葉を借りれば「ローマ帝国の研究者がローマ帝国の存在を再検証するようなもの」)。
歴史家デボラ・リップシュタットは否定論者デイヴィッド・アーヴィングとの裁判において5年と160万ドルというコストをかけて勝利し、裁判中アーヴィングから誤りを認めさせることに何度も成功したものの裁判後も同じような主張をした彼や、彼の主張を引き合いにする否定論者が後を絶たないことなどを例にあげて「対等に論じられる存在ではない」と批判している。
関連タグ
歴史 歴史学 考古学 修正 偽史 伝説 妄想 捏造 疑似科学 陰謀論 研究不正
ホロコースト 江戸しぐさ 韓国併合 関東大震災 日中戦争 東京裁判 - よく歴史修正主義者のターゲットとなる事柄。
差別主義者:主に歴史修正を行なう者。