詳細
沿革
1984年、「日本一美しい牧場を作る」をモットーに、前田幸治が北海道新冠町に有限会社「マエコウファーム」として設立。
1997年、名称を「ノースヒルズマネジメント」に変更。
2002年、生産馬サンデーブレイクで海外重賞初制覇。日本産馬初のアメリカグレードレース制覇でもあった。
2003年、鳥取県伯耆町にトレーニング施設「大山ヒルズ」を開設。
2009年、株式会社へと組織変更を行い、「ノースヒルズ」に改称。
2014年、生産馬ワンアンドオンリーで東京優駿を連覇。
2017年、北海道日高町に中期育成牧場「ノースヒルズ清畠」を開設。
新冠本場
競走馬の生産、育成を行っている。設立の拠点でもある最初の牧場であり、120ヘクタールの敷地面積を持ち、繋養繁殖牝馬は2022年時点で71頭。生産者が「ノースヒルズ」となる競走馬は全てここで生産された馬である。2017年にノースヒルズ清畠が開場するまでは中期育成もここで行っていた。
大山ヒルズ
競走馬の調教、育成を行うとともに外厩として競走馬が放牧の際に入厩する牧場でもある。
ノースヒルズ清畠
当歳10月から1歳9月までの間、所有馬が中期育成を受ける育成牧場。開場初年度から無敗三冠馬コントレイルを含む6頭の重賞馬を送り出している。
海外での生産
ノースヒルズ及び関係者の所有馬を欧州やアメリカの生産牧場に委託し生産を行っている。ビリーヴやヘヴンリーロマンスといったGI馬、ブランボヌールやスカーレットカラーといった重賞馬も海外で繋養されている。
ヘヴンリーロマンスの産駒ラニは、「日本生産日本調教で日本でGⅠを勝ちアメリカで繋養されている母を持つ、アメリカ生産日本調教でドバイで重賞を勝ちアメリカ三冠競走を皆勤した馬」という頭がこんがらがりそうな肩書きを持つことになった。
また、ラニやアウォーディー、ジャンダルムの生産者は"North Hills Co Limited"となっているが、所有馬のヘヴンリーロマンスやビリーヴをアメリカの牧場に委託して生産しているため、正確にはノースヒルズ生産ではない。
主な生産馬
- ファレノプシス:桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯など
- ノーリーズン:皐月賞など
- ヘヴンリーロマンス:天皇賞(秋)など
- トランセンド:ジャパンカップダート、フェブラリーステークス、マイルチャンピオンシップ南部杯など
- アーネストリー:宝塚記念など
- ビートブラック:天皇賞(春)など
- ヒットザターゲット:京都大賞典、目黒記念など、JRA重賞40戦連続出走&通算42戦出走(最多記録)
- キズナ:東京優駿など
- アップトゥデイト:中山グランドジャンプなど
- グレイスフルリープ:コリアスプリントなど
- ワンアンドオンリー:東京優駿など
- コントレイル:ホープフルステークス、皐月賞、東京優駿、菊花賞、ジャパンカップなど
- ラムジェット:東京ダービーなど
馬主として
オーナーブリーダーとして自家生産馬を所有するほか、セールでの購入馬を所有している。また、海外、特にアメリカのセールでも多くの馬を落札している。コントレイルの母であるロードクロサイトなどが代表例。
名義が複数に分かれており、勝負服も異なるが、実質的には代表の前田幸治がオーナーであり、ほとんど同じである(納税責任などは異なる)。また、その関係上名義変更が起こることもある(例:コントレイル、ノースヒルズ→前田晋二)
名義 | 図柄 | 備考 |
---|---|---|
ノースヒルズ | 水色赤十字襷、赤袖 | |
前田幸治 | 水色赤十字襷、赤袖水色一本輪 | 代表 |
前田葉子 | 水色赤十字襷、赤袖水色二本輪 | 幸治の妻 |
前田晋二 | 水色赤十字襷、赤袖水色三本輪 | 幸治の弟 |
前田幸貴 | 水色赤十字襷、水色袖赤一本輪 | 幸治の長男 |
前田幸大 | 水色赤十字襷、水色袖赤二本輪 | 幸治の次男 |
主な所有馬
ノースヒルズ(旧ノースヒルズマネジメント及びマエコウファーム)名義
- ハッピールイス:中山大障害など※1
- ファレノプシス
- レギュラーメンバー:ダービーグランプリ、川崎記念、JBCクラシックなど
- ギルデッドエージ:中山大障害など
- スティルインラブ:桜花賞、優駿牝馬、秋華賞など
- ヘヴンリーロマンス
- コントレイル※2
※1前田幸治名義から変更
※2前田晋二名義に変更
前田幸治名義
- ハッピールイス
- サンデーブレイク:ピーターパンテークスなど
- ビリーヴ:スプリンターズステークス、高松宮記念など
- ロジック:NHKマイルカップなど
- ローブデコルテ:優駿牝馬など
- トランセンド
- アーネストリー
- オーブルチェフ:全日本2歳優駿など
- ビートブラック
- アウォーディー:JBCクラシックなど
- ワンアンドオンリー
- ジャンダルム:スプリンターズステークスなど
- ラムジェット
前田葉子名義
前田晋二名義
前田幸貴名義
- ブレイキングドーン:ラジオNIKKEI賞など
- ビアンフェ:函館2歳ステークス、函館スプリントステークス
- アブレイズ:フラワーカップなど
前田幸大名義
- レオノーレ:3歳以上2勝クラス
※2022年11月時点で重賞勝ち馬なし
余談
- 2013年・2014年で生産者として東京優駿(日本ダービー)を連覇している。東京優駿を連覇した生産者は下総御料牧場、小岩井農場、シンボリ牧場、ノーザンファームに続く5例目。「日本ダービー」の副題が付くようになってからはシンボリ牧場とノーザンファームに次ぐ3例目。
- 現在は冠名を使用していないが、マエコウファーム時代の初期は「マエコウ」の冠名を付けた馬もいた。