概要
岩手県雫石町にある日本最大の民間総合農場。敷地は3,000ヘクタールあり、雫石町と滝沢市にまたがる。
三菱系で、東京都に本社を置く小岩井農牧株式会社が経営している。
主要な子会社は小岩井農場商品株式会社、小岩井農産株式会社、有限会社フォレストサービスなど。
沿革
1891年、日本鉄道会社副社長の小野義眞、三菱社社長の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝が共同で設立し、3人の姓から「小岩井」農場と名付けられた。痩せた火山灰地で、基盤整備には数十年を要した。
1899年、三菱のオーナー・岩崎家の所有となる。
1907年、イギリスから繁殖牝馬20頭を輸入し、これが小岩井農場の競走馬の基礎牝馬となった。
1949年、GHQの勧告により競走馬の生産から撤退。
1962年、種鶏事業を始める。
1976年、麒麟麦酒株式会社(現・キリンホールディングス)との折半出資により乳製品を製造・販売する小岩井乳業株式会社が設立された。
育馬事業
日清戦争、日露戦争で欧米と日本の軍馬の格差が問題となり、1907年に馬政局が設置され馬産振興を名目に日本における近代競馬が始まった。
当時は個人が海外から繁殖牝馬を輸入するのは難しく、資本力のある国(御料牧場)や財閥がその役割を果たした。御料牧場や小岩井牧場は輸入馬から生産した牝馬を国内の生産牧場に売却し、外国の優秀な血統の普及をはかった。
小岩井農場の基礎輸入牝馬
1907年、小岩井農場はイギリスから種牡馬(インタグリオー)と共に20頭の繁殖牝馬を輸入。その子孫は現在の日本でも繁栄している。
- ビューチフルドリーマー:主な産駒は第三ビューチフルドリーマー、チェリーダッチェス、種義など。
- フロリースカツプ:主な産駒は第四フロリースカツプ、第九フロリースカツプなど。
- アストニシメント:主な産駒は第弐アストニシメント、第三アストニシメント、第五アストニシメントなど。
- プロポンチス:主な産駒は第弐プロポンチス、第四プロポンチス、種秀など。
- フラストレート:主な産駒は第三フラストレート、第四フラストレートなど。
- ヘレンサーフ:主な産駒は第四ヘレンサーフなど。
- キーンドラー:主な産駒は第四キーンドラーなど。
- エナモールド:主な産駒はコイワヰ、第三エナモールドなど。
- ライン:主な産駒はシンコイワヰなど。
- フエアペギー:主な産駒は第弐フエアペギー、第三フエアペギーなど。
- ウエツトセール:主な産駒は第六ウエツトセールなど。
- ボニーナンシー:主な産駒は第弐ボニーナンシー、第五ボニーナンシーなど。
- ラヴァレリー:主な産駒はラングトン(持ち込み馬)など。
- クロンフアート:主な産駒は第三クロンフアート、第四クロンフアートなど。
- イリタント:主な産駒は第三イリタント、第十三インタグリオーなど。
- カウンテスケンダル:主な産駒は第十三インタグリオー、第弐カウンテスケンダルなど。
- グードフエイス:主な産駒は第二十四インタグリオーなど。
- パルムビーチ:主な産駒はペリゴオド(持ち込み馬)。
- ミスモルガン:主な産駒はカゲツ。
- ハンプトンチエリー:輸入直後に死亡。
関連タグ
岩手県 三菱 酪農 養鶏 競走馬 生産牧場 宮沢賢治 セントライト