ビッグアーサー
びっぐあーさー
生年月日 | 2011年3月18日 |
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欧字表記 | Big Arthur |
香港表記 | 大仁義勇 |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | サクラバクシンオー |
母 | シヤボナ |
母の父 | キングマンボ |
生産 | バンブー牧場(北海道浦河町) |
調教師 | 藤岡健一(栗東) |
主戦騎手 | 藤岡康太、福永祐一 |
戦績 | 15戦8勝(JRA14戦8勝 + 海外1戦0勝) |
獲得賞金 | 2億9981万円 |
1993年・94年スプリンターズステークス連覇の名スプリンターサクラバクシンオー晩年の産駒。この「シヤボナの2011」が生まれた約1か月後の2011年4月30日、バクシンオーは現役種牡馬のまま心不全で22歳の生涯を閉じている。
2019年生まれの半弟セキフウ(父ヘニーヒューズ)はダート戦線で活躍しており、兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)・エルムステークス(GⅢ)の重賞2勝。
2014~15年(3~4歳)
競走馬デビューは大幅に遅れ、既に新馬戦の終わった3歳の4月。未勝利戦(福島競馬場芝1200m)でレース経験馬を相手に道中好位から抜け出し、2馬身半差の快勝でデビュー戦を飾った。
しかし、負傷によりこの1戦のみで再び約10か月の治療休養を強いられる。
2015年2月に復帰。キャリア1戦のみで古馬となってしまったビッグアーサーだが、その後6月まで条件戦で勝ち続け、デビューから通算5連勝でオープン入りを果たした。
重賞初挑戦となった2015年8月の北九州記念(GⅢ)はベルカントの2着。続くオパールステークス(OP)は勝利したものの、京阪杯(GⅢ)2着、阪神カップ(GⅡ)も3着と、あと一歩重賞勝ちには届かず4歳シーズンを終えた。デビュー以来騎手を務めた藤岡康太もここで主戦交代となった。
2016年(5歳)
2016年は1月のシルクロードステークス(GⅢ)で新たにミルコ・デムーロを鞍上に迎えて始動するも5着と、初めて馬券を外した。
3月の高松宮記念、重賞勝ち鞍のないビッグアーサーは収得賞金がかなり微妙な状況だったが何とか出走枠を確保。福永祐一を鞍上に1番人気(3.9倍)に推されると、直線でミッキーアイルを抑え、初重賞勝利をGⅠで飾った。
続くセントウルステークス(GⅡ)も逃げ切り完勝で、重賞2連勝。
2016年スプリンターズステークス
ちなみにビッグアーサーは、デビューの遅れた3歳未勝利戦こそ4番人気だったが、治療休養明けの2戦目から常に1番人気に推されてきた。
次は10月のスプリンターズステークス。高松宮記念で春のスプリント王に輝き、秋初戦のセントウルSも完勝。しかもこのレースでは1枠1番を引いた。中山競馬場芝1200mはカーブの緩い外回りコースを使い、さらにスタート直後から下り坂が続くため、高速展開になりやすく内枠が有利のコースとされる。
こうした要素が揃い、今回もビッグアーサーは単勝1.8倍の圧倒的1番人気に推された(12戦連続)。
しかし。スタートから内ラチ沿い5番手に控えたビッグアーサーは、最終コーナーで後方集団が殺到する中、完全に前が詰まり馬群に包まれてしまった。この時のラジオNIKKEI・小塚歩アナの
「ビッグアーサー、前が壁!!」
の実況はこのレースを象徴するものとして有名であり、競馬ファンからなにかとネタにされがちである。
福永も何とか突破をはかり、やっと外に脱出口を見つけたかにみえた時、先んじてそこを駆け抜けつつ先行集団をブッ差していったのは、ミルコ・デムーロの駆る勝ち馬レッドファルクスであった。
1着から5着まで「アタマ・クビ・クビ・ハナ」差という混戦の中、ビッグアーサーは最後まで馬群に埋もれ12着に敗れた。
引退後はアロースタッドで種牡馬となった。2021年に初年度産駒がデビュー。
血統にサンデーサイレンスを含んでいないため相手の繁殖牝馬の縛りが緩く、初年度から人気を集めている。
2022年函館2歳ステークスで2世代目産駒の牝馬であるブトンドールが重賞初勝利。牡馬でも初年度産駒のトウシンマカオがリステッド競走のクロッカスS・オパールSに勝利、さらに2022年京阪杯を制して産駒の古馬重賞初勝利を挙げた。
父サクラバクシンオーの産駒からは他にショウナンカンプ、グランプリボスなどが種牡馬入りしているが、直孫の種牡馬が育っていない。このため、バクシンオー直系、ひいては1990年代に内国産種牡馬の中心として活躍した祖父サクラユタカオー、「お助けボーイ」の異名をとった曾祖父テスコボーイと、伝統ある父系の存続に向け、ビッグアーサーとその産駒には期待が寄せられている。