境界の向こうへ
とてつもない質量の
知恵と技とを注ぎ込んで
大地に刻まれし溝
向こうでは勝者が笑い
いっぽうこちら側では
敗者が逆襲を誓って涙する
髪一本ぶんにも満たぬ
わずかな幅なれど
厳格に世界を分かつ境界線
君はどちらに立つだろうか
《「名馬の肖像」2022年桜花賞》
経歴
父ヴィクトワールピサ、母バルドウィナ、母父ピストレブルー。
名前は「宝石職人」(Jeweler)を意味する。
半姉(父ファルブラヴ)には短距離重賞を4勝したワンカラット(2006年生まれの09世代)がいる。
2015年(2歳)
馬主と調教師も姉と同じく、栗東の藤岡健一厩舎に入る。
11月29日の京都競馬場新馬戦(芝1800m)で秋山真一郎を背にデビュー戦勝利を挙げる。
2016年(3歳)
有馬記念とドバイワールドカップを父のヴィクトワールピサで優勝したミルコ・デムーロを迎え、シンザン記念(GⅢ)に挑むが、ロジクライに届かず2着。
続いてはチューリップ賞(当時GⅢ、2018年よりGⅡ)に出走。
ここでライバルとなるシンハライトと初めて対決。結果はシンハライトに敗れ2着。
そして、第76回桜花賞。
前年の最優秀2歳牝馬メジャーエンブレムが1番人気、シンハライトが2番人気で続き、ジュエラーは3番人気だった。
最後の直線でシンハライトが抜け出し、伸びないメジャーエンブレムを抜き去ると、大外から残り50m付近でシンハライトに並び、競り合ったままゴール。
判定の結果、ハナ差でジュエラーが勝利し、デムーロはこれが桜花賞初勝利となった。
しかし、激戦の代償で剥離骨折を発症し優駿牝馬(オークス)は断念。ジュエラー不在のオークスを勝ったのはシンハライトだった。
秋のローズステークス(GⅡ)ではシンハライトと3度目の対決となったが、結果はまさかの11着。シンハライトが勝利した。
そして、秋華賞はシンハライトが屈腱炎で回避(そのまま復帰出来ず引退)したため、2番人気(1番人気は紫苑ステークス(GⅢ)優勝馬ビッシュ)だったが、ヴィブロスの4着に敗れた。
その後は筋肉痛や骨折のためにエリザベス女王杯やヴィクトリアマイルには出られず、そのまま引退。
生涯成績は6戦2勝。シンハライトとは1勝2敗だった。
繁殖牝馬時代
引退後は繁殖牝馬となり、2018年に初仔ハイジュエラーが生まれたが、デビュー前に死亡。
2番仔(2019年)のヴェールランス(父キタサンブラック)が新馬戦で勝利し、産駒の初勝利となった。