プロフィール
生年月日 | 2020年2月3日 |
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欧字表記 | Forte |
性別 | 牡 |
毛色 | 黒鹿毛 |
父 | Violence(USA) |
母 | Queen Caroline(USA) |
母の父 | Blame(USA) |
生産者 | South Gate Farm |
馬主 | Repole Stable & St. Elias Stable |
管理調教師 | Todd Pletcher |
父Violenceはキャッシュコールフューチュリティなどを勝利。
母Queen Carolineはアメリカで20戦6勝、リステッド競走を1勝。
母の父BlameはBCクラシックでゼニヤッタに土を付けた歴史的ヒールで、そのほかにホイットニーSなどを勝利している。
4代母Jeanoから続く牝系には無敗三冠馬コントレイル、ブリーダーズフューチュリティ、BCジュヴェナイル、ベルモントS、トラヴァーズSなどを勝利したEssential Qualityなどがいる。
経歴
2歳時(2022年)
5月27日、ベルモントパーク競馬場5fの未勝利戦でデビュー。2着ワサビボーイに7.3/4馬身を付け勝利。
続くサンフォードSでは未勝利戦での優秀なパフォーマンスから1番人気に推されるが、4着に敗れた。
続いては2歳GI、ホープフルS。人気を大きく落とし単勝オッズは6.00(日本式では7.00倍)。1番人気は1.00(2.00倍)のガルフポートだった。
後方2番手を追走し、3コーナーで進出を開始。水浸しの馬場の中内目を突いて先頭に躍り出るとガルフポートに2馬身差を付けGI勝利を飾った。しかし翌年5月、ホープフルS後の血液検査にてメロキシカム(非ステロイド系の抗炎症薬)の陽性反応があったとして失格、この勝利は取り消された。なお、プレッチャー師はメロキシカムの処方や投与は一切受けていないと主張している。またこの件で検出されたメロキシカムはおよそ500ピコグラム(0.5ナノグラム)で、スティーブン・バーカー氏は「メロキシカムが競走能力に影響を及ぼすには1000ナノグラム必要」「投与ではなく汚染と考えるべき」とし、オーナーの一人マイク・リポール氏は「失格が取り下げられない場合訴訟する」と表明している。
更に2歳GIブリーダーズフューチュリティに出走。
まずまずのスタートから中団を追走し3,4コーナー中間で一気に捲って先頭に並びかけると、ロギンスとの激しい追い比べをクビ差制してGI2勝目を飾る。
そして競馬の祭典ブリーダーズカップにてBCジュヴェナイルに参戦。ここではデビュー戦で100越えのベイヤー指数を叩き出してからGI2勝を含む3連勝中で、その全てを高い指数で圧勝していたケイヴロックが0.47(1.47倍)の圧倒的な人気に推される中、そこから大きく離された5.02(6.02倍)の2番人気となった。
スタートを決め4,5番手の内目に付けて道中を立ち回る。3コーナーで進出を開始すると4コーナーで大外を捲って先頭に立ち、そのままケイヴロックを1.1/2馬身突き放してGI3勝目、BCタイトルを獲得した。鞍上のI.オルティスjr.はBCジュヴェナイル初勝利であった。
翌年発表されたエクリプス賞では最優秀2歳牡馬に選出された。
3歳時(2023年)
ケンタッキーダービーを大目標に、3歳初戦はファウンテンオブユースS(GII)。
これまでの実績から0.50(1.50倍)の圧倒的人気に推される。
5番手追走から4角大外を回して先頭に並びかけ、直線入り口で先頭に立つと後続を突き放し4.1/2馬身差を付けてゴールイン。
続いて叩き2戦目のフロリダダービーへ。
BCジュヴェナイルで下すまでは世代のトップと目されていたケイヴロックの不調の報もあり、既にケンタッキーダービーの大本命とされて単勝オッズは0.30(1.30倍)に上った。
スタートはまずまずだったが行き脚が今ひとつつかず中団後方から運ぶ。3コーナー入り口から追い出され、じわじわと位置を上げるが、ここで2番人気のメイジが更に外を捲って進出し先頭に立ち、フォルテは5番手で直線を向く。しばらく差が詰まらなかったが、ラスト1Fを切ったあたりで脚が上がってきた先団を一気に捕らえ、1馬身差で勝利を収めた。
そして本番、ケンタッキーダービーに向かう。当然ながら1番人気に推され、順調に調整を積み、王者として薔薇のレイに向かうゲートに収まる…そのはずだった。ケンタッキーダービー前々日、一部でフォルテがスクラッチする可能性があるとの噂が立った。というのも、本番数日前に注射を受けていた記録があったためだった。しかし特に続報なく調教をこなしており杞憂かに思われかけていた本番前日、現地時間午前7時ごろに右前挫石と診断され、ケンタッキー州の獣医の判断によりスクラッチされた。
ケンタッキーダービーで勝利したのは前走前々走ともに下しているメイジであった。
その後、14日間の経過と獣医検査の合格を満たす必要のある出走停止リストに指定され中1週の二冠目プリークネスSへの出走が不可能になったため、三冠目のベルモントSに照準を絞って調整を進め、無事出走に漕ぎつける。
好スタートから前目に付けて4,5番手で馬群の真っただ中を進む。3角他馬が進出を開始する中フォルテも鞍上の手が動くが今ひとつ進みが悪く、直線に入る前からムチが入る状況。4角大外を回してじわじわと足を伸ばすが、内目から突き抜けたアルカンジェロに1.1/2馬身及ばずの2着に敗れた。
その後、目標をミッドサマーダービーことトラヴァーズSに据え、プレップレースにGIIジムダンディーSを選択。
好スタートから2,3番手に付け、直線でエンジェルオブエンパイアを競り落とすと逃げるサウジクラウンとの追い比べをハナ差制して勝利。
トラヴァーズSは7頭立てながらケンタッキーダービー馬メイジ、プリークネスS馬ナショナルトレジャー、ベルモントS馬アルカンジェロと三冠競走勝ち馬が全頭集結。BCジュヴェナイル勝ち馬と三冠競走勝ち馬が全て同レースに出走することは極めて稀で、世代最強を決める戦いに相応しい舞台となった。単勝オッズはアルカンジェロと拮抗していたが最終的に1.75(2.75倍)の1番人気となる。
最内から好スタートを決めてアルカンジェロをブロックするように3番手付近で1コーナーを迎えるが、少しずつポジションを下げ一時的には最後方に付ける格好となる。いつも通り3コーナーから進出を開始し大外捲って直線に向くが、伸びがなくアルカンジェロからは大きく離された4着に敗れた。
トラヴァーズS後、裂蹄を発生してしばらく休養を取ったのちにBCクラシックを目標として調整を進めていたが、間に合わないとして10月19日に引退とケンタッキー州レキシントンのスペンドスリフトファームでの種牡馬入りが発表された。