概要
ヨウ素は原子番号53、元素記号Iのハロゲン族元素で、漢字では「沃素」と記述される。天然ガスに伴うヨウ素は日本で産出する貴重な地下資源の一つであり、千葉県での生産が世界シェアの3割を占める。
海藻、特に昆布に多く含まれる。日常生活では消毒薬として用いられる他、デンプンを検出する「ヨウ素デンプン反応」でも知られる。
人体との関わり
甲状腺のホルモンの成分であり、必須ミネラルの一種になっているため、海外では食用の塩などに添加されている(日本ではヨウ素は食品添加物として認められていない)。
必須元素なので欠乏症があるが、ヨウ素を含む海藻を常食する日本ではまず縁がない。むしろ日本人は必要量(0.095mg)の10倍以上の1mgを超えるヨウ素を常に摂取している。これは海外では過剰症(甲状腺機能低下など)が起こりうるとされる量であるが、日本人は大量のヨウ素摂取に特異的に耐性があるようだ。
しかし、普段から海藻類を食べる習慣のない訪日外国人はヨウ素への耐性がないため、昆布だしなどを使った日本料理(特にクーブイリチーなどとして昆布を直接食べることが多い沖縄料理)を常食するのは注意した方がよいだろう。