カタログスペック
頭頂高 | 22.3m |
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本体重量 | 29.7t |
全備重量 | 74.02t |
ジェネレーター総出力 | 16,540kW |
ジェネレーター出力(本体) | 3,308kW |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
スラスター総推力 | 197,800kg |
概要
ネオ・ジオン残党軍『袖付き』が運用する、ニュータイプ専用モビルスーツ。
機体名称は古代インドにおける武人・王族階級の第二位「クシャトリヤ」に由来しており、これはフル・フロンタルが駆る『袖付き』のフラッグシップ機シナンジュに次ぐ機体である事を示す。
なお、数あるモビルスーツの中でも特に名称の誤表記が多い機体であり、クシャトリ「ア」ではない事に注意を要す。
パイロットはマリーダ・クルス。
クシャトリヤは頭頂高が約40mに達していたクィン・マンサ(NZ-000)の大火力を、20mサイズの機体で実現するというコンセプトの下開発されていた。
元々クィン・マンサ自体当時の技術で最小化された機体ではあったのだが、多数の機能を盛り込んだ結果それでも40m級の大きさとなってしまい、非常に扱いづらい機体となってしまっていた。
コクピットブロック周辺へのサイコフレームの採用によるサイコミュの小型化と、複数の機能及びジェネレーターを集約搭載したバインダーを四基装備する事によって、多数の難題を解決している。(この特徴的なバインダーから、連邦側からは「4枚羽」の渾名で呼ばれる。)
とは言え、機体サイズはギラ・ズール等の一般MSからは完全に逸脱しており、このため型式番号もジオン軍、ネオ・ジオン軍におけるニュータイプ専用モビルスーツ用の“MSN”ではなく、α・アジール(NZ-333)から引き継いだNZ-666を与えられている。
外観は、全体的にクィン・マンサから引き継いだデザインとなっているが、頭部はゲルググを彷彿とさせるモノアイ・タイプへと大きな変更がなされ、加えて『袖付き』所属機の特徴である、ジオンの紋章をあしらったエングレービングが、機体各所に施されている。
また、装甲の隙間から漏れ出るサイコフレームの発光色は紫となっている。
機体解説
低コスト化が進んだ宇宙世紀0090年代後半の機体としては珍しく、オールレンジ攻撃端末ファンネルや、高出力ジェネレーター直結のメガ粒子砲を多数装備する第四世代モビルスーツである。その上、本機を運用する『袖付き』がサイコフレームを製造する設備を持たず、余剰パーツもシャアの反乱(第二次ネオ・ジオン抗争)時にアナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)が製造していた分が全てとなっており、追加生産はおろか整備もままならない、ワン・アンド・オンリーの機体になってしまっている(中破後の機体を検分したAE社のアーロン・テルジェフは、本機のサイコフレームを「かなり古いタイプですね」と、驚きと共に評しており、「GUNDAM PERFECT FILE」では「シャアの反乱」時にAE社から提供された試作品の流用と推測されている)。
クィン・マンサの高機能を集約した、「花弁」にも例えられる四枚の大型バインダーは、個々にMS本体同出力のジェネレーターと、そこから直結した高出力メガ粒子砲を内蔵し、重装甲を活かしたシールドとして、あるいは大推力スラスターによるAMBAC肢として、攻守機動の全てに貢献する。
加えて内側に各々が六基のファンネルを収納する、ファンネルコンテナとしても活用する設計となっている(合計二十四基を収納、戦場へ投入する)。
以上の基本機能以外にも、ジ・Oのような「隠し腕」(サブアーム)を格納しているため、ビームサーベルを用いての、敵機の意表を突いた近接格闘モーション、背後から斬撃に対する迎撃に用いられるのみならず、パイロットの機転次第で機体の対応任務を広げられる。
なお、各バインダーはジェネレーター・武装・スラスターがパッケージングされている上に、駆動部にサイコフレームが使用されているため、バインダー自体を巨大なファンネルに見立てて射出する、イレギュラーな攻撃方法も(仕様外であるが)可能であり、本機の柔軟性の高さを物語っている。
本機は20mサイズでありながらクィン・マンサに匹敵する性能を有すると評される。しかし、サイコフレームの採用によってサイコミュの搭載に要する容積は大幅に減じられたものの、Iフィールド発生器の性能低下や駆動トルクの不足等、スペックノート上に現れない部分での性能低下も見られている。
武装
本体側武装
胸部メガ粒子砲
クィン・マンサから引き継いで搭載された火器。左右に二基ずつの計四門を搭載。
原型機同様に、拡散メガ粒子砲として機能する。
マシンキャノン
胸部メガ粒子砲の両脇に内蔵された、本機唯一の実弾火器。
手首部ビームガン/ビームサーベル
袖口に、メガ粒子発振機を外側に向ける形で収納しており、通常はビームガンとして使用。近接戦に移行する際には、マニピュレーターへと射出して、サーベルとして使用する。
ビームガトリングガン
メガ粒子砲やファンネルは、機体およびパイロットにかかる負担が大きい兵装である為、それらを補助する携行兵装として設計された四銃身式の大型ビーム機関砲。
しかしながら、様々な人間達の思惑と、流動する状況により、ユニコーンガンダムがパラオからの脱出時に強奪、以降はユニコーンガンダムの携行武装としてラプラス事変終盤まで使用された。
このため、結局クシャトリヤ自体が使用したのは、後述の「リペアード」において、右脚のフレームと一体化させての義足兼用としてだった。
(原作小説版の最終決戦においてはクシャトリヤが、手首を喪失した右腕に固定する形で装備している。)
バインダー側武装
四基のバインダーは同一規格・構造のため、各武装の総数はそのまま四倍したものとなる。
バインダー部メガ粒子砲
バインダー左右側面に一門、計二門内蔵された高出力ビーム砲。
バインダー先端部に砲門を配していたクィン・マンサと異なり、広い射角を確保するのみならず、四基のバインダーでクシャトリヤ本体を全周囲防御しながら、敵機を狙い撃つことが可能となっている。
メガ粒子偏向器
クイン・マンサから引き続き搭載されている特殊装備。
バインダー部ビームサーベル
バインダーに搭載されたサブアームに内蔵されたビームサーベル。
これに加えてアーム自体も、見た目に違いユニコーンガンダム(ユニコーンモード)を拘束できる程の強度とトルク、そして繊細な作業能力を有しており、奇襲・反撃にも使用可能。
ファンネル
バインダー内側に六基ずつ収納している小型攻撃端末。カラーリングは機体カラーと同じ緑。(原作小説版では、銀色となっている。)
デブリと誤認されるほど小型であり、過去の多くのファンネル搭載機同様、バインダーに戻すことで再充電・推進剤の充填が可能。
射出に関しては、バインダー中央を外側に展開し、ファンネルを射出することもできる。劇中ではリペアード状態でファンネルミサイルを発射する際にこの機構が使われている。
第一次ネオ・ジオン抗争期に比べれば技術進展によってパイロットへの負担は大幅に低減されたものの、操作に関してはパイロットの資質に依存する面が依然として大きく、またオールレンジ攻撃の対策もマニュアル化されつつあった。このため、一定の優位性は確保していたものの、キュベレイ程の効果を挙げることはできなかった。
バリエーション
クシャトリヤ・ベッセルング
ユニコーンガンダムによって破壊され、ネェル・アーガマへ運び込まれたクシャトリヤを、トムラら袖付きのメンバーらによる(ある機能性を付与させるための)一方的な介入により修復した状態。ベッセルングとは独語で「回復」を意味する。
しかし名称とは裏腹に、左腕は肘から先が失われており、右足は肘から下の部分がフレームのみ、頭部内フレームやコクピットのイジェクションポッドも露出している。
他に変更点としては、頭部モノアイは連邦製パーツを用いた為、発光色がピンクから緑色に変色している。
武装面においても、胸部メガ粒子砲は左右各2門のうち1門がそれぞれ塞がれており、バインダーは左右一枚ずつの計二枚、加えて左側の物はフレームが露出している状態である。本体火器の大幅な使用制限に加え、ファンネルも使用不能であるなど、本来の性能には程遠い仕様となっている。
クシャトリヤ・リペアード
ネェル・アーガマのクルーによって、クシャトリヤ・ベッセルングにさらなる現地補修作業が行われた状態。
詳細はクシャトリヤ・リペアードの記事を参照。
ゲームにおいて
機動戦士ガンダムUC(PS3)
腕がビームガン固定の通常版、ep2時のバインダー損失版の他、手持ち武器使用が可能なタイプが登場。
設定通りのガトリングはおろか、あろうことかビームマグナムをぶっ放すクシャトリヤでプレイ出来る。
ファンネルも劇中では行われなかった防御形態での射出まで可能。
敵として登場した場合、ファンネルを撃ち落としたりユニコーンでサイコミュジャックして逆に襲わせたりと細かな仕様がある。
PSP版「ガンダムVSガンダム NEXT PLUS」の隠し機体として参戦した、コスト3000のファンネル機。
クィン・マンサの後継機なだけあって、その姿は正に「縮小版クィン・マンサ」。
それ故機体サイズが異常にでかく、プレイヤー機としてはぶっちぎりで最大。
メインは単発ダウンの太ビーム。射角外の場合バインダーから2発同時発射する為死角が無い。
しかも後格で全方位シールド可能。
だが機体サイズと同じく喰らい判定も全機体中最大。
攻撃・防御特化で回避は劣悪という性能な為、射撃の当て易さと全体的な火力の高さでダメージレースに競り勝つのが勝利の鍵となる。
コスト2500の射撃寄り万能機。
ゲーム中の機体の中で最大級の大きさを誇る。その大きさが弱点でもあり、敵の攻撃に引っかかってしまう事も。しかしサブ射撃のファンネルはスタン属性がついておりダメージが伸びやすく、味方のサポートに使え、レバー横入力でリングロープを張るようなトラップを作れる。いかに自衛できるかが鍵となっている。
フルブースト以降はコストが2000にダウン。
初期は弱かったがアップデートで何度か強化され、最終的に上位クラスに残った。
ファンネル攻撃の種類が増え回転率がアップ、射撃・格闘・火力は2000トップクラスで援護力も高い。
特にサブ射撃をメイン射撃でキャンセルして行う降りテク(通称サメキャン)や、ロープ状トラップを張って相手との対角線になるように移動すれば侵攻を防げるのでファンネルを巧みに使えばある程度は自衛可能。
ただし、先で延べた大きすぎる当たり判定がやはり弱点。格闘…はある程度は自力で逃げれるできるものの、マシンガン系武装といった近距離の押し付け武装や誘導に優れた武装は防ぎ難いので注意しよう。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇で初登場。
最初は敵として登場し、途中で一度マリーダと共に仲間になった後に離脱するが、条件を満たせばマリーダだけ離脱して機体は自軍に残る。
隠し機体だけあって性能は優秀。
後編の第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇ではマリーダが終盤で死亡するが、機体だけは自軍に残る(条件でマリーダが生存した場合は機体の性能が強化される)。
ちなみに修理用の資材が充実しているからか、リペアードは未だに登場していない。
0弾から登場。
マスターレアとキャンペーンが3枚づつ出ている。
コロニー・キューブの最後の敵として登場する。
クシャトリヤ自身は喋ることなく淡々と抹殺を行う
半ば無人兵器の扱いを受ける。
初回のみに3DCGで戦うことになるボスであり、
そこから簡単に予備動作を読み取ることが出来るため、
そこさえ気をつければ苦戦することは無い。
立体物
1/144スケールの物がHGUCとして「クシャトリヤ」「クシャトリヤ・リペアード」として一般販売。ちなみに古いサイコフレームを使っていたという設定を反映したのか、本キットのポリキャップランナーも90年代半ばに発売されたアナザーガンダムシリーズのHG 1/100に使われていたPC-116とかなり古いタイプを使っている。
BB戦士シリーズにラインナップ。各部アクションを取らせたり、バインダー&バインダーアームが可動する。 ビームサーベルが二振り付属、ミニサイズのロトが同梱する。
ROBOT魂でも発売されており、元々のサイズだけでなく大量のエフェクトパーツも付くためかなり巨大な箱に収められている。