機体データ
型式番号 | MSM-07 |
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所属 | ジオン公国軍→スタンパ・ハロイのMSコレクション、ジオン残党軍 |
開発 | MIP |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.4m |
本体重量 | 65.1t |
全備重量 | 96.4t |
出力 | 2,480kW |
推力 | 83,000kg |
固定武装 | 6連装24cmロケットランチャー、メガ粒子砲×2、アイアン・ネイル×2 |
概要
型式番号MSM-07。アニメ『機動戦士ガンダム』と『機動戦士ガンダムZZ』に登場。
ジオン公国軍の水陸両用モビルスーツ(MS)。モビルアーマー(MA)を多く開発したMIP社の開発による唯一のMS。
ツィマッド社のゴッグと同時期に開発スタートしながらも実用化が遅れた結果ジオンの量産型水陸両用機としては最後発の機体となったが、その完成度は高くゴッグ・アッガイなどに代わり水陸両用機の主力となった。
ジェネレーターの冷却を水冷式から水冷・空冷式のハイブリッドに変更したことで搭載する冷却水を減らすことに成功し、ゴッグより20tほど軽量化されている。また、装甲に関してもガンタンクなどの砲撃に耐えるだけの強度を有する。
本機には、ジェネレーターの高出力化、機動性の強化、装甲の軽量化などを施したS型(MSM-07S)も存在し、初期は指揮官用として生産されていたが、一年戦争末期には一般兵向けの量産機も全てS型に生産が移行されている。初期生産S型の中では、赤く塗装されたシャア・アズナブル専用機が有名で、同機はジャブロー攻略戦で活躍した。
水陸両用の傑作機として高い評価を得たものの、ゴッグなどとのパーツ互換がなく高騰したコストや癖のある操縦性など、問題点も少なからずあった。これらは統合整備計画に則り改善が図られる事となる。
後に戦場が地上から宇宙へと移行してしまったため、宇宙には対応できない機体である本機の一部は使い捨て兵器ゼーゴックに改造された他、地上に残された機体をジオン軍残党が運用している。
『ZZ』ではスタンパ・ハロイのMSコレクションの1体として量産機カラーで登場。このときのパイロットはジュドー・アーシタが務め、ハマーン・カーン駆るアッガイやアッグガイと対峙し、勝利している。
武装
頭部6連装ミサイルランチャー
ズゴック頭頂部に円形に発射管が内蔵されているミサイル兵装。口径240mm。対空迎撃への使用や、水中で機体を水平にすることで水平射撃を行う事も可能。
腕部アイアン・ネイル
両腕部に搭載された大型の近接戦用武装。通常のマニピュレータを3本のブレードへ換装した事で打突、斬撃などの攻撃を可能とした。その分汎用MSのような精密なマニピュレータ操作は難しくなってしまったが格闘戦での戦果は高く、ジャブロー戦にてシャア専用ズゴックが本兵装でジムの胴体を一撃で貫くシーンはあまりに有名である。
アイアン・ネイルによる攻撃は潜水艦などにも行われたが、装甲に衝突させた際の衝撃でブレード基部が歪んでしまい今度は抜けなくなるというケースが目立つ様になり、より対艦向けにラムズゴックが設計される事となる。
設定上爪の数は3本が正しいのだが、本放送のアニメでもしばしば作画ミスで4本になっている。このため公式資料を見ても4本になってしまう場合が多々あるので、間違っていてもあまりつっこまないようにしよう。なおガンプラなどでも3本と4本どちらでも作れるようになっていたりする。
また、アッグガイのものと同型のヒートロッドに換装することも可能とされる。
メガ粒子砲
腕部中央に搭載されているビーム兵器。先発機のゴッグがメガ粒子砲を胴体部に内蔵していたのに対して射角や迎撃自由度の高い腕部に搭載されている。収束率も高まりゴッグのような拡散メガ粒子砲では無く通常のビームライフルのように発射できる。
ある程度の連射も可能であり、劇場版ではシャア専用ズゴックがジャブロー内部から撤退する際にメガ粒子砲をあちこちに派手に撃ちまくって岩壁を崩して足止めに利用している。
漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』では、このビーム兵器が搭載されていることから宇宙用に改修したズゴックが登場している。しかし元々水冷式の為か、宇宙では冷却が出来ず、数発しか撃てない。
バリエーション機
ゼーゴック
型式番号MSM-07Di。
アニメ『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場。
「モビルダイバーシステム」にカテゴライズされる機体。ズゴックを管制ユニットに転用している。
詳細はゼーゴックを参照。
ズゴックE
型式番号MSM-07E。
アニメ『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場。
ズゴックを統合整備計画に則り再設計した機体。
詳細はズゴックEを参照。
シャア専用ズゴック
型式番号MSM-07S。
『機動戦士ガンダム』に登場。
シャア・アズナブル専用のズゴック。後期型・指揮官機型とされるS型を基とする、シャアのパーソナルカラーである赤に塗装されたカスタム機。
ジャブロー攻略戦に投入され、2度のジャブロー潜入を果たしているが、その後シャアがホワイトベース追撃の為に宇宙へ上がってからは使用されていない。
詳細はシャア専用ズゴックを参照。
ゾゴック
型式番号MSM-08。
メカニックデザイン企画『MSV』に登場。
ズゴックの設計をベースに、陸戦能力を重視して開発された兄弟機。
詳細はゾゴックを参照。
ガッシャ
型式番号MS-13。
メカニックデザイン企画『MS-X』に登場。
ペズン計画の中で、ズゴックの設計を汎用機に転用し試作された月面用MS。
詳細はガッシャを参照。
ズゴック(D型)
型式番号MSM-07D。
雑誌企画『MOBILE SUIT in ACTION ジオンの星』に登場。
前線部隊での改修によって生じたズゴックの派生仕様。アイアン・ネイルが4本に増やされた他、耐被弾性向上のために腰にスカート型式の増加装甲が取り付けられ、頭頂部にもアンテナが設けられている。
一年戦争中に西ヨーロッパで行われた「D作戦」において、地球に派遣された突撃機動軍第13中隊が3機を運用している。
ズゴック・クラブ
型式番号MSM-07F。
雑誌企画『F.M.S.』に登場。
連邦軍の水陸両用MSの登場に備えて、水中におけるズゴックの機動性を強化した機体。
胴体形状や機体背面の推進器に改良が加えられた他、左腕のアイアン・ネイルは廃され、何らかのランチャーに換装されている。また、右腕のアイアン・ネイルは4本に増やされている。
インド洋上のマッドアングラー級「ズアイ」で実戦テストが行われており、連邦軍のフロッグ・ボールと交戦している。
ラムズゴック
型式番号MSM-07N。
メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。
対艦戦闘用の機体として改良されたズゴック。形式番号は終戦間際に与えられたもの。
詳細はラムズゴックを参照。
ズゴックⅡ
型式番号MSM-07R。
雑誌企画『Zionの星 MOBILE SUIT in ACTION』に登場。
ズゴックが良好な性能を見せたことを受けて開発された改良型。
熱核反応炉の高出力化が図られるとともに、ズゴックの実戦データを元に重装甲化が行われ、胴体と肩を覆う形で一体型の装甲が増設されたほか、腰部にもスカートが取り付けられている。
武装面では頭部のロケットランチャーが2門に減らされ、代わりにバックパック中央部に8連装のランチャーが設けられている。
発注から1ヶ月でプロトタイプ3機がロールアウトするが配備数は少なく、プロトタイプしか生産されなかったとも言われる。うち1機は突撃機動軍第13中隊の隊長ラス・ハンニバル中佐の乗機となり、西ヨーロッパでの「D作戦」に投入された。
ズゴック(砲撃戦仕様案)
ガンプラ「1/144SCALE フルカラーモデル MSM-07 量産型ズゴック」組立説明書に登場。
ズゴックの砲撃戦能力を強化するために計画された派生案。腕部の構造をゴッグと同形式のフレキシブル・ベロウズ・リムに変更するとともに、アイアン・ネイルを4連装メガ粒子砲に換装している。
ズゴックのジェネレーター出力では計8門のメガ粒子砲を運用するのは不可能と判断され、計画のみに終わっている。
ズゴック(消防仕様)
漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』に登場。
ジオン本国で用いられた、消防隊用に改修された機体。腕部のアイアン・ネイルはオミットされ、メガ粒子砲発射口から大量の水(または消火剤)を噴射するようになっている。また、頭部ミサイル発射管も塞がれている。
公国公安本部庁舎爆破事件の際に消火の為出動した。
なお、正式名称は不明であり、消防仕様という呼称も公式設定ではない。
フォロック
メカニックデザイン企画『MSV90』に登場。
極秘裏に開発されていたズゴックの発展型。
可変機構を備えており、水中用MAバロックと合体することで潜水艦型の可変MAロック(型式番号MAM-11)となる。合体時のフォロックはロックの前部を構成する。
アイアン・ネイルなどの腕部の構造はズゴックのものを引き継いでいるが、スタンガンとしての機能が追加されており、可変機構の都合か胴体の構造はズゴックと別物になっている。その他の武装として、小型メガ粒子砲4門に加えて水中用と対空・対艦用の2種類のミサイルランチャー計6門を備える。なお、バロックはメガ粒子砲とフォノン砲を装備している。
移動時にはロック形態を取り、戦闘時にフォロックとバロックに分離するという運用が想定されていた模様。
ズゴック(サンダーボルト版)
型式番号MSM-07。
漫画・アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場。
手足の蛇腹ジョイントは多重関節という解釈がされている他、手足のパーツのバランスも異なり、ズゴックEや漫画・アニメ『機動警察パトレイバー』に登場したキュマイラのような細身の印象に仕上がっている。武装もヒートクローやメガ粒子砲代わりの機関砲を装備するなど、別物と言って良い程のアレンジが加えられている。
また、作中に登場するジオン軍残党「カウフマン部隊」の所属機には、球体関節や肩部増加装甲の採用、寒冷地戦を想定したホバー移動機能の実装といった改修が加えられている。
RFズゴック
型式番号OMSM-07RF。
ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場。
宇宙世紀0120年代の最新技術を用いて、火星独立ジオン軍がズゴックをリファインした機体。
外観こそズゴックそのものだが性能はオリジナルを大幅に凌駕しており、同年代の機種に匹敵する。
詳細はRFズゴックを参照。
ズゴックガンダム
型式番号MSMΖ-006。
雑誌企画『SDV』に登場。
元は、にせガンダムの仲間として描かれたキャラクター「にせΖガンダム」にミリタリー的設定を付与したもの。なお、各部のガンダム要素はΖガンダムではなくガンダム(RX-78-2)のものに近い。
水中型ガンダム(ガンダイバー)への対抗を目的として開発されたとも言われる、詳細が不明なズゴックの派生機。
機体各部にV字型ブレードアンテナをはじめとするガンダムタイプのMSの意匠が盛り込まれ、塗装もトリコロールになっている。また、両腕部のアイアン・ネイルは通常のマニピュレーターに換装されている。
パーフェクトズゴックキャノン
型式番号MSM-07FC-B。
カードダス『SDガンダム カードダス』などに登場。
ズゴックを元にした高性能機で、水陸はもちろん宇宙空間での活動も可能。
頭部にはブレードアンテナとともにハイ・メガ・キャノンが取り付けられており、その他にも背部のキャノン砲などといった各種武装を備えている。
「いつどこで開発されたかさえわからない」とされ、各部にはズゴック以外の機体の要素も存在する。腕部にはマニピュレーターとともにゴッグのアイアン・ネイルに近い形状の爪が装備されており、脚部はスラスターを備えた高機動型ザクⅡに近いものになっている。さらに、胴体部の構造は連邦系MSのものに近い。
元は「コミックボンボン」誌上で行われた「SDオリジナルデザインコンテストグランプリ」の大賞受賞作品で、後に「ホビージャパン」でリアル頭身の模型作例が制作されている。
アメイジングズゴック
型式番号MSM-07-A。
アニメ『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』に登場。
三代目メイジン・カワグチが製作した、シャア専用ズゴックをベースキットとするカスタムガンプラ。
詳細はアメイジングズゴックを参照。
ジムズゴック
型式番号MSMGM-07。
『GMの逆襲』に登場。
ガンプラマフィアが製作したカスタムガンプラ。ズゴックの機能を持つパーツを装着したGM/GMの一形態。
詳細はGM/GMを参照。
ガンプラ
1/100スケールでは旧キットとマスターグレード(MG)の2種類、1/144では旧キット、フルカラーモデル(F.C.M.)、ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー(HGUC)、リアルグレード(RG)の4種類、SDではBB戦士の1種類が発売されている。
これらは、いずれも量産機とシャア専用機の2種類がラインナップされている。また、HGではプレミアムバンダイ限定商品としてアメイジングズゴックも発売されたが、こちらは胴体内部構造がアップデートされたHGUCシャア専用ズゴックとして完成させることも可能。
その他、「ガンダム情景模型 ジャブローに散る」に1/250スケールのシャア専用機が、1/1200ガウ攻撃空母に同スケールの量産機とシャア専用機が付属している。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
G-SAVIOUR:宇宙世紀0220年代を描いた作品で、ゲーム版のとあるステージにズゴックの残骸がある。
Gのレコンギスタ:宇宙世紀よりもさらに超未来のリギルド・センチュリーを描いた作品で、こちらでも最終回のギアナ高地に2機のズゴックの残骸が登場している。
関連楽曲
【初音ミクオリジナル】水陸両用MSレディー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11351423
勿論非公式だがこちらもチェックしてみるといい。