キュマイラ(レイバー)
きゅまいら
SSS隊員「さんぐりあ号が東京湾に入った!キュマイラの配備を開始せよ!」
SSS隊員「キュマイラの配備を開始せよ!!」
『機動警察パトレイバー』に登場するレイバーの内の一機種。
注)「機動警察パトレイバー」はメディアミックス作品の為、作中での描写、設定資料全集、ムック、雑誌によって設定の相違点が非常に多い事にご注意下さい。
機体名 | キュマイラ |
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制式名称 | TYPE6Q/2C |
開発メーカー | シャフト・エンタープライズ・ヨーロッパ |
全高 | 7.00m |
全幅 | 4.25m |
全装備重量 | 7.30t |
最大起重 | 4.30t |
最小回転半径 | 4.95m |
装甲材質 | 高張力スチール |
装備 | 40mmマシンカノン、他銃器類 |
主な乗員 | SSS隊員、HSS警備員、他 |
パトレイバー30周年その53 キュマイラbyアッくん |
一年戦争中にジオン公国軍突撃機動軍所属マ・クベ中佐(当時)が立案した「統合整備計画」によって改良された、水陸両用型モビルスーツ・・・というのは冗談で。
企業連合体「シャフト・エンタープライズ・ヨーロッパ(SEE)」の傘下企業「シャフト重工」から分化した「シャフト・レイバーズ」が開発。
1997年10月に製造、一般販売はされていない治安維持用レイバーレイバー。
制式名称(型式番号)は<TYPE6Q/2C>。
機体名は「キュマイラ」。キュマイラはギリシャ神話に登場する魔神テュポーンと半人半蛇の怪物エキドナとの間に生まれた異形の獣。創作物などでは様々な生物を掛け合わせた合成獣というのがなじみ深いだろう。
メカデザインはゆうきまさみ。TVアニメ版は出渕裕が再デザイン。
(「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」に登場した出渕裕デザインのズゴックE、ハイゴッグをゆうきまさみがオマージュ。デザインを合成したレイバーを漫画版に登場させ、それを出渕裕がTVアニメ用として再デザインした、と思われる。)
(あるいはヘラクレス21と同様に、出渕裕がTVアニメ用に準備していたペンラフ画をゆうきまさみが漫画に使用して、その後に出渕裕が完成させた?)
詳細がわかる方は訂正か追記をお願いいたします。
SEEが警備用として開発した戦闘レイバー。分厚い装甲と強力なパワー、軽快な運動性を生かした格闘戦を得意とする。グラウ・ベアとほぼ同時期に並行して、別の開発グループの手によってキュマイラは開発された。安定性重視のグラウベアとは対照的に機動性重視の軽快な運動性を持った機体である。
生産ラインの準備までも進められていたが、営業サイドから社内競合は望ましくないとの意見により市販は中止されている。1本だけ残された生産ラインを用いて、シャフト傘下企業専用機として数十機が限定生産された。
漫画版ではシャフト・セキュリティー・システム(以下SSS)の専用機とされている。TVアニメ版、ゲーム版ではサターンやエイブラハムといった後発機の発売後でも傘下の警備会社に普及していることがうかがえる。
ペイント弾使用のマシンガンをオプション装備する機体もあり、同機は軍用レイバー「ブロッケン」開発のテストベース機であったとする見方もある。
機体形状は簡潔に言うとズゴックEとハイゴッグを足して割ったような姿。胴体と背中はハイゴッグ、手足と肩はズゴックE。
首がなくて手足が太い体型で、胴体部はカエルか太いペリカンのような形状。マニピュレーターは先端が鋭い三本爪。
操縦席は開放式で、キャノピーウィンドウ越しに周囲を直接視認している。わかりづらいか操縦席の左右まで広くウィンドウが広がっていて意外に視界が広い。
搭乗者は専用の透過型ヘッドマウントディスプレイを装着しており、バイザーに各種情報が表示されるようになっている。バイザーには暗視能力もあるようだ。
操縦席ハッチは、胴体上部装甲が上に跳ね上がるようになっており、胴体下部のカウルも下に下がることで、まるでカエルが大きく口を開けるかのような構造になっている。
一応はグラウ・ベアと並行して開発された、同一のフレームを持つ姉妹機という設定がされているが外観からはとても同一フレームとは思えない。全体的な構造、操縦席周辺なども差異が大きいため、フレームが一部共通ということかもしれない。
キュマイラはグラウベアに比べ機能的だがパワーや整備性に劣るとされている。最大起重の数値こそはキュマイラが上ではあるが攻撃用の鋭い爪だけのマニピュレーターでグリップ力が無く物を持ち上げるのには向いていない。グラウ・ベアの方が重心を低く、幅広で指のある大型のマニピュレーターを装備しているため安定性で優るためだろうか?
戦闘能力はなかなかのものでオプション装備として40mmマシンカノンをはじめとして、各種銃器類を装備可能。
爪を利用した格闘攻撃が主だが、漫画版では僚機と連携して接近格闘と高さ6m程度跳躍してのオルテガハンマーでジェットストリームアタックを繰り出している。TVアニメ版では崖上から跳びかかって攻撃、ゲームでは跳び蹴りや跳躍してエルボーを繰り出すなど、レイバーとしては珍しいことに跳躍を活かした動きが多い。
漫画版
漫画版では第6話「VS.<その2>」に登場。
内海課長が警察にマークされたことを知った徳永専務。内海課長とグリフォンを捕らえるようSSSに依頼する。東京港に接岸した工作船「さんぐりあ号」を待ち伏せ、キュマイラ4機を出撃させる。しかし、グリフォンの圧倒的な力で2機が大破。2機でジェットストリームアタックを仕掛けるも迎撃されて1機が両断される。イングラム、多数の報道陣と警官も集まりグリフォンの確保が困難になったことから破壊に移行。残った1機に吸着爆弾を持たせ、グリフォンの背中に設置しようとするもイングラムのライアットガンの射撃に巻き込まれて自爆、乗員は死亡してしまった。
TVアニメ版
第20話「黒い胎動」に登場。
大島にて自衛隊と「ホリ・セキュリティ・サービス」(以下HSS)のレイバー合同演習に登場。自衛隊はサムソン、HSSはキュマイラ2機とサターン1機で戦闘。サターンは撃破されるも、サムソン2機を撃破。2対1の状況に持ち込む。1機が陽動を行ってサムソンの攻撃を誘い、もう1機が背後の崖から飛び降りて奇襲する。格闘戦に持ち込んで一時は拘束するも、柔道技の大内刈りで撃破された。その後は演習に乱入してきたファントムに倒されて、新聞に写真が掲載された(とはいえキュマイラとサターンの動きはファントムを援護するための偽装シナリオの可能性もある)
第34話「城門の戦い」はキュマイラの代わりにエイブラハム(警備仕様)が登場している。
ゲーム版
SFC「機動警察パトレイバー」に登場。
シャフト傘下の警備会社「コジマ・セキュリティ・サービス」(以下KSS)に配属されている。
事件ファイル06「海浜リゾート 大パニック」幕張メッセ、イベント会場の警備にあたっていたが、バイト警備員が彼女に振られた腹いせに暴れた。
事件ファイル12「花婿は二人」に登場。KSS社長の息子と共栄不動産の娘の結婚式中に、誘拐された新婦を奪還するためにキュマイラ2機が出動している。
事件ファイル18「湾岸線の罠」に登場。
旧沢弥工業のプログラマー「沢弥すみか」が古柳教室のメンバーと開発した、グスタフの力を誇示するため起こしたテロ。シャフトの資金と物資支援を受けているらしく、リモート操縦タイプのブロッケン6機とキュマイラ2機が登場。ブロッケン3機で特車二課をレインボーブリッジにおびき出し、橋に仕掛けた爆弾で分断。イングラムの合流を遅らせるため、泉野明を追加ブロッケン3機、太田功をキュマイラ2機が襲った。
キュマイラ(漫画版)
SSS専用機のキュマイラ。
首の後ろにロールバーがある。(しかし途中から描かれなくなる。)背中に大型の排熱ファンが付いていて、そのためテールランプが小さい。肩の上にも排熱口らしきものがあるため、アニメ版と違って武装マウント部が無い。二の腕に装甲カバーが付いておらず布カバーのみ、腰前のライトは小さいのが複数組み合わさったものとなっている。1号機、5号機、13号機、?号機の計4機が登場。
キュマイラ(TVアニメ版)
HSSにて運用されているキュマイラ。カラーは水色。
TVアニメ化の際に出渕裕によって再デザインされた。そのため細かいディティールなどが変更され、二の腕に装甲カバーが追加、股間と足(くるぶし)の構造が変わった。背中の排熱ファンは省略され、大型のテールランプが備え付けられた。肩上に武装マウント部が追加されて銃器を乗せれるようになった。
略称SSS(スリーエス)。シャフト専属の警備機関だが、実際は私設軍隊(傭兵)であり基本的にシャフトを守るためのみ存在する。香港、東南アジアでは猛威をふるった、悪名高い警備会社。破壊工作、武力を奮う危険な集団で、不利益な証拠の隠滅、口封じ、暗殺を行っている可能性があるらしい。各支社ごとに少数の特務分隊がいて、有事には集合して事に当たる。
会社のためになると判断すれば上司の命令を無視して強行手段をとったりSSSが警察に目をつけられて会社に不利益とならないようにそれなりに気をつかう等、隊員たちの「会社への」忠誠心そのものは非常に高い。
日本国内ではさすがに銃器類を携帯していなかったがバギー、通信指揮トレーラー、爆弾を装備している。レイバーは漫画版でSSS専用機のキュマイラ、TVアニメ版では軍用レイバー「エイブラハム」の武装や機能を制限した警備仕様を配備している。
漫画が初出でシャフト・ジャパンの徳永専務が、内海課長とグリフォンを捕らえるためにSSSへ命令を下した。シャフトの工作船「さんぐりあ号」に逃げた内海課長を待ち伏せして急襲するが失敗。社長命令で撤退中、内海課長に爆弾を仕掛けられて幹部級の隊員がほとんど死亡。後にSSSには警察の捜査が入って大打撃を受けた。漫画版では残った隊員たちは社命を無視して独自に企画7課を追跡。最後は・・・。TVアニメ版では出番がなくフェードアウトする。
ちなみに、香港、東南アジアではシャフトの開発に反対する現地の環境テロリスト「地球防衛軍」と激しく対立しているらしいのだが実はその香港、東南アジア「地球防衛軍」に資金や武器を提供しているのもシャフト。結局はシャフトの開発行為が止まってないことから、なんらかの裏があることが後藤喜一に示唆されている。
SSSはシャフトのための部隊だがそれとは別に、シャフト傘下子会社の通常の警備会社が複数存在し
「シャフト・セキュリティ・サービス」(SSSとまぎらわしい)
「ホリ・セキュリティ・サービス」(一部資料ではホリー・セキュリティ・サービス)
「コジマ・セキュリティ・サービス」(警備会社の大手、SFC版「機動警察パトレイバー」)
等があり複数のキュマイラやサターンを運用している。