概要
『機動警察パトレイバー』に登場するレイバーの内の一機種。
土木作業用レイバーとして様々な現場と多数の媒体で運用されている。
注)「機動警察パトレイバー」はメディアミックス作品の為、作中での描写、設定資料全集、ムック、雑誌によって設定の相違点が非常に多い事にご注意下さい。
データ
機体名 | タイラント2000 |
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制式名称 | 菱井HL-96 |
開発メーカー | 菱井インダストリー |
全高 | 8.02m |
全幅 | 4.72m |
全装備重量 | 12.65トン |
最大起重 | 3.7t |
最小回転半径 | 7.80m |
装甲材質 | FRM |
装備 | ショベルドーザー ウィンチ アウトリガー他 |
主な乗員 | 作業員 |
機体について
菱井インダストリー製造、1995年に製造販売された大型汎用レイバーである。
制式名称(型式番号)は<菱井HL-96>もしくは<HL-2000>。
箱型の胴体部、太くがっしりした脚部、同じく太いが地面に届きそうなほど長い腕。
立ち上がったブルドーザーといえるデザイン。
2足歩行レイバーとしては初期の機体であり、人型にこだわった結果失敗した篠原重工の「大将」に比べて人型にこだわらず機能性と汎用性に絞り、傑作レイバーとして完成した。
居住性が悪く運動性能は低いものの、大出力、優秀な整備性、豊富な作業用アタッチメントと無骨な外見から作業現場では大人気となりレイバー史上に残る大ヒットを飛ばす。
それまで篠原重工一色だった市場を塗り替え、レイバー開発に遅れをとっていた菱井インダストリーが大きく躍進する立役者となる。
そして、発売から3年以上が経過して新型機が次々登場している劇中でも、上記の長所から広く使われている。
特徴的な胴体背部には大型超伝導電池を搭載している。
電池は液体酸素による冷却が必要な特殊なものであり、電池の冷却用として2000ccのディーゼルエンジンを搭載している。そのため、機体の起動時にブルブル震える。
あくまでも作業用で旧式であるため、大きさや外見のわりには意外にもろい場面が多いのも特徴である。
劇中における描写
劇場版
住宅街を薙ぎ倒しながら暴走、折り紙つきの大パワーでイングラムの格闘をものともせず進み続けた。特車二課第二小隊によって一度は停止されられたものの突如再起動。川に落とされてぶち切れた太田功によって蜂の巣にされる。なお、この際に上述の冷却ユニットへ被弾したため、噴出した液体酸素で太田と2号機は氷漬けになってしまった。
東京の古い下町を突き破り、パトカーを踏み潰し、近未来的なロボットでありつつ泥臭い作業機械然としたタイラント2000が出現、その乗員はどこにでもいる土木作業員のおっさんで、イングラムがドタバタどつきまわすという他のロボット作品とは一線を画すパトレイバーらしさを凝縮したシーンである。
他に帆場暎一の旧住居の解体や箱舟の背景として登場する。
その他媒体
背景で作業シーンや犯罪者のレイバーとして地味に活躍。
バリエーション
HL-96B
タイラント2000の改装型。自衛隊の工科部隊用。
自衛隊に初めて採用されたレイバー。(戦闘用としてはアトラスが初)
補足
企画段階ではヒポポタマス22という名前で、イメージは「ズドーン」