概要
『機動警察パトレイバー』に登場するレイバーの内の一機種。
開発途中の陸上自衛隊の試作重攻撃レイバーである。
注)「機動警察パトレイバー」はメディアミックス作品の為、作中での描写、設定資料全集、ムック、雑誌によって設定の相違点が非常に多い事にご注意下さい。
データ
機体名 | 未定 |
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制式名称 | HAL-X10 |
開発メーカー | 菱井インダストリー&篠原重工(共同開発) |
全高 | 11.38m |
全幅 | 7.15m |
全装備重量 | 20.28トン |
最大起重 | 43t |
最小回転半径 | 3.60m |
装甲材質 | 強化スチール 複合装甲 |
装備 | ATMランチャー 9連装ロケットランチャー スモークディスチャージャー 対空用ミニガン |
主な乗員 | HOS AI |
機体について
戦車の防御力と攻撃力、レイバーの機動力と汎用性を兼ね備えることを目的として開発されている陸上自衛隊の軍用レイバー。試作機なため機体名は無い、開発コードネームは「HAL-X10」。読みはハルエックステン、短くエックステンとも呼ばれる。
戦車の実績を持つ菱井インダストリー、そしてレイバーの高い技術力を持つ篠原重工が協同開発を行ったと表向きは言われている。
胴体部は戦車砲塔ような形状、しかしセンサー部分は篠原重工ヘルダイバーそっくりで、零式と同じくレーザースキャナーを搭載。脚部もクラブマン・ハイレッグ風である。
OSも篠原重工のレイバー用新OS「HOS」を搭載しており、劇中でも「篠原重工製」と言われている。
重武装かつ高機動、都市侵攻を見据えたプログラムも用意されており、専守防衛が拡大解釈され戦術レベルでも「攻撃的な」装備導入を検討しただけで騒がれた昭和~平成の自衛隊らしからぬ機体。それ故に、存在そのものが微妙に表に出しにくいレイバーでもあった。
機動性を高めるオプションとしてホバーユニットを装備している。これにより高速移動しつつ、大きく跳躍して障害物を跳び越えたり、射撃を行うことも可能。
劇場アニメ版のホバー切り離しは噴射口部分を含む後方全てをパージする仕様で、胴体部がごっそり半分近く無くなる。TVアニメ版のホバー切り離しは尾ひれのような動力部ユニットだけをパージ、噴射口部分は機体に残ったままとなる。
TVアニメ版独自の設定として、脚部先端の爪の内側に車輪を内蔵し、平地はこれで高速走行が可能。この構造はクラブマン・ハイレッグと同様である。
劇中における描写
劇場アニメ版
機体色は赤。
映画ののっけから登場し自衛隊と激戦を繰り広げるというインパクトある登場をする。
多脚レイバー特有の悪路走破力で森林をものともせず、ひらけた場所ではホバーで高速移動。スキャナーにて夜間かつ擬装を施して待ち伏せしていたヘルダイバーを発見、先制攻撃を加えるなどその強さを見せ付けてくれる。徐々に機動力を削がれていくことで集中砲火を浴びた機体はスクラップになった。その操縦席には…
TVアニメ版
機体色はオリーブドラブ。
開発中にAIが暴走、自衛隊と特車二課第二小隊と交戦した。
自衛隊の複数の97式装甲戦闘レイバー、戦闘ヘリの集中攻撃を跳ね除け撃破。続けて迎撃したイングラムの銃撃と格闘も寄せ付けず機動力とパワーで暴れまわった。攻めあぐねた第二小隊がとった作戦は…
漫画版
開発中の機体が盗撮写真として登場。実機は登場していない。
菱井インダストリー主導で開発されていた所へ、どんな手を使ってか篠原重工が途中から参加。センサーなどが菱井から篠原製に変更された。漫画版らしく企業の黒い部分が示唆されている。
スーパーロボット大戦OE
序盤の暴走ロボットや機械帝国の尖兵として登場する。
バリエーション?
ハル戦車
ウルトラセブン第28話「700キロを突っ走れ!」に登場する怪獣、ではない。
NEWOVA版15話「星から来た女」にチラッと登場する某怪獣に似た怪獣。
余談
アニメにはキャラクター等の詳細設定図とは別に、アニメとして動かすために簡略化された作画用の設定図がある。特に書き込みの多いメカやロボなどによく用意される。
機動警察パトレイバーにもそれがあるのだが、HAL-X10の出渕裕設定図と作画用設定図では「簡略化」だけではなく「形状」が違う。
脚部と胴体前部のデザインに違いがあり、実は資料集等にでかでか載ってるHAL-X10は登場しない幻のレイバーである。細かい違いとして、作画用は脚部の分け目が一つ多く全体的に丸みを帯びている、機体の前部にはヘッドライトが追加され、吸気口周辺が角張っている。劇場版、TVアニメともに作画用の形状、しかしTVアニメのアイキャッチのイラストは出渕裕設定図に準拠していたりする。
(あとスーパーロボット大戦OE、地味にハル戦車も出渕裕設定図版)
資料集によっては2種が混在している時もあってややこしい。イラストやスクラッチするときにこだわってみるのも面白いかもしれない。