※名前の元となる妖精王については、妖精王・オベロンの記事を参照。
スペック
形式番号 | AGX-11 |
---|---|
全高 | 20.5m |
本体重量 | 40.2t |
全備重量 | 66.3t |
ジェネレーター出力 | 4,950kW |
スラスター総推力 | 135,800kg |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
開発組織 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
設計 | パプテマス・シロッコ |
武装 |
|
パイロット |
概要
パプテマス・シロッコがジ・Oに次ぐ戦力として考案していたハンドメイド試作モビルスーツ。
完成前にシロッコが死亡したため日の目を見ることはなかったが、シロッコの設計をもとにアナハイム・エレクトロニクスが開発。シロッコが戦後の象徴としてタイタニアと並行して開発を進めていた機体であり、タイタニアの隣に並ぶその姿から妖精の王「オベロン」の名が与えられた。
ネオ・ジオンからは「白のグリモア」と呼ばれている。
当機体を発見したネオ・ジオンから強奪したフィオリーナ・フィリーがマシロ・オークスのもとへと届け、紆余曲折を経てマシロがパイロットとなる。
当初はジ・Oに似た白とグレーを基調とする偽装装甲が施された姿(アーマー形態)だった。背部にマシロの父が射出したコアポッドが接続されることで偽装が解除され、ガンダムタイプの姿へと変わる。
汎用性はオプションの装着によって補い、本体は基本性能のみを追求するという思想で開発されている。オプションは前述した偽装装甲の他、メッサーラ・グラシュティンなど様々な物を装着できる。
機体はフィオリーナとリンクしており、通常はリミッターがかけられた状態。ガンダムフェイスはフェイスガードで覆われ、ブレードアンテナも閉じられている。
マシロ搭乗時に特定の条件が揃うとリミッターが解除される。その際にサイコフィールドらしき現象が発生している事から、何らかの形でサイコミュに関するシステムが搭載されていると推測される。
メッサーラ・グラシュティン
形式番号 | PMX-000G |
---|---|
設計 | パプテマス・シロッコ |
武装 |
|
パイロット |
オーヴェロンの支援機であるモビルアーマー。名称にもある通りメッサーラの流れを汲んだ機体だが、部品の流用がない完全な新規開発機であり、モビルスーツ形態はない。
支援機だけあって、真価を発揮するのはオーヴェロンと共に運用した場合となる。第二形態では後の時代に登場するメガライダーを思わせる形でオーヴェロンが搭乗し、第三・第四形態では分離した機体各部をオーヴェロンが装備する。
ハイパー・メガ・ランチャーの出力はメガライダーのハイパー・メガ・キャノンよりも劣るが、取り回しが良く命中させやすい。
大型スラスター・ユニットの底面には隠し腕として大型の腕部クローを装備している。
形態
"白のグリモア"と呼ばれる搭載システム「"0"Ver.ON」の起動の有無と、オプションの装備状態でいくつかの形態に分類される。
オーヴェロン(アーマー形態)
「"0"Ver.ON」を物理的にロック、封印している形態。
ジ・Oに似た偽装外装を纏っているが、これはガンダムタイプであることを隠すだけでなく、「"0"Ver.ON」が起動していないことによる性能低下を補う役目がある。「"0"Ver.ON」起動と同時に外装はパージされるが、再装備には外装を回収して設備のある場所で再装備する必要がある。
この形態でもビームサーベルとビーム・ショットライフル、頭部の60mmバルカン砲が使用可能。両膝の隠し腕は使用できない。
この偽装外装の内部プロペラントには液化したグリモアが注入されており、逆波形のサイコウェーブを発生させてバイオセンサーの感度を抑えている。
オーヴェロン("白のグリモア"起動時)
リミッターが解除されて「"0"Ver.ON」が起動した形態。
偽装外装をパージすると共に頭部が変形してガンダムタイプとしての姿を露わにする他、パイロットを務めるマシロがシロッコの器として覚醒し、性格や言動が激変する。
武装はすべて使用可能になっており、どれも高出力になっている。
オーヴェロン("白のグリモア"停止時)
外装をパージ後、「"0"Ver.ON」が停止した形態。
4本あるVアンテナがメインカメラに寄せて折りたたまれ、ひさし部分がツインアイ側に下降、フェイス左右にある装甲が閉じている(2巻冒頭などフェイス左右の装甲は閉じない場合もあるが、違いは不明)。また、ツインアイの点灯光が漏れてバイザーのように見えるため、ジムタイプの様相となる。
戦闘は可能だが機体の性能が低下しており、シールドに装備されたビーム兵器の出力や、スラスターの出力が低下していることが確認できる。
オーヴェロン&メッサーラ・グラシュティン(第二形態)
支援機であるメッサーラ・グラシュティンにオーヴェロンが跨り、SFSとして使用する形態(SFSとしてMSを搭乗させるためのグリップが背中から立ち上がる)。
2機のジェネレターが接続されることで相補的に性能が向上する。
機首部分はハイパー・メガ・ランチャーになっており、使用する際はメッサーラの機首アーマーをパージする。
セイン大尉はこの様子を見て"騎兵"と例えた。
オーヴェロン&メッサーラ・グラシュティン(第三形態)
メッサーラ・グラシュティンの大型スラスター・ユニット2基を背部コアポッドに装備した形態。
高機動戦闘や近接格闘を想定しており、ブースターに折りたたんであった巨大なクローアームが使用可能になる。
メッサーラ・グラシュティンの機首部分は独立したままサポートを行う。
オーヴェロン&メッサーラ・グラシュティン(第四形態)
第三形態の状態から、メッサーラ・グラシュティンの機首部分をハイパー・メガ・ランチャーとして携行した状態。
機首のモノアイ部分は背中側に立ち上がりセンサーが露出するようになると同時に、オーヴェロンの頭頂部メインカメラ及びツインアイが赤色に点灯する。
グリプス戦役末期にはシロッコがこの形態に至るまで設計を完了していた。
フルアーマーオーヴェロン
形式番号FA-0016&G。
別名フルアーマー& (アンパサダ)ガンダム。
サイコフレア(オルフェウス)の攻撃を受け炎上していたアーガマ改級ユーロンの格納庫に残されていた残りのコンテナから姿を現した2機目のオーヴェロン。
全身にフルアーマー百式改と同じ形状の増加装甲が施されている。
胸の2枚のリフレクターパネルはビームを弾くIフィールド効果がある。
1機目のオーヴェロンが破壊された際に脱出したコアポッドにコールドスリープ状態で搭乗していたマシロ(本体)が呼び寄せた。
武装はデルタガンダム系列機が使用するロングメガバスター、胸部ハイメガキャノン、背中のビームキャノン、脇下の2連グレネードランチャー、脚部ミサイルランチャーが確認できる。
オーヴェロン(3号機)
フルアーマーオーヴェロンの素体となるオーヴェロン3号機。
色以外に外見的な違いはない。
フルアーマー部分を脱ぐと全身がグレーの機体カラーリング。
また上腕の青い籠手部分が金色になっている。
オーヴェロン(シロッコプラン)
形式は台詞に隠れていてわからないがPMX-00?となっている。
シロッコがグリプス戦役時に考えていた当初のプランのオーヴェロン。
登場シーンはトニオ・オークスに見せた正面図面のみ。
素体正面には変更は無いがコアポッドが形状が違うのか又は合体する計画ではなかったのか正面からはバックパックのドラムスラスターやテールバインダー部分が確認ができない。
さらに合体しているメッサーラ・グラシュティンの機首やビームキャノン部分の形状が違う。
これは後にクランで設計が改修されメガライダー要素を足した為だと思われる。
別作品での活躍
初のゲスト出演。
最終話にアーマー形態だけが登場した。
- スーパーガンダムロワイヤル
ゲーム作品への初参戦。
パイロットのマシロにはボイスあり(畠中祐氏が担当)。
アクションゲームへの初参戦。第三次アップデート追加機体であり、マシロの声優は引き続き畠中祐氏。
コスト2500。基本は"白のグリモア"起動状態で、『グリプスの呪縛』も再現されている他、第四形態になるとシロッコの残留思念が復活する演出が見られる。
本機は変形(ブーストボタンを押しながらレバーを2回倒す)でメッサーラ・グラシュティンに跨る第二形態、時限強化使用中は第四形態へと複数の形態を切り替えながら戦う。
本領は第四形態になってから。ハイパー・メガ・ランチャーやプレッシャーと言った強力な武装が使用可能になる。さらに『グリプスの呪縛』の再現として第四形態のオーヴェロンの至近距離にいる相手に鈍足効果効果を付与する特殊武装まで発現する。
ただし通常時は機動力や自衛面に難があり、そういった点を変形等でうまくカバーする必要のある玄人向け機体となっている。だがコツさえ掴めば通常時でも安定した立ち回りが可能で高い勝率を記録し、二回の下方修正を受けてしまう。それでも時限強化時の武装の強力さから以降も使い手は多い。
覚醒技は上空からサイコフレアが降り注ぎ爆風を発生させる。直前に着弾地点が現れるので避けられやすいが、使うと時限強化が回復する。